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モータージャーナリスト 町山絢香のブログ一覧

2011年06月01日 イイね!

【ざ・新車対決2011・第33号】 消費は減らしても、歓びは減らさない!

 VW パサート ヴァリアント TSIコンフォートライン ブルーモーション(346)(勝ち点5)



vs VW ポロ GTI(294)




 サラリーマンにとっては悪夢の言葉になっている「リストラ」でも、その言葉の由来は「リストラクチャリング(再構築)」であり、先ほどウィキで調べてみた結果、ロシアで起こった「ペレストロイカ」と実は同意語なのです。

 本来の意味では、今までの枠組み(パラダイム)を一旦崩して、新たな枠組みに再構築することなのですが、実際の日本の企業で行われてしまったのは、単純な人員削減、いわゆる人切りとしての意味で使われてしまい、本来の意味とは大きくかけ離れてしまっている現実に直面した日本人も数多いかと思います。


 なぜ、一見クルマと関係ない話である「リストラ」を話題にしたかと言うと、ここ最近クルマに求められている「エコロジー」によって、いつの間にかクルマの走りを楽しむことまでもが否定され、あたかも我慢しなければいけないものであるかの様に、思い込まされている人たちが多い現実があるからです…。

 それが証拠に、21世紀に入ってからラインナップ中にスポーツモデルを持たない日本車が激増し、若年世代のクルマ離れを一層加速させてしまっています。

 そこに、現代の日本車のつまらなさ・不甲斐なさがあるのですが…。


 その点、人を愛しクルマを愛しているVWは違ってました。

 エンジン排気量を小さくすることで「ダウンサイジング」を推進しながらも、お買い上げ下さる顧客様には我慢させることなく、むしろ満足度を上げていく方向で、新たな進化の方向性を見出しているところは、さすがクルマ造りの上手なメーカーだな、と感心するところです…。


 そこで、今回登場するのはポロGTIです。

 VW一番の看板車種は、やはりゴルフ。

 よって、ゴルフの開発にも最も力が入り、先進技術をより積極的に導入していく姿勢があります。

 それによって、クルマ全体の基本性能は確実に向上するのですが、それが時に優等生になりすぎて、GTIのようなホットハッチ物件となると、全体的に角が取れてイマイチインパクトに欠ける傾向が出たりします。

 
 その意味では、現行ポロは基本シャーシは先代モデル継承でパワステも未だに油圧ポンプ式。

 それ故に、メカニズムの先進性ではゴルフに劣るポロであり、それがGTI同士で比べた場合、ポロの場合音振で見劣りするところがあることはあるのですが、それがかえってホットハッチとしてのムードを高める効果を生み出す結果になっているだけに、改めてクルマの奥深さを知ることとなったのです。

 そんな訳で、ポロGTI。ピンポイント物件としてヒットしたのです。

 通常のポロだと、着座位置を高めに背もたれを起こした姿勢を取るには圧迫感ある居住空間であり、低く寝そべった姿勢を取るには、シート座面が平板で落ち着きが足りないといった違和感があったのですが、これが専用バケットシートを採用したGTIになると、シートのサイドの張り出しが大きくなって、サポート性が確実に向上しながらも窮屈さを感じさせないもので、運転環境面では大きく好転したことが印象的でした。

 そして、油圧ポンプ式パワステを継続したことで、完全な電動パワステでは未だに出し切れないSATを出すことに成功し、極めて上質なステアフィールで走る面白さに満ちていました。


 先代もGTIに乗る機会には恵まれず、出来ればあの時と同様3ペダルMTに、思い切りクルマと対話してみたい思いは大きかったのですが、7速乾式DSGのシフトスケジュールの完成度は高く、パドルシフトを駆使したスポーツドライビングにも十分に対応出来るものです。


 前回ツインチャージに対して、過給時の過度なトルクの立ち上がりに違和感がある、といった意味のコメントを致しましたが、これも不思議なものでスポーツサウンドに満ちたGTIになると、途端に雰囲気が出て「これぞホットハッチ!」と思うほどのパワフルで魅力的なエンジンに思った程でした。


 森慶太氏の評価が芳しくなかったポロGTIでしたが、油圧式パワステによる昔のクルマの良さとTSIやDSGといった最新技術による最新型車の良さが見事にバランスされた、隠れ名車物件として、わたしとしては評価していきたい、と思った程でした。

 そんな訳で、早くもパサート・ヴァリアントに代わっての次回持ち越しとなり、勝ち点2が付きます。


 
 一般的にはワゴンのヴァリアントが圧倒的に人気ですが、やはりセダンで育った世代のわたしとしては、ボディの剛性の高さ・気密性の高さによる音振の少なさを重点的にセダンを推していきたい、その意味でヴァリアントは本命ではなかった、といった意味合いでの負けだった、と認識しております。

 新型パサート。今度はセダンで試乗ですね。^^;
Posted at 2011/06/01 19:33:41 | コメント(0) | トラックバック(0) | フォルクスワーゲン | クルマ

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「メルセデスやBMWと比較するのはやめましょう──レクサス新型ESを考える
https://carview.yahoo.co.jp/news/market/20190123-10378107-carview/

これね、次期GSが計画されてない、というのが謎の答えだと思うんだけど。」
何シテル?   01/23 21:07
モータージャーナリスト 町山絢香です。よろしくお願いします。
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