ホンダ ヴェゼルハイブリッド

ユーザー評価: 4.39

ホンダ

ヴェゼルハイブリッド

ヴェゼルハイブリッドの買取情報を調べる

2021年式ヴェゼルe:HEV Z感想文 - ヴェゼルハイブリッド

その他

2021年式ヴェゼルe:HEV Z感想文

おすすめ度: 3

満足している点
1.初代の美点だった後席ユーティリティの継承
2.システム的にシンプルなHEVシステムの採用
3.ひらひらとコーナーを抜けていく操縦性
4.LKAS(車線維持支援)誤検知の少なさ
5.Aピラー補強材が助手席側にも設定された
不満な点
1.Bピラー以降の間延び感とRrの尻切れトンボ感
2.先代より退化したインテリアのセンス
3.意外と遮音性に乏しく車外の音が騒がしい
4.市街地走行でE/Gが始動した際の空回り感
5.ガソリン車の扱いが不当に低い
総評
2021年4月、ヴェゼルがFMCを受けて二世代目となった。BセグSUVの真打ちとして2013年にデビューした初代は瞬く間に大ヒットを記録した。2020年11月には全世界で384万台もの販売台数に達しグローバルな支持を受けている。これはクーペのようなスタイリッシュさ、ミニバンのような快適性をSUVという枠組みで表現した結果である。

初代がデビューしたとき試乗したが、スタイリッシュなSUVでありながら実用性が高く、Bセグらしからぬユーティリティは独身シングルからファミリー層、エンプティネスター(子が巣立ったシニア世代)などあらゆるニーズにマッチングする商品性に感銘を受けた。

その後、マツダがCX-3を、トヨタはCセグのC-HRなど対抗商品を次々にラインナップした。特にトヨタはダメ押しで廉価なライズとヤリスクロスを発売するだけに留まらず、先日カローラクロスを発売するに至った。日産もタイからの輸入車というカタチでキックスを投入している。ヴェゼルは車両本体価格アンダー300万円クラスのSUVとして地道な改良を重ねていった結果、デビューから時間がたっても商品力を維持しながらBセグSUVのトップクラスに君臨し続けた。

初代が発売された2013年とは異なりBセグSUVはもはやポピュラーなジャンルでヴェゼルといえども油断していたらすぐに競合車に埋没してしまうと言うプレッシャーがあったのでは無いだろうか。

新型ヴェゼルは“AMP UP YOUR LIFE”をコンセプトに開発された。「AMP UP」とは増幅するという意味であり、

◎信頼(Confidence):自信を持って運転できること/周囲からも認められること
◎美しさ(In-Style):人を惹きつける強い主張・存在感/スタイルアップしてくれる美しさ
◎気軽な愉しさ(Enjoyable):五感に訴えかける“快”体験/楽しく活力に満ちた毎日

の3つをテーマに新型ヴェゼルを完成させた。



新型ヴェゼルはエクステリアデザインが大きく変わった。もはやヴェゼルのようなシルエットの車が増えすぎてヴェゼルがヴェゼルのままでは居られなくなった。新型はSUVが持つたくましさよりもクーペ的なスペシャルティ感を追求したように感じる。後席ユーティリティとクーペスタイルの両立は先代で実現していたが、更にスリークな見た目が加わっている。かなりサイズアップしたのではないかと思わせつつ、実際の寸法を比較するとそれほど変わっていないのは、スタイリストのテクニックの賜である。



インテリアも大きく変えてきた感があるが、残念ながら先代(インパネとセンターコンソールが見所)の方がキャラが立っていたと判断する。しかし機能面ではセンタークラスターの静電スイッチが物理スイッチに変更されたり、そよ風アウトレットを採用して空調の心地よさを追求するなど機能面での充実は認められる。

エンジンラインナップはシンプルで4気筒1.5Lエンジンと4気筒1.5Lエンジンでモーターを駆動するe:HEVの2種類だが、ガソリンエンジンは直噴からポート噴射に技術的に後退し、最廉価グレードのみの設定という事からもグレード構成的に明らかにメインはe:HEVであることを暗示する。



見えないところも進化している。先代の感想文では衝突試験時に運転席側めがけてバリアに衝突させることから運転席側だけにホットプレス製のAピラー補強が入っていた件を指摘した。新型のプレスリリースによればちゃんと助手席側にも補強材が追加されていて進歩を感じた。
(その気になれば助手席側だけ板厚を減らすとかズルはいくらでも出来るが・・・)



