熱硬化性樹脂ＣＢＺレジンで物作り

ご注文頂いているＡＥ８６の12kCFRPドライカーボンルーフが完成しました。熱硬化性樹脂であるＣＢＺをメーカー発売前から使用してきましたが、発売から数年が経過し様々な研究機関での試験によって、エポキシレジンを上回る検証データもあり、工業用の構造物にはＣＢＺレジンの指定が増えているようですね。工場には防災関係から大学、電車、道路に使用する製品の開発やテスト、製品作り、ＧＴＲ用の部品まで幅広い業務が入っておりました。中には自動車部品がチープに感じてしまうほどの防災試験品まで、CFRPの実用分野はホントに奥が深いですね。

インフュージョン成形なら大型製品に対応出来ますし、常温硬化後のオーブン熱硬化を選択すれば型材の選定に幅が持てます。エポキシレジンの場合は型ゲルの対応温度の問題もあり、ＣＢＺは成形性と強度スペックが有利なようで、ハチロクをラジコンのように被せるボディで作ることも可能ですよね。１／１ラジコン、笑

今までも工場と協力しあって製品を作ってきましたが、製作当初はインフュージョン成形やＣＢＺレジンに根拠のない否定的な意見もありましたが、ＣＦＲＰ構造物の設計や強度などからＣＢＺレジン指定が増えているのは個人的に非常にうれしく思います。
　
ＡＥ８６の部品作りでは、自動車用では一般的に採用されていない高級ゲルを使用しています。ゲルコートは安価なものから高価なものまであり、よくある、すぐに白く変色してしまうゲルコートなどは屋外での使用を推奨されていない安価なものがほとんどです。またゲルコートの耐熱温度と物性変化温度（焼き入れ温度）も重要で、ＣＢＺ樹脂の場合は物性変化温度がゲルコートの耐熱温度内であるために、成形時の離型性と表面保護層を成形と同時に行えるのもメリットですね。

CFRPはかなり勉強しましたが、守秘義務もあるので大事なことは言えません！笑