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2017年09月09日 イイね!

RAV4廉価グレードの足跡を辿る

RAV4廉価グレードの足跡を辿る












その昔、1960年代までは自動車のグレード戦略は
必要十分のスタンダードと豪華なデラックスの
二種類しかなかった時代があった。

1960年代以降、ユーザーニーズの発掘
収益改善を目的として様々なグレード体系が作られた。
(パブリカデラックスの成功が有名)



消費者達はモータリゼーションの発達からバブル崩壊が起こるまでの間
複雑な装備表を睨めっこしながら自分の予算の範囲で、
或いは嗜好にあったグレードを選択する苦悩と楽しみがあった。

そもそもかつての廉価(れんか)グレード
例えばスタンダード(標準)は
その名が示すとおり、機能面ではこれで十分です!という
人や荷物を運ぶという機能に徹したグレードであった。

車に夢やステータス、快適性を求めるならデラックス(豪華)を選び、
エクストラコストを払うという仕組みであった。

いつしか、自動車の販売はある程度の快適性と経済性をバランスさせた
量販グレード(カローラで例えるならGLやXE)がメインとなり、
最も装備が厳選され価格の安い廉価グレードは、
法人向けや吝嗇家向けとなった。

そんな廉価(れんか)グレードに侘寂(わびさび)の要素
見出した特定のカーマニアを興奮させてきた。
敢えて廉価グレードに乗る、或いはファミレスで廉価グレードについて
何時間でも話が盛り上がるほど特定の人には気になるのが廉価グレードなのだ。

廉価グレードの存在意義について考えた。

1.どうしても廉価グレードしか購入できないユーザーの需要を満たす
2.法人などの営業用途のため経済性が最重要視される需要を満たす
3.装備を省くことで軽量化に徹し、燃費性能を誇示する
4.モデルミックスを考えて下級車種との価格差を埋める
5.低価格を訴求して客寄せパンダに使う
6.本当に売りたい最量販グレードとの差別化
7.モータースポーツ用途などの特殊用途を満たす


実際は複合的なものであろうが、これを読んでくださる方の頭の中に
特定の車種の最廉価グレードを思い浮かべて頂ければ
上記7項目のどれかに当てはまる部分があるはずである。

現代ではあからさまに寂しい廉価グレードは少なくなったが、
カタログ値40km(当時)を出す為にRr手動式の窓や
Rrワイパーレスとした上でボディカラーを絞った車。
170万円以下で買えるクリーンディーゼルを謳いつつ
マフラーカッターやアルミホイールを装備した車。
そしてオプションどころかエアコンが着けられない状態でデビューした車など、
最廉価グレードと言えども各社が各社の思惑を持って仕様設定を行っている。

前置きが長くなったが、
今回テーマにした初代RAV4の場合、
最量販グレードとして「標準」、
価格訴求の為の廉価グレードとして「E仕様」が存在した。



E仕様 5MT 159.8万円 /4速ECT-S 172.7万円
標準  5MT 176.9万円 /4速ECT-S 189.8万円


当時、2リッター、フルタイム4WDのクロカン的なクルマ
160万円弱で買えると言うのは大変なバーゲンプライスであった。
同時代のカローラIIのティアラ4WDでは153万円だったので、
まさに4と5の目的で設定されたグレードと考えられる。

個人的に初代RAV4はコンパクトカーと
クロカンのクロスオーバーという解釈なので、
E仕様がコンパクトカーと微妙にラップした価格設定は巧みだと思う。

標準とE仕様では17.1万円の価格差がある。
新型車解説書やカタログを読み込んでみたが、
実はE仕様とは標準仕様にて選択できる
パッケージオプション扱いだったらしい。
そのセット内容は

・マニュアル式エアコンレス
・チルトステアリングレス




エアコンが付かないと言うのは当時から有名な話であった。
当時はカローラあってもエアコンレスの仕様は当たり前で
上級グレードでようやく標準装備となっていた。
この理由は見かけ上の車両本体価格を安く見せるためだけではなかった。
別に物品税課税額を安くする目的もあり、
ディーラーオプションで後付けする事が当たり前であった。

私のメインカーのカローラでも標準ではエアコンレスなので
オートエアコンとマニュアルエアコンも選び放題だった。

1989年に消費税導入と引き換えに物品税が廃止されて
エアコンを工場で装着する車が増えた。

つまり1994年発売のRAV4では価格を安く見せるための方便に過ぎないが、
夏でも暑さが厳しくない地域では
エアコン無しのままで使用するユーザーも一定数存在したと言う。
まあ設定の真意を想像するに価格を安く見せるためだったのだろう。
ちなみにE仕様にもエアコンのディーラーオプション設定があるため、
エアコンを取り付けることが出来た。
(セットオプションを付けた上でのメーカーオプションと言うのが難解)

メーカーオプションも標準グレード同様に選べたので、
アルミホイールやトルセンLSD、ツインサンルーフなども選べ、
エアコンさえつけてしまえばチルトステアリング以外は同一仕様と言えた。

現に、RAV4の広報資料に目をやると
写真のRAV4はE仕様と書かれている。



同じ写真は本カタログで標準グレートと説明されているが、
写真の範囲内ではE仕様と標準グレードとの差はなく、
オプションでサンルーフやアルミホイールを選べば
確かに写真と同じE仕様を作ることが出来た。

当時のディーラーオプションのA/Cの価格は、
価格表によると18.5万円で取り付けできたようだ。
0.74万円の取得税が加算され、合計で19.24万円で後付け可能だったらしい。

この価格が正だとすると、
A/Cが必要になった瞬間にE仕様が候補から外れてしまう。
客寄せパンダの本領発揮である。

1995年7月には待望のロングボデーであるV(ファイブ)がデビューした。
同じくVにもE仕様が選択できた。(ただし、以降も本文では3ドアのみを扱う)

