• 車種別
  • パーツ
  • 整備手帳
  • ブログ
  • みんカラ+
イイね!
2011年02月25日

ポルシェ・ボクスター、カイエン・トランスシベリア



 路地の四つ角に立ち停まった子供連れの西洋人男性が、いぶかし気な視線をルームミラー越しにこちらに向けてきた。
 チャリッ、チャリッ、チャリ、チャリ、チャチャチャチャチャ……。
 路地の両脇のブロック塀やマンションのファサードに、僕のクルマから発しているかのような金属音が反響している。それも、タイヤが回転している速度とシンクロしている。
 昔、昭和のオヤジたちが革靴の底に鉄板を打ち付けて、そっくりな音を響かせていたっけ。そんな音だ。
 もしかして……。
 大通りに出たところで、路肩に寄せて、タイヤを確認した。
 やっぱり!
 パンクだ。偶然にも、左リアタイヤのトレッド中央に、厚さ1ミリ、長さ1センチほどの金属片が突き刺さっているのが見える。その周辺から、空気が漏れている。幸いにも、ホイールは無傷だ。



 パンクには、慣れている。2007年にナビゲーターとして出場したラリーレイド「トランスシベリア・ラリー」のモンゴルステージでは、ひとつのスペシャルステージで3回もパンクを喫し、14日間合計で12本もタイヤを交換した。それも、テントをはじめとした荷物満載のポルシェ・カイエンを手動の工場用ジャッキで上げ下げしたわけだから、軽いボクスターなんて朝飯前だ。

http://www.kaneko-hirohisa.com/column_03_05_03.htm


(撮影:小川義文)

 ボンネットを開けてテンポラリータイヤを外して、取り出した。
 軽い。テンポラリー自体のサイズが細いということもあるが、ホイールもジャッキもアルミ製で軽いのだ。
「これか、ポルシェのアルミ製のジャッキって」
 マツダRX-7の開発責任者を務めた貴島孝雄さんから、RX-7を軽くするために同じものを切望したとインタビューでうかがったことがある。
「軽くするために、削れるところはすべて削りました。最後に見付けたのが、鉄製のジャッキをアルミ製に代えることでした」
 貴島さんは独力で製造元を調べ上げて、マツダにも卸してもらえるようドイツまで直談判に行った。優しいオジさんに見えたが、RX-7の軽量化と性能向上についての執念には鬼気迫るものがあった。
「ジャッキをアルミにすれば、何キロも稼げますからね。フフフフフフッ」
 仕分け先を嗅ぎ付けた蓮舫議員のようだった。
 ボクスターのジャッキは操作も軽く、確実で、簡単にタイヤ交換を終えることができた。工具袋の中には、使い捨ての薄いビニール手袋10枚と、外したタイヤを仕舞う大きなビニール袋まで同封されていた。実際的、かつポルシェらしい完璧主義は車載工具とその周辺にも徹底されていた。



ブログ一覧 | ポルシェ | クルマ
Posted at 2011/02/25 23:53:36

イイね!0件



今、あなたにおすすめ

ブログ人気記事

本日は(^o^)
歩龍さん

お伊勢さん食べ歩きツーリング
伊勢さん

フライングしちゃった誕生日プレゼン ...
MMJKさん

カーライフのスタートはこんな車でし ...
shonan breezeさん

トヨタ マークX用ドライカーボン製 ...
axispartsさん

( • ̀ω•́ )✧ 凸撃栃木 ...
RUN丸さん

この記事へのコメント

2011/02/25 23:56:25
実はそのRX-7のアルミ製ジャッキ足グルマに車載して愛用しております(^^;
コメントへの返答
2011/02/26 00:02:57
具合はいかがですか?
2011/02/26 00:00:19
Z32のジャッキもアルミですが意外と軽くないです。
FD3Sのジャッキの方が軽いですね。
コメントへの返答
2011/02/26 00:04:15
使いやすいものとそうでないものがあって、ジャッキも奥が深いですね。
2011/02/26 00:34:21
FDはスペアもアルミなんですよね次項有
あの時のゼロ作戦が今の軽量化技術に活きてるんでしょうねウィンク
コメントへの返答
2011/02/26 23:46:11
貴島さんのインタビューで印象的だったのは、RX-7を軽量化するために、開発陣全員でゼロ戦を見学に行った話でした。
「ゼロ戦は、機体のあらゆるところに軽量化のための孔が穿たれている。その気概を学びに行きました」
クルマを愛していて、自分たちが開発するクルマに魂を吹き込もうとしていました。
2011/02/26 01:47:29
イイ話ですね。

