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2012年08月12日

2012年式レクサスCT200h感想文

2021年10月 画像(https://www.favcars.com/から引用)追加 文章再構成

レクサスの勉強の為にLEXUS CT200hに試乗。愛知で試乗すると道路が全然面白くないので地元奈良で試乗することにした。結果、地元で一人で運転させて貰えたので、脳内ナビを駆使して一般道からワインディング、自動車専用道路まで試すことが出来た。



簡単に解説するとCTはクリエイティブ・ツーリングを意味し、BMW1シリーズを強く意識したハイブリッドハッチバックだ。プリウスをベースにBMW1シリーズ風のスポーティなスタイリングでまとめられている。200hというのは一般的なガソリン車2000cc相当のハイブリッドという意味です。本当は1800ccですが、モーターとあわせて2000cc相当の実力があると言っているのだ。この表記の仕方は将来的に一般的なガソリン車がなくなったらどうするのだろうか。(出力をkW表示して車名にするとかありえそうですね。CT100hとかGS256hとかになりそう)

レクサスのボトムエンドを受け持つCTは小さな高級車を求める国内でもなかなか好評らしく、欧州でも最も良く売れているLEXUSモデルなのだという(当時)。(北米ではES、RXの方がよく売れているし中近東だとLXがよく売れる)ざっくり言えば、プリウスのレクサス版がCT、SAIのレクサス版がHSという事だ。

●外観
LEXUSのアイデンティティとして売り出し中のスピンドルグリルは採用されていないものの、Frバンパーカバーのレリーフでスピンドルらしきものが表現されている。モデルライフを考えての予告編だったのだろう。HSと兄弟車だとは思えないほど見た目は全く異なる。

ライバルの1シリーズもアウディとの違いを明確に出すために、FRらしい低いルーフに+長いノーズという「居住性」を敢えて犠牲にしたシルエットを採用するが、少々Rrクオーターが重たい感じがするところもBMW風だ。FFのCTもBMW風のカッコよさに追従した結果、FFモデルとして異例にスマートなクルマになった。(2021年注、1シリーズもFFになった結果スタイリング的なキレも悪化)



ただ、一箇所だけAピラーとフェンダーの合わせ処理がどうもチグハグに感じます。上手く面が繋がらなかったのかな・・・。ルーフとサイドアウタパネルの接合はレーザー溶接+ロウ付けではなく一般的なモヒカン構造だ。LEXUS車の場合、ルーフドリップモールはカラードが標準だったが、ボトムエンドのCTでは残念ながら一般トヨタ車と同レベルの黒モールの設定だ。(Fスポーツ、Ver.Lはカラードなので、見栄を張ってVer.CのアルミをVer.Lのものに変えただけではグレードがバレる)

●内装
内装もLEXUSっぽくナビ+AV操作用のインターフェースを中心に操作系が配置されている。ナビ標準+ATのみのCTだからこそやれる事と言える。(そうでなければセンタークラスターの金型がもう一個必要)外装同様にFFで居住性を売りにする他車と比べるとCTは独特の囲まれ感がスポーティな味が好きな人にはグッと来るのではないかと思われる。



座ってみると圧迫感はそれほどでもない。その理由は着座した際のお尻の位置(ヒップポイント:HP)を下げているから。ここ10年くらいの主流はHPを高めにして乗降性と見晴らしを重視していましたが、CTはそこを敢えてスタイリングや走りの素性を良くする為に下げている点が特徴的だ。

センタークラスターからコンソールまでの張り出しも相当大きいので寸法としてはそんなに開放感はないが、FR車のような高級感を出している。FR車には理由があるが、CTには本来そんなに張り出す理由は本当のところ無い。ただ、ただむやみに広いというのは、カッコいいわけではないでしょう、と言いたいわけだ。広さをアピールする事も必要な車種もあるが、CTのような高級車では広さよりも、存在感を重視する必要性もある。ちょうど、洋服でも大き目のサイズを着るとだらしなく見えるのと同じ。肩の位置がぴったりのシャツはそれだけでカッコよく凛として見えるのと同じ事だ。



さて、後席も窓の開口面積が小さいために閉塞感はあれど、実際の空間としては下手したらオーリスよりも広く感じた。これもHPを下げているからなのだが、側頭部~ルーフサイドの寸法は余裕が感じられて広く感じた。(欧米人は厳しそうだけど)