このとき、驚くべきことが起こった。
価格の変更は無いのに装備品の大幅見直しが行われたのだ。

従来のE仕様ではエアコンとチルトステアリングが外されているが、
更なる変化点を下記にまとめた

・パワーウィンドー → 手巻きウィンドー
・集中ドアロック → バックドアのみ電気式
・16cm Frドアスピーカー → 12cm Frドアスピーカー
・電動リモコンドアミラー → 手動式
・ランプ消し忘れブザー → 廃止
・キーシリンダー照明 → 廃止
・間欠Frワイパー → ミスト機能付きFrワイパー
・MOPのライブサウンドシステム選択可 → 選択NG






ついに使い勝手に大きな影響を与えるようなレベルで装備が省かれてしまった。
Rrワイパーは間欠式なのに、Frワイパーから間欠が省かれてミスト機能に
格下げされるようなケースはRAV4 E仕様しか私は知らない。


余談になるが私が通勤に使っているRAV4は標準仕様なのに、
なぜかE仕様用のリレーが入っているらしく、
キー照明とランプ消し忘れブザーが鳴らない

地味に不便なため早急に修理したいのだが、なぜE仕様の部品がついていたのか・・・・。

さて、これほどの装備が省かれながらも調べたところ、
価格は据え置き、実質値上げである。
E仕様がいよいよ本気を出してきた。

なぜ急に装備が省かれてしまったのかは謎が深まるところである。
手持ちの輸出仕様のカタログによると欧州向けの
ベーシックグレード用の部品を転用しているようだが、
デビュー時期がずれ込んで足並みが揃わなかったものを揃えたのかも知れない。
(先に日本デビューした際には欧州GSグレード向けの部品が完成していなかった?)

状況が一変したのは1996年8月にスポーツツインカムのtypeGが追加され、
デュアルエアバッグとABSが標準化された時だ。
安全装備の全車標準化により
プライスリーダーのE仕様にも装備が追加されて原価が上がってしまう。

初期は運転席エアバッグとABSはメーカーオプションであったが、当時のオプションオプション価格はそれぞれ12万円と5万円であった。今回の標準装備化で各グレードの価格は下記の通りになった。

E仕様 5MT 160.3万円 /4速ECT-S 173.2万円
標準  5MT 181.9万円 /4速ECT-S 194.8万円


エアバッグとABSが標準装備となった事で
標準車が5速MTで5万円、4速ECT-Sが4.8万円アップしているにも関わらず、
E仕様に限り0.5万円しかアップしていない。

本来17万円以上のアップに相当する変更が5万円アップに留まるのは相当なコストダウンがあったのか、量産効果による仕入価格カットを行ったのだろう。或いは両者の元々の原価が丁度5万円だった可能性もある。

V追加時に価格据え置きで装備が剥ぎ取られた分が、
4.5万円だったのだろうか。確かにパワーウィンドウと電気式ドアロック(ここまでで3.5万円相当)と電動ドアミラーを合わせれば、販売価格ではなく、原価ベースで先行実施した仕様ダウンで賄えたのかもしれない。

金のかかる安全装備の標準装備化にも関わらず実質値上げしなかったE仕様はメーカーがプライスリーダーとしての役割を期待したと感じざるを得ない。

手元に価格表があったので、
3ドアE仕様5速MTで選択できるオプションを選択して標準車に近づけたい。
マニュアルエアコンは前述の本体18.5万円、
パワーウィンドゥ+電気式ドアロックは3.5万円である。

結果、160.3万円+18.5万円+3.5万円=182.3万円となり、
E仕様で頑張る位なら標準車を買ったほうがマシと言わしめる結果となった。

1997年9月には初の大規模なマイナーチェンジが敢行された。
ボデーがCIASからGOA対応の為、
ボデー構造部材のゲージアップやパッチ追加が行われた。
素地色だったバンパーモール類がカラード化され、
灯火類がマルチリフレクターになり、90年代後半らしい意匠になった。
内装も質感向上・装備向上が図られた。
更なるワイドバリエーション化が加速してついにFF車追加
ソフトトップの追加となった。

スモールSUVという金脈を見つけ出し、たパイオニアゆえに
後続の強力なライバルと戦う為に
商品力アップが必要になったのである。

ここでもE仕様は下記の変更を受ける

・MOPのアルミホイール選択可 → 選択NG
・ライト消し忘れブザーなし → ブザーあり


このほか、標準車がグレードアップされた部分(例えばカラードドアハンドル)も
E仕様だけはマイナー前据え置きとなった。

FFの追加はRAV4の低価格という特徴を語る上で大きな出来事であった。
重い4WD専用部品を外せるため、低価格を訴求出来るようになった。

4WDの希望小売価格は全車10万円ダウンとなった。デビューから3年が経ち、
デビュー時に投資した型の減価償却が終わったのではないだろうか。
装備が充実したのに価格が下がるのは極めて珍しいことだ。



E仕様 5MT 150.3万円 /4速ECT-S 163.2万円
標準  5MT 171.9万円 /4速ECT-S 184.8万円


デビュー当初よりも価格が下がっている。
新規追加されたFFは

E仕様 5MT 128.2万円 /4速ECT-S 138.2万円
標準  5MT 149.8万円 /4速ECT-S 159.8万円


参考までにFFと4WDの価格差は22.1万円で、
これならライトユーザーは4WDオンリーだった時代のE仕様の予算でも
FFであれば装備を充実させられる。

当時、私はRAV4 FFの低価格に度肝を抜かれた記憶がある。
こんなコンパクトカー級の価格設定のSUVは後にも先にも見たことがない。
(泣く子も黙る79万円のスイフトもSUV風だが車格は異なる)

例えばコンベンショナルな2BOXの
カローラIIの1500ティアラ5MTが133.8万円、
カローラレビンの1500FZ5MTでも129.8万円と近接している。



しかし、RAV4に関して言えばE仕様の存在は
あまりにも低価格過ぎたのだろう。
1998年8月のエアロスポーツパッケージ追加の際に
E仕様はカタログ落ちしてしまった。
結果、最廉価グレードはFFが担うことになり、
下記の通り、標準がボトムエンドとなった。

標準FF  5MT 149.8万円 /4速ECT-S 159.8万円

そのまま初代RAV4は2000年5月に2代目にバトンを渡すのである。

一体E仕様は何台売れたのだろう、
そして現存するE仕様はあるのだろうか。


まだまだ興味は尽きないのが
これにてひとまずE仕様に関する調べ物は終了。
ご精読ありがとうございました。
Posted at 2017/09/09 23:19:26 | コメント(3) | トラックバック(0) | 日記
2017年09月02日 イイね!

