ユーノス500の足回りを考える①　選択篇

3度目の足回り見直しをするユーノス500ですが、それにあたってアフター品のダンパーやサスキットがどれほどあるのか？ を探ってみた…というのが今回のお題です。

マイナー車であることに加えて発売から20年も経過したクルマであれば、ほとんど選択の余地がないように思われがちだけれども、それは日本国内に限ってのオハナシ。

もちろん“ユーノス500”のままで探したところで見つかるワケがなく、欧州名“xedos 6”で検索すると、思った以上に存在していることが分かります。

これにはイギリスのツーリングカー選手権「BTCC」に参戦したスポーツ志向のイメージや、日本国内での販売終了後も長期間、欧州での継続販売が続いていた恩恵!? なのかもしれません。

それからもう一つ。ユーノス500の姉妹車、MX-6／626(クロノス)／フォード・プローブと仕様こそ違えどストラット形状が共通であり、そのまま流用するなんて裏技的なこともできます。そうなるとさらに選択の幅が広がり、そう言った意味では欧州では“メジャー”!? な存在なのかもしれませんね。

それでは次の足候補としてイロイロ探してみた結果が以下の通りになります。



MONROE
ユーノス500のアフター品スポーツダンパーと言ったら、もっともメジャーかつポピュラー的な存在がモンローです。私も長年愛用してきたダンパーですが、次回からは別のものをチョイスすることにします(笑)。

なお、画像は旧名称「ガスマチック」時代のもので、現在の名称は「オリジナル」へ変わっています。仕様はほぼ同じで段階調整がないノーマル形状です。価格が1本1万円前後と安い点も良いところ。

日本国内では最も手に入りやすいスポーツダンバーなんですが、現車の減少と共に発注も減っているためか？ ここ数年くらい前から在庫を持たない状態が続いています。ただ、廃盤ではないので輸入元であるテネコに注文をすれば本国から取り寄せてもらえるハズ？

オリジナルの他にMX-6／626(クロノス)用の「センサトラック」や「リフレックス」を流用する手もあります。



KYB
日本企業であるカヤバ工業は純正ダンパーをOE生産しているサプライヤーとしても知られていますが、独自のスポーツブランド「Excel-G(欧州)／GR-2(北米)」を展開しており、MX-6用の設定があります。

日本国内ではメルセデスなどの輸入車用プレミアムブランドとして販売しているのですが、残念ながらMX-6用は欧州ないし北米市場のみ流通しているだけのようです。もしかしたら取り寄せ可能かも？

スペックはノーマル形状のダンパーで、低圧ガスツインチューブタイプを採用。減衰力設定はノーマル比で伸び側が20〜30％アップ、縮み10〜20％アップを図ったスポーツ仕様となっています。価格はフロント(1本)が£86.68(約1万1000円)、リア(1本)が£82.68(約1万500円)前後で販売されています。





TOKICO
日本企業のトキコは主にアメリカ市場向けとしてMX-6／626／プローブ用として2タイプのダンパーが設定されています。共にノーマル形状で「Illumina (左)」は5段階の減衰力調整ができ、「HP(右)」は非調整ながら強化タイプのダンパーとなっています。また、ローダウンスプリングを組み合わせたキットも設定しています。

価格はIlluminaが699.23$(前後kit価格 約5万6000円)、
HPが488.99$(前後kit価格 約3万9200円)。





GTS
ドイツでサスペンションキットとして販売しています。日本国内に代理店がないので個人輸入しかダメかも？　ダンパーはカヤバ製のノーマル形状をベースにしたGTSオリジナルチューンのようで、2種類のローダウンスプリングの組み合わせがあるようです。

価格は35／30ｍｍダウン仕様が499€(約5万3500円)、50／35mmダウン仕様が539€(5万7673円)。





SACHS
マツダ車にも純正採用されているザックスにもアフターマーケット用のオリジナルブランド展開をしています。純正スペックと同仕様のOEMモデル「スーパーツーリング」と、それをベースに減衰特性を20%アップさせた「アドバンテージ」(MX-6／626用)の2種類があります。日本国内では正規輸入・販売はしていないモデルですが、本国からの取り寄せは可能なハズ？

価格はスーパーツーリング79.63€(1本 約8500円)、リア82.30€(1本 約8800円)、
アドバンテージが前後ともに87.98€(1本 約9500円)。





KONI
MX-6／626用としてコニ・スポーツダンパーの設定があります。日本未発売モデルですが、オランダ本国からの取り寄せは可能かも？　コニ独特の無段階で減衰力調整が可能で、ロッド上部に専用ダイアルを差し込んで行います。ただし、カートリッジ交換タイプのため、ノーマルダンパーを大幅に加工する必要があります。

価格はフロント(1本)が99.96€(約1万700円)、リア(1本)が110.43€(1万2000円)





BILSTEIN
ビルシュタインはノーマル形状の「B6 SPORT」と「B4」の2種類がラインアップされています。日本未入荷モデルですが、正規輸入元の阿部商会を通してドイツ本国から取り寄せは可能。「B6 SPORT」はローダウンの強化スプリングに対応させたスポーツダンパーという位置付けで、最大の特徴は倒立式になります。ただ、ノーマル形状とは言っていますが、純正ダンパーのシェルケースを加工してダンパーを差し替えるカートリッジ交換タイプのため、通常のストラット交換に加えて少々手間がかかります。一方「B4」はストラットASSY交換タイプとなるものの、ノーマルダンパー同等のスペックで作られた補修部品という位置づけになります。

価格はB6がフロント(1set)339€(約3万6000円)、リア(1set)289€(約3万1000円)。B4はフロントが149.99€(約1万6000円)、リア139.99€(約1万5000円)前後となっています。





K-SPORT
ユーノス500用というよりは、姉妹車のMX-6／フォードプローブ用に作られたハードユース向け。減衰力調整タイプの車高調です。最近までヤフオクなどにも出品されていたので比較的手に入れやすいかも。ただ、車高調にありがちなピロアッパーマウントを採用していることもあり、路面からの入力がダイレクトな反面、ボディへの負担がが大きくストリートユースには不向きかも。ドイツでの価格は1229€(約13万2000円)





K.A.W
ドイツ製のサスペンションキットで入手方法は個人輸入しか手だてはありません。Cリングタイプの車高調「Performance Kit」(左)とノーマル形状の「Plus Kit」(右)の2種類があるようです。ドイツ現地価格はそれぞれ678€(約7万3000円)、463€(約5万円)。


※現地価格は2012年3月現在の為替レート1€＝107円、1£＝127.85円、1$＝80円換算。
すべて税抜き価格。価格はあくまでも現地価格の目安であって定価ではありません。



ユーノス500用の足回りはモンローくらいしかない…
なんて嘆きを聞いたりしますが!?　探せば多すぎるくらい選択肢があります。
時間の関係で今回はこれだけしか見つけられなかったものの、
ここに挙げたもの以外にも存在しているものも多数あるはずです。
なお、ワンオフなどの車高調キットは除外しているのであしからず。

さて、散々ここまで書いておいて結局何にしたのか？
ずっと気になっていたビルシュタインB6 SPORTに決めました。

これまでユーノス500乗りの仲間内などでも組み付けた事がない!?
という点でも個人的にとても興味が惹かれたポイントでもあります。

さて、ではどうやって購入するのか？　については次回のブログにて。