ステアリングやインパネなどはまさしくLEXUSのそれだが、ドアオープニングウェザーストリップがまさかの黒ゴムのリップタイプ。コスト的な割り切りなのだろうし、そこを気にする人は少ないのだろが、ちょっとだけ目ざとい私には気になった。(せめてHS並みのリップなしにして欲しかった・・・・。)

●市街地試乗
一人で試乗させてくれるというので意気揚々とCTに乗り込んだ。ああ、マイアヒラサワ(2021年注:CM曲)のCD持ってくればよかった・・・・。試乗したのは375万円のVer.C。もっともメインになるであろうグレードだ。

久しぶりのハイブリッドだが、本当に巧みな制御をするようになった。カックンブレーキは欧州車から乗り換えればぜんぜん気にならなくなった。(停止時の調整は相変わらずだが、ちょんと踏んだときのフィーリングは確かに向上していた)

停止から発進はメーター内のEVという表示灯が示す通りモーターで発進。エアコンがガンガンに効いていてもモーターで走れるのはトヨタ式のストロングハイブリッドの美点であり2012年当時は大きなセールスポイントだった。

渋滞路でのハイブリッドは本当に魅力的である。多人数で移動する時にミニバンの魅力が最大限に発揮されるように、或いは雪道が4WDの魅力を最大限に引き出すように、ハイブリッドは真夏の渋滞路でのストップアンドゴーこそが最も輝く瞬間であると私は考えます。その意味で日本やアメリカのように渋滞が厳しい環境ではハイブリッドは大変魅力的に映るだろう。

道路が少し空いてきて、ドライブモードセレクトを試した。ドライブモードセレクトというのは「ECO」-「NORMAL」-「SPORTS」というモードをダイヤルで選択できて気分に合わせたドライブが楽しめるという謳いだ。

この手の装備はNORMALさえ出来が良ければ他のモードなんか必要なし!と個人的には考えていますが、ショールームアピールも抜群で、ディーラーの周りを一周する5分くらいで営業マンから「モードが切り替えられるんですよー!試してみてください!」なんてセールストークも繰り出されたら「むむむ、欲しい」ってなっちゃうもんなのだろう。

上記は別に最近のお客さんが騙されやすいわけではなくて、昔からECT-S(オートマ)やTEMS(足回りの硬さ調整)のように1980年代から既にそういう思想の装備は存在してきた。ただ、最近のドライブモードセレクトの類はスイッチ一つでエアコンの制御から変速特性やエンジン出力特性だけではなく、ステアリングの制御特性まで変えてしまうものだから豹変感が演出しやすい。こうした装備が増えてきた背景はメーカー側がスイッチ操作でいじれる量の幅が広がった事と、お客様の要求するレベルが厳しくなったのかもしれない。(燃費は良くないと・・・でも加速が悪いのは・・・)

閑話休題。CTの場合、ECOだとアクセルに対するツキが非常に悪化する。メーター内の出力計はECOの領域からなかなか出ない。追越などで力が欲しいときは更にアクセルを踏み込むと一時的にECOモードが解除されてグッと出るようになる。CTらしい一般走行を楽しむなら、やはりNORMALが好ましい。プリウスのように燃費の数値を追いかけるだけではなく、力強い乗り味というものも高級車には必要なので、ハイブリッドシステムの余力をそこにも振り分けていることが私レベルでも分かる。



静粛性はさすが高級車という言うレベルで2000ccクラスのトヨタ車とは確かに違う。また、ヤマハが誇るパフォーマンスダンパーが前後に取り付けられていて、しっとりした乗り味に貢献しているという。有り無しで比較できないのでどれくらい変わるのかは言えないが、確かにステアリングをちょっと切ったときの心地よさや脚が堅いのに振動の収まりのはイメージより良い点はCTの美点だ。ボディがそれほど大きいわけでもないので、運転もしやすく左後方の視界の悪さもそれほど気にならない。プレミアムコンパクトとしての資質を充分に持っていると感じた。

●山道+高速走行
このままCTを峠道に持ち込んだ。ステアリングをグッと切ったときの爽快感は重心が低いクルマならではの快感だが、CTにもその味わいがある。

NORMALでも充分だが、敢えて分かりやすくSPORTモードを選択した。アクセルのツキが良くなり、ステアリングのレスポンスも鋭くなる。さらに、メーター内の照明が赤くなり、パワー表示がタコメーターに切り替わることで更に気分を盛り上げてくれる。(レッドゾーンが5千台というのが萎えるが仕方ない・・・)