思い出すと胸が締め付けられる車

思い出すと胸が締め付けられる車この車は私にとって初恋のような
胸が締め付けられるような思い出がある車です。

私は小学生からディーラーに通って新車が出る度にカタログを集めていました。 そんな中でも行きつけのディーラーがありました。 中でもメカニックのAさんはハチロクが好きな方で免許を取って直ぐにハチロクを買った人でした。 (新車を狙っていたそうですが、間に合わず残念ながら中古車だそうです) そんなAさんがある日、職場にて白い前期型TE71を磨いていたので私は 「珍しい車ですね」と声をかけました。 何でもAさん自身が乗ろうと思って購入してきたそうです。 前の持ち主は中年男性で駐車場に放置してあった車のようでした。 Aさんもハチロクの祖先ということで興味がわいたようですが、何故かお眼鏡に適わなかったらしく 「乗る?」と私に聞いてきました。カローラファンの私にとってそのお話がどれほど魅力的だったことでしょうか。 しかし、当時の私はまだ高専の学生。アルバイトも出来ず苦しい経済状況の私に車など持てるわけがありません。 それどころか免許さえ持っていなかったのです。私には無理だと返事をしました。 ところが、Aさんは「大丈夫、免許取って乗れるまで保管しといてあげる」と言って下さったので、 私は「それなら大丈夫だ」と思いその好意を受けることにしました。 ちなみに車の代金は10万円。ある時払いの催促なしという条件でした。 アルバイトをしていなかったために、親戚からお小遣いをもらったりといった 臨時収入があるたびに支払いに行っていました。(2003年に完済)

その後、免許を順調に取得した後に引き取る日がやってきました。 保管場所は私が昔からお世話になっているIさんの自宅の裏の駐車場です。 隣の県でしたがそこまで積車に載せて運んでもらい駐車場に停めました。 その時私は何とも言えない満足感がありました。 学校でも「TE71買ったんだよ」と自慢気に友人に話していたことを思い出します。 みんなTE71なんて知らないので「ハチロクの一個前のモデルだよ」なんて偉そうにレクチャーしていたものです。 保管場所は遠いところでしたが、電車に乗っていったり友人に迎えに来てもらったりしながら 車を見に行きました。見に行ったらエンジンをかけて敷地内で動かしてみるのです。 白変が来てくれて一緒にエンジンオイル交換やLLC交換+サーモスタット交換等々 他にも色んな「メンテナンスごっこ」ことをして楽しんでいたように思います。 夏休み期間中にオフラインミーティングに参加するために仮ナンバーを取得したこともあります。 公道を走らせるためにまずタイヤを履き替えました。155SR13というレビンには似つかわしくないサイズでしたがネット経由で知り合ったばかりのスギレンさんが用意してくれたものでした。

夏休み期間が終わると、ボディカバーをかけてまた放置期間が続きます。 IさんはTE71の面倒を良く見てくれていました。ボディカバーが風で吹き飛んでしまうたびに それをかけてくれたり、交換に必要な部品を取り寄せておいてくれたりしていました。 たまに出かけては点火プラグを換えてみたり洗車してみたり色んなことをしてみました。 帰るときは、別れが辛くて悲しい気持ちになりました。 出来るだけ車を見に行こうとしましたが、 それでも車は乗れない期間が続くと、どんどん状態が悪くなっていくものです。 まず新品だったバッテリーがいかれました。ACデルコ社製の新品でしたが、 すぐにダメになりました。それ以後、長きに渡りSさんが持ってきた使い古しのバッテリーが 大活躍してくれました。 なんだかんだと理由をつけてTE71を見に行きましたが、それでもだんだんと 車体の傷みは激しくなります。 あるとき何だか違和感があるなと感じてスペアタイヤの格納場所を見ると、水溜りになっていました。 アメンボまで住んでいましたので恐ろしい話です。栓を開けてすぐに排水しましたが、 どこからか水が浸入しているようです。バックドアガラスのガスケットが劣化して水が入ってきてしまうようです定番の故障モード。 これには参りました。

そして2003年、私は大学生になりました。TE71を手に入れて3年が経ちましたが、私はTE71と私のあり方に悩むようになりました。 車を手に入れたときはとにかくうれしくて存在するだけでうれしかったです。 免許を取れば乗れるだろう、と思っていました。しかしそこで現実にぶつかりました。 現実的には勉強が忙しくてバイトどころではありませんでした。 車検代に任意保険代、そして当時のマンション生活の為に駐車場の確保など 年間を通して貧乏学生にはとても維持できるような額ではありませんでした。しかし私は若さゆえの愚かさでTE71を放置してきました。私の中でもどこかで分かっていたのにごまかして来たのかもしれません。 AさんにTE71を手放すことを話しに行きました。 車なら独立した自分の店の敷地に置かせてあげる」 と言って下さいました。私は「もう限界だ」と言ったのですが数時間説得されたので そこまでしてくださるなら、と私は手放すのを考え直しました。 しかし、学校は忙しく実習のレポート地獄、しかも編入の為にチャンス情報もほとんど無い状態で TE71を見に行くことはほとんど出来ません。そのうちボディカバーも破れてしまって車体が風雨に晒されているのが分かっていたのに手を打つことさえ出来ませんでした。 結局、置き場所が変わっただけでTE71が置かれている状況は全く変わりませんでした。

