石山本願寺推定地・大阪城二の丸

明応5年（1496)に、本願寺8世蓮如（1415-1499)が生玉庄の大坂に大坂坊舎を建立しました。これは現在のところ「大坂」の地名が史料上に現れる初例といわれています。
「天文日記」によると大坂坊舎は生玉八坊のひとつ法安寺の東側に建立されたといわれ、当時は小堂であったと考えられています。
その後細川氏をはじめとする諸勢力との権力闘争の中で大坂の重要性が増すとともに、天文元年(1532)に六角氏らにより山科本願寺が焼討ちにされるにおよび、本願寺教団の本拠である石山本願寺に発展しました。
石山本願寺周辺には、山科と同様に広大な寺内町が造営されました。この造営が現在の大阪の町並みの原型となったと考えられます。
その後11世顕如(1543-1592）の時代に、織田信長との石山合戦に敗れ、石山本願寺を退去した本願寺教団は天満などを経て京都堀川に本拠を移転しました。
一方、石山本願寺跡には豊臣秀吉によって大坂城が建設され、この時、大規模な土木工事により地形的にかなりの改造が加えられたと考えられています。さらに大坂夏の陣ののち徳川大坂城が建設されるに際して、再び大規模な土木工事が行われました。
このような状況のため、石山本願寺跡の正確な位置や伽藍等については今だ確認されていませんが、現在の大阪城公園にあたることは確実と考えられています。

住所: 大阪市中央区大阪城