モータージャーナリスト　町山絢香のブログ一覧

VS


ケーターハム セブン１６０ 直３縦０．６６T ５速MT FR （３９４．２） ６．１３（４９０ｋｇ／８０馬力）


ケーターハム・スーパーセブンに、日本の軽自動車規格に適合したモデルが登場したことで話題になってる…｡

エンジン・トランスミッション・リアデフにはスズキのエブリィバンのターボMTが使われ、タイヤはミライース辺りと同じサイズの１５５／６５R１４が前後に装着されている｡

そして、見事なまでに快適装備が簡略化されている…どころか、快適装備を付けることを、そもそも前提にしていない｡

何せ、クラクションやウインカー・ハザードですら後付け感満載で、ウインカーに至ってはダッシュボード上にあるスイッチを左右に入れることで作動するので、ステアリングをセンターに戻しても自動でウインカーは解除されずに、手動でスイッチをセンターに戻す必要がある｡

と日常性から離れた設計になってるスーパーセブンで、当然のようにステアリングギア比がクイックで、ノンパワステで操蛇力が重くて超小径ステアリングで操作するのだけれど、交差点で曲がる際ですらステアリング切れ角が小さくて手を持ちかえる必要がないもの｡

言えば切りがないので実際に試乗した印象を｡

予想外にクラッチが軽いのも、排気サウンドが静かなのもベースのエブリィバンの名残で、それは良いとして、伏木氏のインプレで指摘されてた所で、エコタイヤ故のサイドウォールの柔らかさがセブンの乗り味をスポイルしている所で、それが当方にとっては、直進性の低下にも繋がってた印象だった｡

それ以外は、シンプルにクルマの走りを楽しむクルマとしての魅力満載でした｡


それと、女の子や男の娘(笑)にとって切実な問題は、乗り降りに一工夫が必要なことで、運転席に乗り込む際は、必ず左足から乗って右足から降りることが大事｡

ここでスカート着用でも、如何にパ○チラさせないで颯爽と乗りこなすか？が見せどころですが、晴天時のオープン時は然程でもなく、雨降り時でクローズド時が正念場で、助手席に乗る人と乗降時に接近状態になることが予想されるので、誰を隣に乗せるか？は慎重に考えた方がいい…というのは余談ですが…。


ポルシェ ９１１ 水平６縦３．４ カレラ 右H ７速PDK ＲＲ （１２５５．０） ４．０９（１４３０ｋｇ／３５０馬力）


対して９１１は、あたかも高級サルーンであるかのように快適で安楽で、電動PSになった９９１世代になってからは、ステアリング操作が非常に軽くなって（それでも、９１１に相応しいインフォメーションは確保！）、これならばセレブな方がメルセデスやBMWのクーペ感覚で９１１と接したとしても、充分に応えられるだけの日常性を高いレベルで持っている、というのは驚異だと思う。

しかも、今回の個体は殆どオプションが付いていない仕様で、スポーツサスでなければPASMもなければスポーツ+モードもなければ、スポーツステアリングもパドルシフトもない｡

そんなないない尽くしでも、高回転までスムーズに且つトップエンドまでパワー感あるフラット６は健在で、それだけでもれっきとしたポルシェだと断言出来るもの｡

しかも右Hだからエンスー層には敬遠されそうな仕様なのだけど、ペダル位置が左寄りになってる点さえ受け入れられたら、ポルシェ入門用若しくは９１１入門には最適かと…。



機能性評価だったら９１１の圧勝！

だけど、せっかくのピュアスポーツカーを選ぶならば、ほんの少しだけドライバーの手に余るじゃじゃ馬的な魅力をも求めたいところ…｡

となれば、よりクルマとの対話が増えて、人とクルマとで深い絆を築きあげていく…という点を考慮すると、ここはセブン１６０を支持したい…。

今日のサラブレッド五選

６・１５６・１５６・８６・８

セブン１６０ … エコタイヤ故のサイドウォールの柔らかさが、スタビリティをスポイルしてるのが惜しい｡それ以外は、ストイックなケーターハムそのもの｡実用性最小限だけど｡

９１１カレラ … サンルーフのみオプションのストック仕様｡それでも、スポーツカーらしく９１１らしい官能性は確保｡まるで、サルーンのようなコンフォートさ｡


今日のポニー五選

６・１５６・８６・８６・１５

ライトエースバン … ２駆のGL｡AT｡ステアリングインフォメーションの高さと走りのスタビリティの高さは、見た目以上！

リーフ … Ｘ ８０th Special Color Limited｡ ガソリン車転用ＥVで旧態化！今回乗った３台との比較では、ステアリングインフォメーション方面は厳しい｡