2004年、私は成績不振から留年してしまいました。私立大学の工学部の学費は私にとって莫大なものです。 さすがに留年した分の学費を取り戻そうとアルバイトを始めました。 最低でも月に5万は稼げます。それでも授業のコマがガラガラだから出来ることであって仮に進級すれば毎日授業がある私にとってはアルバイトは難しいことに気づいたのです。 更に進学すれば、一体いつになればTE71を公道で乗ることが出来るのでしょうか。 こんな状況で私は 「こうなったら、いつか莫大な金額をかけてTE71を復活させてやりますよ!」と生意気なことを 言っていました。自分でもTE71復活が夢のように思えたのです。 何処に車を置くのか、どうやって維持費を捻出するのかなど 考え出すともう何も考えられないくらいに思考停止してしまうのです。 そうしているうちに、カペラやサバンナと言った旧車をお持ちのIさんから メールが来ました。「そろそろ本気でTE71を処分したらどうか?」という内容ですが、 自分でも薄々感づいていたことをハッキリと文字にされてしまいましたのでドキッとしたことを覚えています。 2003年からTE71はホントに放置状態が長くなり、錆が進行してしまいました。 それまで大したこと無かったボンネットの腐食が進み穴が開いてしまいました。 ドアの錆は、Aさん教えていただきながら錆を食い止めたのですがボンネットは手付かずでした。 せめてサビチェンジャーを塗っていればマシだったかもしれません。 手放す覚悟を決めました。 Iさんとは何通もメールをやり取りしてようやく自分でも手放すべきであると納得できたのです。 まずは自動車が維持できる状態にならなければTE71に乗れないのだと、4年間かかって ようやく身に沁みたのです。本当に辛い決断でした。

TE71を手放すことを決めてしばらくの後、高専時代のK君から連絡が入りました。 「TE71、手放すくらいなら僕に譲ってくれないか」という内容でした。 彼は私がTE71を手放すことを聞きつけ、連絡をくれたのです。 彼はTE71の「メンテナンスごっこ」に付き合ってくれた友人の一人で彼自身が所有する軽自動車で よく自動車旅行をした仲でした。彼は一足早く社会人になるので、経済的バックボーンもあるというのです。 これほどうれしいことはありません。知らない誰かに売却するよりもソフトランディングであったため、私は彼に二つ返事でTE71を譲ることにしました。 お世話になったAさんのお店で車検を取得して、友人に譲りました。

彼はTE71を日々の足に活用し、楽しんで乗ってくれていましたが、次にフォードKaに買い換えることになり、TE71は中国地方のマニアの下に嫁ぎました。一度、四国へ遊びに行きましたが、ナンバー付きで活き活きしたTE71は輝いていました。やはり走ってこそ車なのだと感銘を受けました。

TE71との出会いから別れまでの幾年かで、私は「好き」なだけでは好きな車に乗れないという現実を学びました。TE71とは結ばれなかった分、想いだけが強く残りました。今でも思い出すと胸が締め付けられるような思いです。

当時、TE71が好きで乗りたいと口で言っている「だけ」の若者に対してたくさんの方が暖かい手を差し伸べてくださりました。たくさんの蜘蛛の糸が差し向けられていたのに私は自身の力不足ゆえにTE71に思いっきり乗ることが出来ませんでした。当時、私を導いてくださった諸先輩方に対して今も感謝の気持ちを忘れません。

2017年現在、私は2台所有を実現しておりますが、結婚や妻の出産もありAE92に1年以上乗れない状態でした。2017年6月頃から動かし始めたものの、少々調子を崩してしまいました。完全な復調は難しいかもしれませんが、TE71のことを教訓にしてしっかり修理してこまめに稼動させるつもりです。
Posted at 2017/09/02 08:28:32 | コメント(1) | カローラ | クルマレビュー
2017年08月18日 イイね!

愛車と出会って1年!

愛車と出会って1年!中古車情報サイトを見て群馬へ行ったのが
もう昨年のことなのか´д` ;
あっという間に一年が経ちました。
やはり、スタイリッシュなのが魅力的です。
マーブル模様のバンパーもそれはそれで味(笑)

■この1年でこんなパーツを付けました!
フォグランプ、本革ステアリング、
純正アルミホイール、
特別仕様専用メッキ鉄ホイール、
スタッドレスタイヤ、春日大社の鹿
などなど…


■この1年でこんな整備をしました!
オイル交換、エアコンレジスター修理、
下回り防錆塗装、スロットルワイヤ調整
などなど…
基本的にお金のかからない車です。

■愛車のイイね!数(2017年08月18日時点)
98イイね!

■これからいじりたいところは・・・
ハードタイプのスペアタイヤカバー、
ワイヤレスドアロック、キー照明、
コンライトなどを入手したいものです。
これらが揃えばかなり理想に近づきます。

機能面ではパワーウインドーが弱々しいのと
ETCが時々作動しないのが気になってます。

そしていつかエンジンフードを塗りたくなるんだろうな^^;

■愛車に一言
初代オーナーの元で
のんびり距離を重ねてきたのに、
いきなり酷使してすいません。
いつまで乗れるか分からないけど、
しっかりメンテして少しでも
長く付き合えるように頑張ります。

>>愛車プロフィールはこちら
>>RAV4 L感想文はこちら
Posted at 2017/08/19 08:11:54 | コメント(1) | トラックバック(0) | 日記
2017年08月16日 イイね!