ポルシェは、全ての装備がリアルワールドで効果を発揮する点、本当に感心します。

ポルシェマーク付きのエプロンがあれば満点でした(笑)


FD、オプションで、超軽量ホイール、ありましたよね…3本スポークの。
コメントへの返答
2011/02/26 02:15:10
よくできた工具でした。

パンクが起きて、ドライバーがタイヤを交換することまでもポルシェは自らの“製品”の管轄内として包括しているのですね。
2011/02/26 07:02:42
おはようございます。

パンクの経験は、もてぎのロードコースと

家の近所で各1回。茂木ではスタッフの方にスペアに換えてもらい

近所では躊躇なくJAFコール。

反省します。(汗)
コメントへの返答
2011/02/26 11:50:18
では、また次の機会に!

できれば遭遇したくないですけどね。
2011/02/26 09:01:07
凄いですね、ポルシェ。
使い捨て手袋まで備えてあるとは・・・。
え?感心するところが変ですか (^^;
コメントへの返答
2011/02/26 11:50:52
いや、僕もそこに感心しましたから。
2011/02/26 09:40:23
タイヤ交換、スタンドでのバイト時代は何度もやりましたが、
幸いな事に自分の車では経験ありません。
ジュリア時代にエンジンブローなんてことはありましたが(笑)。

今は軽量化のため修理キットしか積んでいない車が多いようですが
やはりスペアの方が安心できていいですね!!
コメントへの返答
2011/02/26 11:56:15
ボクスターのスペアはホイール内側に工具類を収納してコンパクトな上に、うまくトランクに固定されていて、荷室空間の犠牲が最小限でした。

その点で、修理キットに劣るところはないと感じましたね。
2011/02/26 09:55:03
うちのコニリオにもヤフオクで落としたアルミジャッキ積んでます。
これはハンドルもアルミ製でとても軽い、でもホイルレンチがスチールで重いのが×、ボクスターの組み立て式レンチ軽そうでいいですね。
コメントへの返答
2011/02/26 11:57:14
レンチのハンドルがアルミ製で、とても軽かったです。
2011/02/26 12:22:05
アンラッキーなパンクなのに、ちょっと楽しげに見える金子さんがいいですねぇ。
でも、手伝わずに写真撮ってるのがどなただか気になります。(笑)

拝見するに、タイアもちょうど交換時期だったよな・・・?
コメントへの返答
2011/02/26 12:52:32
アンラッキーなパンクでも、大切なのは笑顔です。(笑)
笑顔は、このブログのテーマでもあります!

さすがは森川さん、鋭い!
ピレリ・Pゼロロッソは偶然にも交換時期が近付いていたのでした。
2011/02/26 14:32:53
私もタイヤウェルド派になっちまいました。
ただ、ローテーション作業なんかはセルフでやっております。
911はホイールナットの軽さにびっくりしましたが、ボクスターはどうなんでしょうか?
コメントへの返答
2011/02/26 17:46:28
ボルト一体型ナットなので、それほど重くはありません。
2011/02/26 20:18:43
はじめまして♪

ちょっと気になったのですが、駆動輪へのテンパー
タイヤ使用は(ボクスターへは)OKなのでしょうか?
他車種では駆動輪へのテンパータイヤ使用は推奨
しない例もありますので。
コメントへの返答
2011/02/26 22:01:08
はじめまして。