試乗車はe:HEVだが、先代のi-DCDと比べるとスムースさは飛躍的に向上しており電動車特有のレスポンスの良い走りが味わえる。色んなシチュエーションで走らせてみると先代同様に相当レベルが高いと感じた。特にワインディングではSUVらしからぬ加速感とコーナリングの安定度に驚いた。ただ、一般走行時の静粛性としては車外からの音の侵入が大きい。せっかくヴェゼル自身が出す音は小さめなのに勿体ないという残念な部分も垣間見られた。

今回、車に興味の無い知人がe:HEV Zを購入し、よしみで新型に試乗させていただいたが、初代ほどのインパクトが見られないというのが率直な感想である。確かにBセグとして競合よりも一クラス大きく見せる点はマーケティング上有効であろう。しかし、チョップドルーフにしたことでRrドアの開口に制約が出てしまったと思われ、その影響でQTRピラーの位置が後ろにずれてRrビューに尻切れトンボ感が出てしまっている。全長を決定づけるRrバンパーとバックドア開口部がほとんどツライチでのっぺりしているからだ。真後ろから見るとボディカラーとピアノブラックのツートーン構成でおかしく見えないが、真横から見るとRr端末が寂しい。元々背伸びしたBセグだからこそ全長を伸ばしたくない気持ちは痛いほど分かるが、頭隠して尻隠さずではないが、もう少しRrビューに配慮があれば良かった。まぁ、雑誌情報ではもう少しスクエアなスタイルをまとった生真面目なSUVも控えているようなのでヴェゼルで跳んだデザインになったのはホンダとしての全体最適なのだろう。

またグレード構成も先代のワイドバリエーションを効率化したかった意図は分かるがガソリンエンジンを最廉価グレード1つに絞った他、e:HEVも少々物足りなく、PLAYとZの装備差を補完するようなOPT設定があっても良い。(XとZの差別化が激しく最も高価なPLAYでもZより仕様が劣る装備もある)

本来、ホンダには大量に存在するN_BOX保有層が普通車に買い換えたいと思わせる撒き餌が必要になるはずだ。この感想文を書いている作業中、自宅から100m離れたゴミ回収場所まで歩いた。ふと数えてみたら6台もN_BOXが駐車場に収まっているではないか。(大抵はミニバン・SUVの隣にスーパーハイト軽が並ぶ構図だ)

それほどまでにN_BOXは世間一般に浸透している実態がある。これらN_BOXの買い替え需要をNブランド内で囲い続けることも結構だが、彼らがサイズアップしたいタイミングで目に留まる適切な価格帯の車がホンダには必要だ。その意味でフィット・フリードに加えヴェゼルはとっても重要な車種のはずだ。いくら2040年にホンダはガソリンエンジン全廃宣言を出してたとしても、コスト低減が行われないまま価格の高いHEV車をメインに据えたことはユーザー目線で選択の自由が損なわれていると感じる。先代はガソリンエンジン車も一定数見かけた(35%の比率)が新型は7%に留まっているのはe:HEVをメインに据えた狙い通りかも知れない。しかし、私に言わせれば決して無視できない30%弱の満足を犠牲にして高収益グレードに絞ってしまっただけだ。(この沼にはまっているのは日産ノートも同じなのだが)



新型はもう少し安い価格帯に選択肢があると良いし、Gでもう少し見た目をZやPLAYに近づけるような配慮があってしかるべきだ。今はデビュー直後であり、世界的半導体不足の影響もあるため供給数が限られている中では収益重視のラインナップも止むなしなのかも知れないが、問題解消後はしっかりと価格競争力のある仕様を追加するべきである。

知人の買った新車に言いたいことを言ってしまったが、買って後悔するほどの出来映えでは無く、真面目さも垣間見られるのだが先代の明快な狙いを考えると手放しで肯定できなかったというのが正直なところだ。普段の試乗で走れない高速道路やワインディングを走らせてもらえて知人に感謝。(1時間で走りきれるように綿密にコースを組み立てた)
デザイン
2
●外装


新型ヴェゼルはSUVが持つ逞しさよりもクーペ的なスペシャルティ感を追求した。後席居住性とクーペスタイルの両立は先代と同じだが、全長は殆ど同じなのにプロポーションが大きく違う。