車と音楽の話

車と音楽の話残暑お見舞い申し上げます。
連休らしく気を抜いてライトな話題です。

最近、自宅近所の古書店が閉店するとの事で覘いて見たのですが、
昔のCDが二束三文で売られているではありませんか。

映画「7月7日、晴れ」のサントラなんかもありました。映画では当時、発売前のイプサムが登場していた記憶が。映画の中のBGMはドリカムだらけで何となくバブルの雰囲気を残した映画でしたね。よく考えたら、イプサムが発売された時のCMソングもFUNK THE PEANUTSだったりして吉田美和さんとの縁が深い車だったのかも?

RAV4のCDチェンジャーの調子が良くなって以降、CDをよく聴いています。

以降、何となくRAV4の時代に合った曲をよく聞いている様な気がします。AE92カローラの時はレベッカが多いですが、これこそは幼稚園時代に親が乗っていたEP71スターレットでアホみたいに聞き込んだグループです。カローラを運転しながらレベッカを聞くと、当時ワクワクしながら父の実家に帰省した(=高速道路を走った)楽しい記憶が蘇るのです。

さて、別のブログでRAV4は私のティーンエイジャー時代を思い出させる車だと書きました。だから選曲は自然とリアルタイムでFMやTVで触れた曲が多くなりました。実家に眠ってる電気グルーヴやミスチル、エレカシのCDを持って帰ってこようかなと考えています。あの頃はCDとかお小遣いで買ってたなぁ・・・。何となく80年代を懐かしむ風潮が、90年代にまで広がりつつありこういう雰囲気を楽しむ人が他にも増えてきそうな感じですね。

先に挙げた店じまいセールの店舗では今住んでいる地域のFM局の開設2周年記念CDを買いました。当時のジングルが入っているので地元の人には懐かしいかもしれないですね。

ひたすらマニアックな気分が盛り上がった時はスギレンさん作成のカセットテープがあります。



カセット自体もRAV4と同世代らしいのですが中身はトヨタRV車のCMソングで固めてあります。左のテープはRAV4のCMソングだけが無限ループされる洗脳テープです。秋ヶ瀬や新舞子ではこいつを聞きながら入場してました。

運転する車と選ぶBGMの傾向というのは何となくあるような気がしますが、皆さんはいかがでしょうか。

暑い日が続きますが皆様も、夏バテにお気をつけてお過ごしください。
Posted at 2017/08/16 22:28:19 | コメント(3) | トラックバック(0) | RAV4 | クルマ
2017年08月12日 イイね!

ランサーセディアワゴン 感想文

●スギレンさんがついに21世紀の車に!

家庭の都合により、しばらくマニアのイベントに参加出来ていない間に、
スギレンさんの通勤車両が増えていたらしい。
あるタイミングで仕事終わりのスギレンさんと会う機会が
あり初めて知った次第である。
(最初気づかずに無視してしまったwww)

そのクルマとは標題の三菱ランサーセディアワゴンである。
思えばスギレンさんはワゴンが好きだ。
初代カルディナでカーライフを開始し、
カムリグラシアワゴンカペラワゴンカリーナサーフなど、
セダンベースのステーションワゴンを熟知したスギレンさんが
ついに三菱のステーションワゴンの世界に足を踏み入れたのだ。



ランサーセディアと言えば、我々の世代からすれば、
ランエボのベース車でというだけでなく、
テレビコマーシャルがカッコいいというイメージが強い。



いすゞジェミニのパクリだと言われようと、
趣味のいい「キャラバンの到着」のBGMを響かせながらフランスの町並みを
縦横無尽に疾走するセディアはかっこいい。
セダンからスタートしつつ、ワゴンやエボリューションでも
アレンジ違いのBGMを採用して広告の世界観を守っていた。

セディアは2000年5月にセダンが先行して登場。
ワゴンは同年 11月にフルモデルチェンジされた。
当時はステーションワゴンは富士重工のレガシィにて市民権を得て以来、
ポピュラーなボディタイプとなっており、
特に若者層から選ばれる割合も今よりも高かった。

当時のライバルはカローラフィールダー、
ファミリアSワゴン、インプレッサ、ウィングロードなど。
セディアは若干上級クラスのビスタやカルディナ、
或いはレグナムよりも、小柄だが、上質感を訴求したモデルであった。

外観は当時のトレンドであるキャブフォワードで背の高いパッケージをまといつつ、
不恰好に見えない絶妙なところで抑えている。
旧型に当たるリベロと比べると、ロングホイールベースで全高が高くなっている。
このパッケージは2000年時点では現代的で新しさのあるものだったが、
同世代のビスタに代表されるようにベルトラインから上のDLOが広すぎて不恰好に見える。
例えばビスタより後発のカローラでは全高を1470ミリと先代よりも85ミリも高くなったが、
ベルトラインを高い位置に引き直し、DLOを敢えて小さめにした。
結果、間延びしたドアアウターはサイドプロテクションモールでバランスをとった。



セディア(全高は1470mm)の場合、ベルトラインはビスタのように低目のままだが、
違和感なく背高フォルムを着こなしている。
セディアはフードが低く、カウルが低い。
フードヒンジに注目するとホンダ式のギリギリまで攻めたヒンジが取り付けられている。
同じコンセプトのカローラフィールダーは丸みを帯びてもっちりした印象なのに対し、
セディアワゴンはソリッドな魅力を感じる。
ベルトラインモールは一般的なモールよりも幅広で全高の高さを緩和している。
水平基調で長さ感を出している。
思えば、80年代に背高セダンを完成させている三菱ならではのデザインの力だろう。
昔からセディアワゴンのスタイリングは好みであった。

内装がスポーティかつ高級車ムードあふれるデザインだ。
エアコン吹き出し口は開口が大きく、
周りを黒木目のオーナメントがゆったりとしたワイド感を演出している。
大画面のインテグレーデッドナビがMOPで選択できるが、
試乗車は用品対応の2DINスペースに
三菱電機のDVDナビが装着されていた。



試乗車は最上級グレード(Touring スーパーPKG)のため、
本革内装とパワーシートが追加されて高級感が高い。
特にドアトリムの立体感はクラスを明らかに超えている。
さらにMOMO社製革巻きステアリングが装備され
スポーティかつラグジュアリーな雰囲気だ。

