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2012年08月18日

2012年式メルセデスベンツB180感想文

●B180試乗
BMW1シリーズを迎え撃つべく、
2+2ハッチバックに変貌を遂げるAクラスの穴を埋めるための新Bクラス。

人生で初めてMBのディーラーへ足を踏み入れてしまいました。

・・・・・えーっと、シトロエンでございますか(微笑)・・・・
大衆ブランドのお客様は当店のパーキングスペースに駐車いただくことはできません。
え?DSラインの第一弾モデル?ちょっと存じ上げませんね。(嘲笑)
そちらに砂利の駐車場をご用意いたしておりますので、
黒い大衆車をそちらにお止めいただいてそちらから歩いて店内までお越し下さい。
総合案内チラシでしたら差し上げないこともございませんが(フハハハハハ)・・・・

・・・とかそんなドSな対応されたらどうしよう・・・・泣きながら帰れば良いか。
でも涙で前が見えなくなるかもしれないな・・・・

的な恐れを抱いていました。
そもそもMBなんていう高級ブランドは子供の頃から
893が乗っているから近づいてはいけない、とかそんなイメージでした。

子供の頃にお世話になってた小児科の先生が車好きで
V12のSクラスに乗っててよくガレージで車見せてもらってたのですが、
あのすごい先生が乗ってるというだけで、
一層「近寄りがたいもの」になっていたのは事実です。

更にガソリン自動車を発明した人の会社、
とか「最善か無か」という素晴らしいスローガンなども相まって
私にとってMBはとても遠い世界の自動車だったのです。
そんなMBがここ20年でどんどん我々の手が
届きそうなところまで降りてきた印象があります。

Cクラス、Aクラス、そしてBクラス。
MB伝統の高級車の世界を守りつつコンパクトにしたCクラス。
Sクラスよりでっかいエンブレムを身につけて
コンパクトカー界に殴り込みをかけて返り討ち(失礼)にあったAクラス。
社用車にAクラスがあるので何回か出張で使用しましたが、
エンジンがパワフルな事以外はちょっとガッカリするような出来栄えでした。
このAクラスに加え、伝統の後輪駆動セダンにこだわらないが、
MB流の世界観を味わいたい層向けの
マルチパーパスなBクラスというバリエーション戦略を取っています。

まだまだ世界的には自動車産業は発展するチャンスがあります。
MBも従来のCクラスまでの伝統的な後輪駆動セダンだけではカバーしきれない
新しい富裕層を取り込むためには、
いわゆる独身貴族や子供の居ない共働きカップルを取り込むようなモデルが必須。
Aクラスをスタイリッシュかつ豪華に仕立て上げました。
そうなると5ドアのユーティリティが欲しい層が取り残される。
Bクラスはそこを埋めるために、従来よりも背を低くスタイリッシュにしつつ、
ゴルフのような伝統的ハッチバック車より高級でMPV的な要素を訴求しています。

フロントマスクも最近のCクラス的なものでBクラスに魅力を感じる層をひきつけます。
顔つきがあまりにもファニーだとMBの威厳が損なわれる。
ある程度の高級車になるとその顔つきは本当に大切です。

Bクラスのスタート価格は299万円。
実に戦略的な価格です。

カローラフィールダーの一番高いSエアロツアラーが212万円。
エスティマのエアロつきのアエラスが297万円。
或いはLEXUS CT200hの最廉価グレードが355万円。

一般的に自分の年収と同じ程度の金額の車は
購入・維持ができると言われています。
ただ、イマドキそんな無理をする人はいませんから、
せいぜい年収の半額~2/3で留める方が多いそうです。

また、国税庁 平成22年 民間給与実態統計調査結果によると、
(ttp://nensyu-labo.com/heikin_nenrei.htm)
男性の場合は50~54歳がもっとも年収が高く、649万円。
私のような30~34歳の場合は432万円となります。
あくまで平均ですから、この値にケチをつけるのは別の機会にします。

彼らが無理なく購入しうる車両価格は50台前半が324万円~432万円、
30代前半の男性の場合は216万円~288万円と試算されます。
確かに、自分の周囲を見渡してみれば
この範囲のゾーンで車を買っている人が多いです。

この試算でいけば会社で定年が近づいてきて
そこそこ頑張ってきた男性は、十分高級車というものに
手が届きそうに思われます。(実際買うかどうかは別として)

Bクラスは299万円スタートではありますから
30台前半の人でもちょっと平均より良かったり、
平均的な人も頑張れば十分に購入しうる価格に設定されています。

大昔のMBといえばコンパクトクラスですら現在で言う
Eクラスしかなくて本当の富裕層しか購入できなかったわけですから、
事実として敷居が下がったといって良いでしょう。

