’68? スバル 360 デラックス? 4速MT(30)(勝ち点6) vs ’98 日産 グロリア V25ツインカム グランツーリスモ エクストラエディション(15) vs ’98 180SX タイプX 5速MT(39)
今回は、20世紀末を駆け抜けた、90年代の日産車2台を取りあげます。
1台は、スポーティーな高級車として新しい流れを作ったY31セドグロのグランツーリスモ系をルーツに、2世代FMCしたY33で、後期からチェーンベルトのVQ25DEを搭載したV25ツインカムのグランツーリスモで、ウッドコンビステアリングとAVシステム・鍛造アルミを装着しながら布シートのままといった仕様の「エクストラエディション」です。
言わば、プレミアムスポーツサルーンの代表ですね。
もう1台は、今もドリフト界で人気がある180SX最終モデルで、しかもドリフト派が好むターボのMTでオートエアコン付きのタイプXです。
外観は社外エアロと社外ブリスターフェンダーで3ナンバー化され、タイヤこそ純正アルミのスタッドレスでありながら、定番仕様の如くHKS車高調・タワーバーが装着され、デフは純正ビスカスのままといった、ドリフト仕様仕上げ途中仕様です。
同じ日産の2台でも、一般的には2ドアで車高調の入った180SXの方がスポーティーに思われがちですが、いずれも試乗していいなぁと思ったのは、むしろ4ドアのグロリアの方だった、というサプライズ。
グロリアが好印象だったのは、後期グランツに付いてくるステアリングの感触が上質でかつスポーティ-であること。
それがさらに、ウッドコンビになったことで、よりプレミアムな上質感を演出していると。
写真である程度わかるのですが、正直なところ決して外観が綺麗とは言い難いグロリア。
フロントをぶつけたらしく、Fグリル周りの取り付けが破損し、ボンネットに歪みがあり、締まりがあまりよろしくないと問題ありで、中古車としての程度以前に手探りでエアコン操作がほぼ不可能なマルチは役たたず、といった問題点はあるものの、山が少ないYH・Sドライブタイヤの効果か、スカイラインみたいに骨太なステアフィールで、思った以上に好感触。
パワートレインとしては、典型的な日本製AT車そのものでルーズなところはあるものの、致命的なトヨタお化けにまではなっておらず、クルマとしての真っ当さでは、むしろ2005年式シエンタの方が歪だった、というオチありで。
ルーズなATとの付き合い方として、中途半端に大排気量でグワっとした歪な加速性を持ってるくらいなら、いっそのこと非力な方がまだマシということも…。
その意味では、さすがに非力だとは思わなかったけど、2.5Lでも十分ではないかと。(2Lだと、旧式のVGでタイミングベルトの定期交換が発生するもので…。)
とはいえ、BMW並の路面の接地性は持ち合わせてはないので、悪しからず。
それでも、超低価格で買える中級サルーンとして、BMWなら地味なE34が射程距離で低年式だと電装系にトラブルを抱えているケースが少なくないことを考慮すると、ドイツ車志望のオルタナティブとしてセドグロのグランツはありかも…。(Y33後期は特に。)
対して180SX。
車高調が固めに設定されてて、公道だと跳ねが大きく、とてもじゃないけどSR20DETのハイパワーを使い切れず、アクセル踏むのが怖いのが正直なところで、サーキットでドリフトするための車両として割り切る必要はありましたね。
ただ、最終モデルが人気なのも理解できるところで、かつてわたしが乗ってた13シルビア後期のことを思うと、内装の見た目の新しさのみに留まらず、シートそのものも改良されてて、エアバック付きのステアリングの感触も上質になってて、10年の歳月を経て熟成されてたことが随所に見えました。
180SXの楽しみ方として、ドリフト仕様のみに留まらず、ノーマル形状で脚をリフレッシュして、今時の新車にはない2ドアスペシャルティークーペとして、お洒落なクルマとして使うのもありかと。
例えばの話、ドリフトベース車にされがちな程度のいいNAのAT(MTでもいいけど)をベースに、ターボもMT載せ替えもしないで、あくまでも初期化する方向で仕上げて、動態保存して来るネオクラシックカーとして乗るのも一利と思いますが、果たして相場はいかに・・・。)
予想外にグロリアの感触が良かったとはいえ、比べる相手が機関整備されたスバル360では、日産車2台も適わないところ・・・。
というわけで、この勝負スバル360の勝ち抜きで、これまで殿堂入りを守ってきた87年アルト・ウォークスルーバンをも凌ぐ、インパクトの強さでした。
何ぜ、車重が400kg未満で、少々の軽量ボディではなく、360cc軽カーのポテンシャルの高さを誇ってたのが、非常に印象的でした。
やたらと非力な360軽カーに今後出会ったら、それが360の実力とは思わず、何かエンジン機関にトラブルを抱えているものと疑った方がいいですね。(その典型が、もうすぐ嫁ぐミニカF4だった、というのはほろ苦い経験でした・・・。)
【祝・殿堂入り !】 ’68? スバル 360 デラックス? 4速MT(30)
お役御免となった、’87 スズキ アルト ウォークスルーバン 4速MT(36)
Posted at 2011/04/28 23:48:11 | |
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