鍵を開けて乗り込んでみる。
ヒップポイントが高くて乗降し易いのが、
アップライトパッケージの美点だ。
ドラポジを合わせてみると、ベルトラインの低さ、
インパネの圧迫感の少なさゆえに抜群の開放感を味わえる。
ただ、ステアリング高さが遠くて低く、
高めに設定されたヒップポイントと整合していないのが気になった。
また、Aピラーが寝ている関係で
ヘッダーと私のおでこの距離が接近して狭く感じる。
パッケージ的には高いところに座っているのに、
低いところにある操作系を見下ろす様な感覚は気になった。
この時代故にテレスコの装備も無く、
比較的手足を投げ出した様なポジションとなる。

私は体格に恵まれない165センチのために、
シートを前に出してシートバックを立て気味のドラポジを好んでいる。
このため、体格の良いスギレンさんでは気にならないという。



シートは本革パワーシートが装備されてヒップポイントが高いだけでなく、
シート座面自体も随分分厚く感じる。シートバックも丈が充分で、
肩甲骨の辺りもキチンと支えてくれて心地よい。
一方、リアシートは標準の背もたれ角度では
カタログ上の室内長を確保するため反った形状をしており、
一段立てた状態がオススメだ。
座面サイズや膝前スペース、私が最近気にしている足引き性は良好だ。

●リーンバーンの新しい世界を切り拓いたGDIエンジンと搭載


ランサーセディアは高級感あふれる内外装と新世代パッケージングが売りだが、
当時最大のセールスポイントとしていたのが
1.8L GDI + INVECS-III CVTという
組み合わせの新時代の走りだ。



GDIと言えば「Gasoline Direct Injection」の略で、
三菱自動車が1996年に世界で始めて量産化した
筒内噴射リーンバーンエンジンの事である。
ジーディーアイ、ジーディーアイ、ジー・ディー・アイ!
という掛け声が今でも思い出される。

GDIについて門外漢の私がサラッと説明すると、

より少ない燃料で車を走らせるアプローチとして当時は
リーンバーン(希薄燃焼)が盛んに研究されてきた。
一般的なエンジンでは燃料1に対し空気14.7という比率で
燃焼させていたが、それを例えば空気20で燃焼させる
(=空気量固定なら燃料を節約して燃やす)技術だ。



吸気ポートに少な目の燃料を噴射し、
シリンダー内に混合気を十分撹拌させて着火させる。
これだけの事だが、
薄い混合気を綺麗に燃焼させる事は大変難しいことであった。

燃料が薄いと火花が混合気に燃え移りにくく、
仮に着火したとても燃焼がゆっくりで燃え広がりにくく、
不完全燃焼に陥りやすく燃え広がるにも時間がかかる。
結果的に出力が小さくなり排ガス性能が悪いという問題がある。

いわば、お母さんが作るカルピスの様に原液に対して
水を入れ過ぎた希薄カルピスだと
味わいというパフォーマンス低下が見られるのと同様の話だ。



エンジンの場合、点火プラグ周辺だけに濃い混合気を集めておいて
上手に着火させる層状燃焼を実現させ、
その火炎をすばやくシリンダー内に拡散させる強い渦を起こせば
リーンバーンが実現できる。
吸気ポート形状を工夫して燃焼室内に強力な渦を作る、
或いは2つの吸気ポートの片側だけ濃い混合気を出すことで
空燃比を1:23あたりまで薄めて、約20%の燃費の向上を実現していた。

それ以上燃料を薄くするためには、より効果的にプラグ周辺に
少量の濃い混合気を集めてやる必要がある。
より高度なリーンバーンを実現する為に生まれたのが筒内直接噴射である。

吸気ポートにインジェクターを置くのではなく、
燃焼室内にインジェクターを置くことで
吸気ポートに付着してしまう燃料のロスを
差っ引いて噴射量の精度が向上する。
そしてインジェクターによる正確な噴霧をいかに
点火プラグの周辺に集め、着火できるように工夫したのか。
GDIは「直立吸気ポート」「湾曲頂面ピストン」
によって解決している。



燃料を含まない吸気を燃焼室に入れる角度がほぼ直上という
特殊な吸気ポートの恩恵で吸気は真上から燃焼室に入る。
ピストンが下死点から上昇している最中に
シリンダ側面にはインジェクターがあり燃料を噴射する。
燃料は吸気と一緒にピストンにぶつかるのだが、
ピストン形状が半球状に凹んでいる為、
跳ね返されて縦型の渦(タンブル)になり、
ピストンの上昇につれて点火プラグ周辺に混合気が集まる。
そこに点火してやれば層状燃焼を実現することが出来る。

インジェクター自身も従来よりも大幅に高圧噴射と
旋回パターンで燃料噴射できる当時として最先端の
高性能インジェクターがあって初めてGDIが実現している。

結果、従来よりも薄い燃料(1:40)でも
燃焼させることとができるようになった。
直噴エンジンの実用化はエンジニアの夢のエンジンとまで
言われていたが、三菱自動車はそれを実用化したのだ。

因みに、水だけを口に含んだ状態で少量のカルピス原液を
ストローで吸う、CALPIS DIRECT INJECTION、
即ちCDIを実施してみたが、
ストロー捌きを工夫して上手く舌の近傍に原液を運べれば、
味わいを楽しみつつ原液を節約する事が出来た?!。

GDIは低負荷時はリーンバーンで、
高負荷時は従来型エンジンと同じような燃焼を行う。
このときは燃料噴射タイミングをピストン下降中に噴射する。
濃い目の混合気は燃焼室内に広がり、圧縮・点火される。
GDIは筒内直噴であるため、燃料が気化するときに
燃焼室の温度を奪うことで冷却効果が得られて、
ポート噴射よりも多くの空気を吸い込める他、
耐ノック性が強い。
圧縮比が12と当時としては相当高く、理論熱効率も良くなる。
結果的に低燃費(燃費35%UP)かつ高出力(10%UP)と宣伝された。
(GDIは奥が深く様々な工夫・特徴があるが長くなるので割愛する)