大昔からのお金持ちを満足させるには、しっかりお金をかければ良いです。
ただ、いまマーケットが賑やかになりつつあるプレミアムコンパクトの領域は
価格競争力や収益性を確保しながらも商品性で見劣りするものは絶対に許されません。
MBだから、BMWだからと割高な価格で車を買ったのに
少しでも安っぽい印象を与えるとガッカリさせてしまいますし、
購入金額が高ければ高いほどそのガッカリは明確な不満に変わります。
見えないところでしっかりコストダウンをしつつ、見せるべきところは「これでもか」というほど
高級車の世界を見せてやらねばならないのですから、
こういった車種の開発はきっと難しいでしょうね。

前置きが死ぬほど長くなりましたが、私もこの間30歳になった事だし、
勉強がてらMBでも見に行ってみようという事になったのでした。

夕方の某シュテルン(英語でスターを意味するMB正規ディーラー)。
DS3を駐車スペースに止めると営業さんが出てきてくれました。

Bクラスに興味があると告げると、ショールームへ案内されました。
営業さんはちっとも気取った部分も無くてフレンドリー。
LEXUSの総大理石の店舗が放つ独特の威圧感はありませんでした。
MBの場合、そういう威圧感は商品そのものが出しているのでしょうか。
置いてある車は、なかなか重厚感があるというか、
さすがベンツと言わしめるショールームアピールです。

店内にあったのはB180ブルーエフィシェンシー スポーツ ナイトパッケージ。
長ったらしいですが、B180のスポーツ版のアップグレードオプション付きという意味です。

運転席に座ると、真ん丸いレジスター(空調送風口)が特徴的です。
IPのアッパーはテロテロの黒木目トリムがあんまり良い趣味ではない事以外は
ディーラーに訪れる人をガッカリさせないMBらしい内装です。
装備水準はナビがついていないこと以外は高く、不満に感じることは無いでしょう。
センターのディスプレイが少し調和を乱していますが、エアコンのダイヤルのタッチなど
頻繁に手で触れる部分に関しては隣りにあったEクラスやCクラスに劣るものではありません。
駆動方式もボデー形状も違いますが、MBの世界観は壊されていないということは、
初めてMBの世界に足を踏み入れる人にはとても大切な事ではないでしょうか?

後席はBクラスらしいミニバンを意識した装備が目を引きます。
シートバックテーブルやリアシートの分割可倒機構、シートスライドなど
ファミリーユースには嬉しい装備がついている部分がライバルに無い魅力です。
MBらしいエレガントな高級車的なデザインにしっかり座れる後席というのは
2+2になる新型Aクラスとしっかり住み分けができていて好印象です。

さて、Bクラスには299万円の標準仕様(並盛)とスポーツ仕様(大盛)があります。
外観も並盛は標準的な6分割風グリルですが、
大盛は革巻きステアリングや大径アルミホイール、
ロゴ付キャリパーに加えステアリングがダイレクト仕様になるなど
若々しい仕様に変更されます。ただし、並盛の299万円に対して大盛は348万円です。
大盛に対して更に内外装をアップグレードさせたいスタイリッシュは特盛と呼ぶべく
ナイトパッケージが選択できてパワーシート、プライバシーガラス、
専用の内外装に加え18インチのブラック塗装アルミホールが装着されて
グッとカッコよくなりますが、気になる価格は363万円。

カタログを見ていても
並盛はスポーティな外観が好みの若年層には物足りなく感じますし、
本革ステアリングが装着されなかったり、
後席のスライドやリクライニングができないなど、
必要最低限の装備しかついていません。
商売上手のMBは並盛にコールスローと味噌汁付セットのような
バリューパッケージというセットオプションを設定しています。
これはキセノンヘッドライトやLEDのDRL、本革ステアリング、
Rr席のグレードアップや収納の追加など
高級車のお約束装備やBクラスらしい実用装備が装着されます。
エレガントな標準モデルでOKという人なら
プラス25万円で装着できるので、並盛のAセットなら324万円となります。

299万円という価格に惹かれてディーラーへ足を運んでも実際のお客さんは
並盛だけを注文する事はないそうで、
並盛Aセットや一気に飛んで特盛を注文する人が多いそうです。

もともとのダウンサイジング層も相当数居ると思いますが、
年収の半分程度で買おうと思ってディーラーに行ったものの、
色々欲しくなってしまって年収の2/3まで頑張ってしまった・・・・
という人が結構多いということでしょうね。

試乗車があるというので運転させてもらうことにしました。
グレードは並盛Aセット。
正式名称はB180 ブルーエフィシェンシー バリューパッケージ装着車(長い)。

運転席に座るって車を出発させます。
どっしりした乗り味を想像したのですが比較的普通です。
ボディサイズも3ナンバーとはいえ全長が4365ミリなので扱いやすいです。
ヒップポイントも適度で何よりもサンドイッチフロアじゃないので
座った時の姿勢がAクラスよりもグッと自然になりました。

