先日見学したアライモータースポーツ主催の八千穂レイク氷上走行会2/7とかの雑記。
氷上は辛いです。
1tオーバーの重さと、葉書1枚分とかそれ以下とか言われるゴムで氷を掴むシステムの無力さを絶望的に思い知るのです。
前回の雪山走行会(スベルノスキーミーティング)参加という記事の続き物っぽい。
雪の上では踏みしめて固め、ふっ飛ばして積極的に進むのがスタッドレスタイヤですが、
氷の上では表面の水を吸い上げてよけながら、氷をこちょこちょと擦りなんとか進ませて下さいお願いしますという体です。
難易度の上下ではなく、お仕事内容が違います。
日が差すと氷の表面が解けて大変です。
毛細血管効果で吸い上げられる水は限られるのでオーバーフロー状態に。
逆に、猛烈に冷え込むとラリーの世界ではスパイクでもラリースタッドレスでもなく、
あまり溝の無い舗装路用ドライタイヤでアタックしたとか。
水が浮いてない氷はグリップするという狂気の沙汰、楽しそうですね。
さて、
2006年だったか、ラリーやろうと誘って下さった方の助手席で八千穂レイクの氷上を体験したことがあります。
無知でしたが、セリカGT-FOURが曲がらないマシンというのはわかりました。
リヤガラスが重いのかFFベースだからなのか、見た目大好きでしたが苦労されてました。「氷が出てきたらアウトインアウトじゃ無い、雪が残ってるところがレコードラインだ」と誰かからのアドバイスも今となっては良い思い出です。
あれから早10年? もう2016年!?
長らく長野を離れたりしましたが、当時と今で自分何が変わったのかと言われても、「愛車」しかないです。
趣味嗜好も生活習慣も精神年齢もお変わり無く。。。
そんなわけで、当時を思い出しながら当然「現愛車」で走りたかったわけですが、
前回のブログの通り暖冬だから無理かと情報収集してなかったので申し込みはとっくに締め切られており、今回はかのアライモータースポーツ主催、飛び入りというわけにはいかないのでした。
休みが合った地元ロードスターターボの後輩君を助手席に見学と決め込んでGO。
佐久から清里方面へ国道141を南下し佐久穂と小海の境のあたりから峠へ。
八千穂高原へ続くその道の名は『メルヘン街道』。
「メンヘラ街道だったらどうする!?」とか馬鹿言ってると、
本当にメルヘンな街道でした。
撮影に来てた老夫婦曰く、10年写真やっててこんなことは1度も無いとか。
ダイヤを湛えた木々が微かにそよぐ風に揺れ、降り注ぐ日差しを七色に変えて煌めく、もはやダイヤモンド並木! 樹氷ってよいものですね。
その前日の苦い思いも忘れてしまえる美しさでした。写真じゃキラキラ具合はまったく判らないですが。
余談ですがその前日とは、松本から佐久への移動に
「倒木だかで和田峠が通行止めになったので和田有料道路一時無料化」
とのアナウンスを聞き、無料なら遠回りだけど1度は通ってみようと行ってみれば・・・
【無料通行本日15時で終了しました】
のプラカード持ったおっさんがずら~り並んで頭下げてくれました。
15:40分ころのことです。
同じく無料に誘われたか交通量も多めで快適ではなかったし、脱力感半端ない。
少し手前にある電光掲示板が不穏な感じだったのを気にするには、既にずいぶん遠回りなルートに入ってたので手遅れ。
「樹氷!?マジロクナモンジャネェ!!」って思っちゃったもん。
本題、
八千穂レイクまでのデリシャスドライブを満喫して辿り着けばAraiキャリアカーが。
ちゃんと開催しているようで安心すると同時に、新井敏弘様ご本人が氷の舞台に降臨!に期待。
湖への入り口にクルマを停めさせてもらい降りると、
快晴の元で特設コースを周回するマシン達! 今年は雪壁低いです。
降りるまで静か過ぎてやってるのかちょっと疑心暗鬼でしたが、
まるでヨガか太極拳の型(知らないけど)でも演じるように、
ゆぅ~~~・・・っくり・・・です。 静かなのも当然です。
「あーーーあ の ク ル マ わーーー、す ぴ ん す る わーーー・・・ほらね。」
「とびこみましてぇ・・・ ・・・、んーーー残念」
「すすめーーー、ま え に す す めーーーーー・・・行った行った」
くらい外野に余裕あるんですが、
ほぼほぼ皆さん全開走り。
空転させてればスピードメーターは超レーシーな方向に針向けてますし、μが低いからゲーム機並みの速さでフルカウンター切れて楽しいはず。
足がつりそうな程に繊細なペダルワークでロックとスピンを感じながら頑張っているのがわかります。
後日、母や同僚と録画を見たらスロー再生してるみたいでみんな笑わずにはいられませんでしたが。
ですが、自分の車、タイヤの極限での挙動をこんなスローモーションで体感できるイベントはお金払ってでも経験したいです。
九州の海っ端でも積雪するわ水道管凍るわってんですから、
いつか超低μ路走行をノーマルタイヤで余儀なくされたときの心得に一つどうでしょう。
そして今回はなんと、
新井敏弘選手と少しですがお話ししてしまいました!!
しかも嬉しい事に、自分が最近までこのサイトのプロフ画像に(勝手に)してた、
2007年ENDLESSの上田市ダートラ場での写真を思わせるシルバーのS204と一緒にいるのを発見。(ご自身があの日乗ってきたマシンは群馬ナンバーでシルバーのspec-c、今思えばシルバーってカタログに無い???)
鷹目のP-WRカーと鷹目のSTIに乗られる世界チャンピオンを見て、
今の自分の愛車GDB-G WRX STI spec-c typeRA-Rがあるわけですから、
勝手に感無量です。
β世界線の向こう側の自分もちゃんと見ているかい!?
確信犯的に積んでたtypeRA-Rのカタログの表紙にサインをもらい、
「走らないの?」と聞かれ来年はもっと早く情報収集してエントリーしますと答えました。
2006年のセリカと、その時は雪壁が高くてバンパーを簡単に落としてた話をしたら、壁が低いと突き抜けちゃうから危ないとか、前回エボXファイナルエディションが2台来て2台ともバンパー落としてったとか、ハイブリッドのブレーキとか。
そして、
「GDBが一番楽しい」
と会話の中で何気におっしゃったのでドキッとしてしまいました。
最新の解釈でサスペンション周りのジオメトリが最適化されたり、剛性とかエンジン出力特性や電子制御センターデフの熟成やら、現行WRX STIと比べたら古めかしいところもあるでしょう。
SUBARUは進化してると信じてますし。
現にその最新のWRX STIを2015年全日本チャンピオンマシンにした現チャンピオンドライバーご本人が目の前にいるのですから、
最新のSUBARUは最良のSUBARUでしょう。
ニュル24hでクラス優勝に返り咲いた語り継がれるマシンと言えるでしょう。
そんな現在進行形のレジェンドマシンを操る、いわゆるゴッド、つまり神なお人が語るわけですから重みが。。。
でも「楽しい」と思ってしまう、フィーリングでは色褪せないマシンってあるのかなぁ。
なんて。
他愛もない会話の一部を拾って大げさに言うのは関心されることではないと分かっていても、(氷上では車重や前後重量と駆動配分、リヤストラットサスの抜け具合が良かっただけかもしれない、何かチューニングしてあるかもしれない)
その日の午後はずっと考えてながら「富士山見に行こうぜ」と清里越えて韮崎まで馬鹿話ししつつ走りました。
近づく程に曇ってて、見ようとするほど見えませんでしたが。