当初はギャランの4AT/5MTでスタートしたGDIだが、
ランサーセディアでCVTと初めて組み合わされることになったと先にも述べた。

GDIを含むリーンバーンエンジンの場合、低燃費モードと高出力モードの
トルク変動がドライバビリティを損なうため、
電子制御スロットルを開け閉めして変わり目の段差をぼかす必要がある。

CVTは元々レシオカバレッジが広く、連続的に変速できる為
エンジン回転数を変えずに低燃費モード内で運転できる。
GDIのジキルとハイドの二面性をぼかすデバイスとしてもCVTは有効だ。
従来は発進用クラッチの耐久性が日本の使用環境にマッチしておらず、
早々に故障するケースが多かったが、2000年頃にはAT用のトルクコンバーターと
ロックアップクラッチを利用した新世代CVTが登場し始めており、
セディアもトルコン式CVTを採用している。

ランサーセディアに搭載されたGDIエンジンはギャランと同じ型式だが
最高出力は150psから130psに低められている。
恐らく車格だけではなくCVTとの相性もあったのだろう。

カタログ値は例の件でインターネットで探しても
それらしいものが出てこないが、
スギレンさんが持っていた当時のカタログによると16km/Lだったようだ。
競合関係にあるカローラフィールダー1.8Sは4ATで15km/Lなので
圧倒的な優位性は無い。
ギャランの場合、150psでありながらMTで18.2km/L、
ATで16.2km/Lという驚異的な燃費を誇っていた(偽装データの可能性があるが)が、
ランサーセディアの場合は若干控えめな数字だと感じる。

●現代の目で見れば力強く違和感のない走り

新車当時、既に免許を持っていたが、
これと言って興味の湧かない普通のワゴンだと考えていた。
当時のイマドキ当時考えもしなかった様な事が起こった後の
2017年に改めてランサーセディアワゴンと向き合う機会を得て、
早速走り始める事にした。

最上級グレードといえどもスマートキーはまだ無く、イグニッションキーを捻る。
一般的なエンジンと同じように始動する。
この車両には三菱電機製のカーナビが取り付けられているが、
スリーダイヤの起動画面が現れる。
スギレンさんの遊び心でオーディオからは「いとしのレイラ」が鳴り始めて、
気分がハートビートな方向に盛り上がってくる。

経年でアイドリングが不安定になるというGDIだが、
この個体は状態が良いらしく安定したアイドリングだ。
メーター内にGDI ECO表示灯が点灯している。
パワーを必要としないアイドリング時は希薄燃焼で充分であるはずだ。
現代にあってはアイドリングストップが一般化しているが、
当時はアイドリングは当たり前であったから、
アイドリング時のリーンバーンは意味ある技術だった。

早速走り出す。
いわゆるCVTライクな燃費の最良点を
ひたすら追いかけて変速するタイプで、
擬似ATのような今時のギミックは使われていない。
私は妻の軽自動車で、普段からCVTには慣れ親しんでいるが、
これと比べれば排気量の差で圧倒的に力強さを感じるし、
変速が穏やかなのである程度の食いつき感を伴うのは好印象だ。
もちろん同年代の競合他社と比べてもCVTの味付けは人間の感性に逆らわない。

定常走行ではハイギアを志向し、
アクセル開度が増えてドライバーの加速欲求を検知すると
途端にシフトダウンしてエンジン回転が上がり、一定の回転数で張り付く。
そうして所定の速度に達して
ドライバーのアクセル開度が小さくなると再び低回転走行となる。
エンジン回転上昇が先行する加速はCVTを否定するときの常套句であるが、
それこそがランサーセディアワゴンの通常メニューであった。
MTやATとは異なるもたつき感は、
右足との一体感を大切にする人には受け入れられない。
しかし、2017年の一般的な日本車を基準に置けば決してダメな部類ではない
実際、私などは社用車や妻の軽自動車でCVTに嫌という程乗っており、
イラつきながらも仕方ないと諦めている節がある。
それと比べればランサーセディアワゴンはエンジンの余裕のおかげで
トルク感はまだまだマシで、リーズナブルだと感じた。
しかもGDI ECOランプはなかなか消えず
一名乗車なら大抵の走行パターンでランプが消えることはない。

一般的な市街地を走っている限り、ランサーセディアワゴンは普通の乗用車、
と言った感覚で極めて快適な車といえよう。
特にロングホイールベースにもかかわらず、
4.9mの最小回転半径を誇り、
見た目のために大径ワイドタイヤを履く現代の小型車よりも
広さの割に使い勝手が良い。



次に走らせたのは早朝の広域農道は私の通勤経路である。
驚いたのはこうしたワインディング路での振舞いが完全に想像以上であったからだ。
カローラクラスのステーションワゴンというカテゴリーから飛躍的に高いレベルの操縦安定性を誇る。

ドイツの田舎道さながらの農道を元気に走らせても
私の技量ではタイヤが鳴く気配は一切無く、
ステアリングの微妙な加減に反応を見せる。

敢えて切り出してもノーズが軽く内側を向いてくれて
ランサーエボリューションのベース車というのも伊達ではないと思わせられた。
CVTをマニュアルモードにして引っ張って走らせた。
当時の競合だったカローラフィールダー、ウイングロードに乗った事があるが、
走りの質としては一線を画すレベルだと感じた。
これがインプレッサスポーツワゴンであったなら分からないが、
ランサーセディアワゴンは見た目の大人しさ以上に俊敏な身のこなしであった。