全高はタワーパーキングに入る1540ミリ。この全高を実現するために
欧州ではローダウンサスと呼ばれるサスを標準装着していて
試乗レポートなどを見ると堅いと言われていますが、
普段自分が乗っている車と比べれば十分しなやかでファミリーユースも可能です。

エンジンは180と名乗っているものの1600ccのダウンサイジングターボ。
かと言ってライバルとは異なりショートストロークで圧縮比もそれほど高くありません。
最高出力は122psで最大トルクは20.4kgmと特筆すべきものはありません。
変速機は7速DCTを採用してパワートレーンは欧州のトレンドそのものです。
パドルシフトがついているのですが、シフトダウンの操作に対して
車側で対処されてしまい操作を受け付けない場面もありました。
一般走行時はそれほどパンチがありません。
普通に踏んだら普通に走るという感じです。
全開にしても自分のDS3のような「パチンコ玉の様に弾ける」類ではなく、
高級車らしいあくまでもマイルドなもの。

頑張ればそれなりにいけるんでしょうけど、
ちょっとアレっと思う感じは否めませんでした。
営業マン曰く「出足が悪いってお客さんには不評なんです」とのことでしたが、
スロットル特性は確かに踏み始めが穏やかに躾けてある模様。
グッと踏んだらトルクは出るので力不足ではないのだと思います。

動力性能を中心とした乗り味としてはあくまで必要十分な程度。
追い越し車線をふさぐ邪魔な先行車をハイビームで蹴散らしてかっ飛んでいく・・・
そんな旧時代の荒くれたMBの走りというのはこのBクラスには似合いませんし、不可能です。
あくまでもBクラスはコンパクトな車体を活かして市街地を主な活動の場とし、
MB流の高級感を割安に体感するファミリーカーとするのが良さそうです。
大丸ピーコックや成城石井でお買い物、休日はプレミアムアウトレットでお買い物・・・
そういう生活を送るにはうってつけなんじゃないでしょうか。

その意味ではわざわざスポーティに味付けた大盛や特盛は不要な気がしてきます。

実用性だけで車選びをすれば、FITあたりになってしまうでしょう。
そこにプラスαを求める人の為のプレミアムコンパクトです。
でも、よく考えもせずに大盛だの特盛だのを選んでしまうと、
伝統の本流セダンであるCクラスに手が届きそうな価格になることも事実。

割安にMBの世界を味わえるBクラスの並盛を選び、
割り切るのが最もスマートな買い物になる気がします。

子育て中だったり、キセノンやDRL(今や高級車のアイコン的装備)
がどうしても欲しければ並盛Aセット。

舌を噛み切りそうな勢いでスポーティな外観が捨てきれないなら
大盛(高すぎるけど)ですね。

仮にある人が少し高いなと思いつつ、Bクラスを購入。
たちまち「あいつ、若いのにベンツ(高級車の代名詞)買ったらしいぞ」という噂になり、
それが自尊心を満たし、自信がつくことで
より意欲的に生活の歯車を回す原動力に繋がるというのなら
なかなか面白い自分への投資ではありませんか。

でも実際は保育園への送り迎えでBクラスのような輸入車で現れると
たちまち他のママさん達から爪弾きに遭うらしいですよ。恐ろしい。

本当はFITでも買っておいて差額を
住宅ローンの早期返済に回すのが最もクレバーですが、
個人的にはそれだけが正解ではないと思っていますので、
今までに無い選択をしようとお考えの方は
是非プレミアムコンパクトにチャレンジしてみて欲しいなと思います。

・・・と支払い総額350万円になる見積もりをもらい、
「次買い換えるときはこういう5ドアも便利で良いなぁ」
などと言いながらシュテルンを後にしました。
独身者には今度出る新Aクラスの方がぴったりだと思いますが。

繰り返しますがMBのディーラーは入りやすいのが意外でした。
新しいAクラスが出たらまた見に行きたいですね。

以上、リアルな私の生活とかけ離れた感想文終わり。
ブログ一覧 | 感想文_メルセデスベンツ | 日記
Posted at 2012/08/18 22:12:05

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この記事へのコメント

2012年8月18日 22:38
個人宅には飛び込み訪問できますが、国内外問わずディーラーに入る勇気がありません(;´д`)
コメントへの返答
2012年8月18日 23:48
こんばんは。
ディーラーは小学生の頃から入り浸っていたので結構入るのは大丈夫なんですよ。

トヨタとシトロエンは中学生の頃から通ってましたし・・・。

ただMBは近所に無かったし、別格でした。

私からしたら個人宅への飛び込み営業の方がビビリます 汗

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