コメントありがとうございます。

「駆動輪へのテンパータイヤ使用」ですか。意識もしませんでした。数百メートル離れた自宅に戻り、その後、数キロ離れたタイヤショップで交換するだけなので、ホイールに貼られた「MAX80km/h」という注意書きを守り、さらに慎重に運転することを心がけました。

2011/02/27 01:47:13
油圧ジャッキ、 操作も簡単で軽いですね・・・って操作力 ですが。 スコスコスコ と車が持ち上がっていきます。

油圧ジャッキの重量の軽いのって、探しているんですが、無いですね。
コメントへの返答
2011/02/27 10:12:07
見つかったら、僕にも教えて下さい!
2011/02/27 02:08:48
こんばんは。
初めてコメントさせて頂きます。先日はお友達にお誘い下さりありがとうございました。
パンクは嫌ですが車に乗る限りは不可避ですが、さすがに実に手慣れた感じですね。ラリーのお話も拝見しましたが、金子さんならではのエピソード、勉強になりました。

貴島さんとジャッキのお話ですが、これぞ開発者の良心ですね。ポルシェの手袋とビニール袋もさすがです。僕の車にも手袋と大きなビニール袋を積んでおきます。

金子さんの“人の傍らに車あり”といった感じの人間味のあるお話がとても好きで、いつも楽しみにしています。
コメントへの返答
2011/02/27 10:22:23
貴島さんは、間違いなく優れた自動車エンジニアのひとりです。彼の気概と姿勢が素晴らしい。
こちらこそ、今後ともよろしくお願いいたします。
2011/02/27 07:54:44
ジャッキのかみ合いが深いですね。ペッタンコですね。

”チャッチャ”音でパンクを想像するとはさすがですね。
私は石を噛み込んでいると思ってしまいます。
コメントへの返答
2011/02/27 10:23:22
石の場合と、明らかに音が違っていました。
けっこうなボリュームでしたよ。
2011/02/28 09:55:36
わたしも数ヶ月前に経験しました。
Nコード付きのタイヤ、直ぐ見つかりましたか?
コメントへの返答
2011/02/28 13:13:34
なんとか見つかりました。
ありがとうございます。

おすすめアイテム

 
 
スペシャルブログ 自動車評論家&著名人の本音

プロフィール

「スバル・レオーネ ツーリングワゴン4WDに32年16万km乗り続けている人を訪ねました http://cvw.jp/b/877318/40320568/
何シテル?   08/28 12:06
金子浩久です。よろしくお願いします。 クルマとその周辺のことを書いています。 詳しい自己紹介は、ホームページをご覧下さい。 http://ww...
みんカラ新規会員登録

ユーザー内検索

<< 2017/9 >>

     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930

リンク・クリップ

flacニヨル楽曲管理ノススメ 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2015/03/25 01:06:29
ユーラシア横断1万5000キロ 練馬ナンバーで目指した西の果て 
カテゴリ:著書
2012/03/23 17:17:34
 
力説自動車 
カテゴリ:著書
2010/10/31 18:21:31
 

お友達

ぜひ、“お友達”になって下さい。クリックよろしくお願いします。
2090 人のお友達がいます
GUGESGUGES * 44love44love *
GEN@GE6GEN@GE6 * 戸田有希戸田有希 *
masazumimasazumi * okuda-vzokuda-vz *

ファン

430 人のファンがいます

愛車一覧

ポルシェ ボクスター (オープン) ポルシェ ボクスター (オープン)
所有してみて初めてわかるポルシェのスゴさがありました。
TVR グリフィス TVR グリフィス
グリフィス500を手に入れた直後に、偶然にもブラックプールの工場を取材する機会を得て、当 ...
プジョー 505 プジョー 505
4気筒のGTi。ハンドリングと乗り心地がとても高いレベルでバランスしていた。山道では、ヘ ...
シトロエン CX シトロエン CX
中古で入手して、よく壊れましたが、考えさせられることが多く、面白かった。“個性的”の極北 ...

QRコード

QRコード
このブログを携帯でご覧になれます
ヘルプ利用規約サイトマップ
©2017 Carview Corporation All Rights Reserved.