ヒラリヒラリとカーブを曲がる事ができて、なかなかの楽しさがある。ただ、急加速時はエンジンとモーターがフルで頑張ってくれるが、いかにもCVT車という感じで、ポーンと回転数だけ上がってしまいスポーティさ感じられない。絶対的な力はあるのに、トヨタのハイブリッド車の宿命で官能的には一歩競合に譲る。



そこから更にペースを上げたところ、意外なほど低い車速でタイヤが鳴き始めてしまった。電子制御のおかげでコースから飛び出すことは無いものの、制御デバイスの介入も少し早めなので、私は少し物足りなさを感じてしまった。

それは、それまでの印象から想像する本当の限界よりも、かなり低いと感じたかで恐らくエコタイヤを履いているせいだろう。もっともヤンチャな乗り方をしたい人はCTを選ばないと思うので、この選択が間違いであるとは思わない。山道を通常のペースよりちょっと速めに走るときの心地よさは確保されているから、大多数のCTユーザーが不満に思うことは無いだろう。



60分ほどと言う試乗の残り時間が無くなって来た。そこで自動車専用道路を使ってディーラーに戻ることにした。道中の長い下り坂、ダラーっと下りながら回生(充電)を行う。先ほどエコカー(笑)には似つかわしくない走りをしてしまったので、罪滅ぼしが回生によって出来るというのはハイブリッドならではの効能といえる。ハイブリッドは本来捨てているエネルギーを回収して、それを走るために再利用できるが、普通のガソリン車にはせいぜい燃料カットくらいしかできないからこの差は大きい。空っぽだったバッテリーがほぼ満充電できた。

合流車線でここぞとばかりハイブリッドらしい加速をこなして後はクルーズコントロールで制限速度の70km/hクルージング。微小なステアリング操作のしっとり感と静粛性の高さが上質な時間を提供してくれているから本当に快適だ。

やはりCTは見た目ほどスポーティな乗り方をしない方が性にあっているようだ。ただ、1時間くらい乗ってみて初めて気づけたのはシートの悪さ。1時間しか乗ってないのに少しだけ腰が痛くなってしまった。ツアラーを名乗るCTでそれはいただけないが、普段乗っているクルマのシートが良過ぎるだけなのかも。

一般道に下りてディーラーに戻るまでのストップアンドゴーでまた性懲りも無く感動しつつ、試乗を終了しました。燃費は最終的に14.5km/L。営業マン曰く20km/Lは走るそうですから、普段使いの感動は十分あるだろう。

●まとめ
はじめて1時間近くCTに試乗させていただいた。レクサスの世界の裾野を広げるエントリー車種で終わるのではなく、運転が楽しいプレミアムコンパクトかつハイブリッドという付加価値を提供しており、欧州のライバル車に対しても存在感を示す事ができるモデルであると感じました。

トヨタ車の横並びで見れば、意外と安っぽい部品を使っていたりする部分もあるのですが、ライバル車とてそれは似たようなもので、高級感を出しながらもある程度の割り切りをしないとプレミアムコンパクトというジャンルは成立しない。

価格はスタート価格355万円~ですが、この355万円は非常に見劣りするので実質的には375万円のVer.Cからのスタートになる。ライバルのBMW1シリーズのスタート価格よりも47万円高いのでそうなってくると、レクサスの品質とハイブリッドに燃費の良さで勝負という事になるだろう。



やっぱり走りが大事!という人や、ブランド信仰が厚い人でなければCTも充分に魅力のある商品だというのが結論だ。

(2021年注)
CTを街でもよく見かけるのは扱いやすいボディサイズとハイブリッドと高級感をうまく掛け合わせたパーソナルカーとして売れていたからで、特に女性ユーザーも多く個人的にはネガが目立たない使い方で予算が許すなら良いのでは無いかといえるモデルであった。残念なのは競合車が次々にFMCされるなかでCTだけ放置プレーであることだ。実質後継車のUXがあるから作り手の中ではもう戦力外通告されているようだが、せっかくのCTを一代限りで廃止してしまうとしたらそれは既納客への失礼に当たるし、ブランドとして車種を大切していないということになりプレミアムブランドの姿勢としては疑問符が着く。
ブログ一覧 | 感想文_トヨタ・レクサス | クルマ
Posted at 2012/08/12 10:39:13

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