エンジンの絶対的な出力はそれなりで高回転まで回しても
官能的なフィーリングなどは皆無だが、
前:ストラット 後:マルチリンク式 という贅沢な脚まわりは
オーバークオリティと言えるほどのコーナリング性能を堪能させてくれた。
ロール自体は程々だが、パッケージ的なヒップポイントの高さゆえ、傾く感覚は強めに出る。
完全にエンジンよりシャシーが勝っている。
現代のアンダー200万円クラスの車には到底真似のできないレベルだ。

2010年代に向けた燃費ファーストな思想と
1990年代の動的性能に重きを置いた車らしさが同居する感覚
だ。
エアコンは常時使用でワインディング路を経由して
朝の通勤渋滞の中を走るモードでは燃費が10km/Lちょいという感じだった。
期待ほど燃費は伸びなかったが、スギレンさん曰くエアコンを使うとこんなものらしい。

高速道路を使って遠出を試みた。
高速道路はランサーセディアワゴンが最も輝けるステージで、
見晴らしの良い運転席、ロングホイールベースを活かした安定した走りのおかげで疲れが少なかった。
ワインディングでの安定感は高速道路においてもそのまま安心感に繋がっている。
100km/h時のエンジンの回転数は2000rpm近傍とハイギアード。
加速に入ると2500rpmまでポーンと上がるが、
じわじわアクセル操作をするとハイギアのままトルクで乗り切る努力をしてくれる。
GDI ECOランプは基本的に点灯しっぱなしであった。

堅めの足回り、ロングホイールベースの安定性などが相まってリラックスできる。
多少の風切り音はあるものの基本的にグレード名のツーリングは伊達ではない。
結局、あまり休憩せずに3時間余りの走行が出来た。
気になる燃費は17km/Lとカタログ値超えを果たした。
エアコンをつけて一般的なペースで走らせた結果だ。

ちなみにエンジンを切ったらクーリングファンが 7秒間動作する。
シトロエンDS3も同じ機能が付いていたが、熱害には有効だろう。

乗ってみた感じでは実に高級感があって走りも充分以上
な実力を持つステーションワゴンという感想になる。

それではランサーセディアに死角はないのだろうか。
見た目も良く、内装も高級感があり、
当時最先端のエンジンを搭載していながら
ライバルよりも割安な価格設定だったのには訳がある。

●無い袖は振れぬ、の細部

私が見つけたのは仕様のランクダウンだ。
例えば、この時代の車では徐々にドアシールが二重になりつつあったところを
一重(ドアウェザー)で対応していたり、エンジンルーム内の防水シーラーや
蓋物のヘミングシーラを大幅に削減
していた。



特にヘミングシーラはメーカーによっては軽自動車でもきちんとシールをしているのだが、
ランサーセディアの場合はヘミングした後電着塗装して
そのままボディカラーが塗装されている。
これでは経年時のエッジ錆が懸念される。
長い目で見たときの防錆性能ではライバルよりも明らかな仕様ダウンだ。



また、センターレジスターのシャットダイヤルは、
恐らく金型に起因する段差の公差を緩めて甘くしているのでは無いだろうか。



こうした地道な原価カットの積み重ねがセディアの価格競合性の高さを支えているのだ。

明らかにコストのかかるエンジンと変速機、
世界ラリー選手権を意識したボデーやシャシーと
充実した装備と低価格が両立するはずはない。

●まとめ 三菱が出した5ナンバーセダン/ワゴンの最適解

後年、セディアはGDIターボを採用し、エボリューション仕様が
追加されるなどの展開を見せたが、標準仕様はNOx対応の負担が大きくなり
年々燃費性能においてライバルの後塵を拝するようになり、
ついにGDIはラインナップから落とされてしまった。
今回試乗した初期モデルは三菱が
ギリギリで成立させた最適解であったのだろう。

無い袖は振れない厳しい台所事情も垣間見た。
そうまでして頑張ったGDIエンジンが後年あのような評価になった事は
三菱の担当者は悔しい思いをしたであろうが、
直噴エンジンは現代のエンジンの代表的な技術となっている。
近年トヨタが発表した新世代ガソリンエンジン群も直噴式を採用し、
タンブル流を効果的に利用している。

希薄燃焼の技術も先日、マツダが予混合圧縮自己着火エンジンを
2018年度中にに実用化
するとアナウンスがあった。
マツダはこれも「夢のエンジン」と語っており、GDIを思い出した。

会社の同僚と昼食を食べている間に普段車の話をしないのに
ニュースの話題からマツダのHCCIやGDIの話をした。

「あ、なんかHCCIとかGDI聞いたことあるなぁ・・・・」
「あっ、大学でそれ研究しとったわ!」「10年も前のことやから完全に忘れてた」
「当時はハイブリッド全盛やったからこんな研究意味無いと思ってたわー」
とのこと。地道な研究だったそうだが、同僚曰く
「アレがものになるのはすごい」「全域HCCIは諦めてスパークプラグも併用するんだー」
と当時を懐かしんでいた。

まだ、詳しいことはわからないが、
GDIエンジンが直噴で切り拓いた超リーンバーンの世界が
20年以上の時を経てに進化するというタイミングで
GDIを積むセディアワゴンに乗ることができた。

まるで無かった事にされているGDIだが、
私がGDI搭載のランサーセディアに試乗してみて
当時の三菱の想いや苦しさを感じることが出来た。
近年の燃費の為に全てを捨てたエンジンと比べれば
そのエンジンらしさは十分に良さがあった。
また、エンジンを抜きにしてもスタイリングと居住性を両立させて
競合性のある商品になっていた。

今回、車を貸してくださったスギレンさんに感謝
Posted at 2017/08/12 15:14:40 | コメント(2) | トラックバック(0) | 試乗 | 日記

プロフィール

「@WAGON/GL 昔の雰囲気を敢えて残したエリアが一箇所だけでもあればいいのですが^^;これが民営化によるサービス向上なんですねー。マニア的には寂しいです。」
何シテル?   09/18 20:22
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