モータージャーナリスト　町山絢香のブログ一覧

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２・２８

’９９　トヨタ　アルテッツァ　ＲＳ２００　Ｚエディション　５速ＡＴ　（２４．９）


　前回の直６＋４速ＡＴモデルに引き続き、アルテッツァ２度目の登場です。＾＾

　直６モデルがＥ３６を意識したものであるのに対し、直４モデルの方は高回転型エンジンで、ＡＥ８６レビン・トレノを意識したキャラクターになっております。

　今回紹介するのは、その直４モデルの方でステアマチック付きの５速ＡＴとの組み合わせになります。

　ＡＴ同士での場合、直４搭載のＲＳ２００シリーズでは１７インチタイヤと大径ブレーキがセットで装着されるため、適応するタイヤサイズは純正比１インチダウンの１６インチ以上になるのが、直６・ＡＴのＡＳ２００との大きな違いです。

　今回の物件では、社外ワークホイールが装着され、タイヤサイズも純正よりも一回り大柄な２２５／４５－１７が装着されていました。

　前回の直６と純正１７インチとの組み合わせでも気になったのですが、ステアリングを切ったときのセンターへの戻りが悪くて、基本シャーシとのマッチングで疑問符が残るのですが、今回の仕様も基本的には同一でありながら、一回り大きくなってても然程ステアフィールが悪化してなかったのは、思うにバネ下重量が軽いホイールのお陰？とも思いましたが…。

　マニュアルモード付きと言えど、この当時のＡＴではギアの固定が徹底しておらず、Ｍモードでステアシフトで操作しても、少し操作に間が空いただけでＤモードに入って、完全オートモードのＤと変わらないシフトスケジュールになり、任意にギアを選択してスポーツドライビングをするには不向きでした…。

　それでも、１～３速を固定したいなら、いっそのこと３・２・Ｌレンジを選択した方がいいくらいで、それならば直６・ＡＴの４速の方が、ロジックとしてはシンプルで使いやすいくらいです。

　ＭＴだったら、もっとギアの任意性が上がってスポーツドライビングしやすいのでしょうが、エンジンの高回転域での迫力不足やステアリングを切ったときの切れ味に欠ける感触から、スポーツサルーンというよりかは、やはりトヨタ製セダンのスポーツ仕様といった印象の方が強かったです。

　言わば、２１世紀のコロナ・カリーナのＦＲ版みたいな感じで…。


　そう思うと、スポーツしてたのは、やはり日産・マツダ勢かな？とも思うのですが、あの伝説となったＡＥ８６も、フルノーマルだと迫力あるスポーツカーというよりかはカローラのクーペ仕様のイメージが強かったくらいでしたね・・・。（豊富な社外パーツを駆使してチューニングすると、かなり速いクルマに仕上がりますが…。）

　その意味では、今度発売されるトヨタ８６は、スバルの息をも吹き込まれている分、これまでの硬派になりきれてなかったトヨタ・スポーツの歴史を、大きく変えるかもしれないです・・・。




　追伸。

　実は、今回の試乗でハプニングがありまして、バッテリーを復帰させてからの試乗だったのはいいのですが、この時代のクルマではＣＰＵに学習機能が付いているとのことで、一旦バッテリーが切れると学習したデータが全てリセットされ、バッテリー復帰後１０分間はアイドリングさせて、新たにＣＰＵに学習させる必要があるそうです。

　１０分間のアイドリングを惜しむと、アイドリング回転数が極端に下がり、ステアシフトの作動も怪しくなり、パワステのアシストも極端に弱くなり、減速時にエンストしやすくなる傾向があるので、この点２１世紀車の一つの特徴として、維持・メンテナンスする上で知っておくと便利な知識に思いましたね。＾＾；