新型はBセグ大衆車と同じP/Fから作られたなんて信じられないほど立派に見えるのはテクニックが光っている。最低地上高を上げ、ベルトラインもルーフラインも水平基調だ。この処理により長さを感じさせる。



フロントフェイスは近頃珍しいボディ同色グリルと薄型LEDヘッドライトが特徴的だ。先代よりオーバーハングを短縮した結果、ラウンド感が減り、平面的な顔つきになった。ドラゴンボールに出てくる「セル」の顔を思い出してしまうのは私だけだろうか。まぁ、競合車も鯉のぼりや佐清に似てるのでお互い様なのだが。ヴェゼルの同色グリルを初めて見たときは、なんてひどいグリルだ!と憤慨したが実車に見慣れてくると、すっきりしてて良いという感想に変わった。(でもやっぱりセルに似ている)



サイドビューは先に述べた通り、作り手が最も変えたかったと思われる部分で、スリークなイメージは往年のH-RVを思い出した。個人的にはCTRピラーとRrピラー間の間延び感が気になる。ヴェゼル伝統のRrドアハンドルによってクーペ感が演出されると思いきや、何も無いからかえって平面感が出てしまった。ベルトラインを水平に引いてルーフラインを下げてまっすぐであることも起因するが、先代と比較すればルーフのBピラー位置やRrドア自体の長さが変わっていないのに新型の間延び感(ホンダはこれをスリークだと言いたいのだろが)がよく分かると思う。このプロポーションなら実はフロントドアと同じようなハンドルをつけた方が視覚的に落ち着く(下の画像でいじってみた)が、ヒドゥン式をトレードマークにしたヴェゼルでそれは出来なかったのだろう。



そしてRrドアの乗降時に乗員の頭がドア開口部に接触しない寸法関係が守れる限界位置に傾斜したRrピラーの線を引いた。つまり、乗降性を犠牲にしない限界までルーフを下げてピラーを寝かせるという真面目な理由が間延び感の理由では無いか。



傾斜したRrピラーの角度が30°であることに驚いた。これは空力の世界で「臨界角」と呼ばれている角度でサイド空の気流を巻き込んで大きな渦が発生して空気抵抗が増大する。一般的にバックドア傾斜角は30°は避けることが常識だがヴェゼルは敢えて30°を選択。



Rrピラーを寝かさないと競合に埋没してしまう、そんな焦りさえも感じられた。空力的にはRrスポイラーにサイド面も追加してサイドからの気流の巻込みを防いでいる。先代の場合、ルーフラインはSUV的だが、ドア開口ラインをカーブさせる錯視効果によりクーペ感覚が与えられていた。そんな小手先のテクニックではなく愚直にピラーを寝かせた新型ヴェゼルの方が本格的なのかも知れない。

Rrビューは先代よりも薄くてワイドだがバンプレスト型Rrコンビランプや赤い一文字が旧ハリアーに似てしまった。確かにFrマスクのクールな印象と調和が取れているが、実車を見て納得できたFrと違い、Rrはなんとも平板で抑揚が無い。



Rrピラーの絞り込みに寸法を取り過ぎた感もある。後端を張り出させるとバランスが取れるのだが、全長拡大を開発者は許さなかったのだろう。

新型ヴェゼルの外装は、実用性を犠牲にしないスペシャルティSUVとしてシルエットを大きく変えた点は立派だと思う。「カッコ良くなるならちょっとくらい良いじゃん」等と主張する連中に耳を貸さず先代同様の全長や後席乗降性を守った点がヴェゼルの真面目さである。しかしながら「CX-ハリアー」というちょっと説得力のある前評判もあり、せっかくの努力が細部のデザインによってスポイルされた点は残念だ。この真面目さに気づく人が多いことを願っている。

●内装
新型ヴェゼルの内装は「スッキリ」している。



新型では空調ダクトがドアトリムに食い込んでワイドな印象を与えている。7インチTFT液晶をセンターに独立配置したが、I/Pを低く水平にしたことで運転席ドア、インパネ、助手席側ドアという視界の流れが連続的になって運転しやすさに貢献している。更にワイパーがカウルに隠されているのでウインドシールドガラス越しの視界は素晴らしい。

実はスライド式サンバイザーや、ドアミラー位置を工夫してAピラー(既に細い)とドアミラーの間に有効な視界を設けて右折時の視認性を向上させるなど細かい部分に配慮が行き届いている。

更にドアトリムに着いているインサイドハンドルも、触ると本物の金属のように冷たい。コスト的に金属製にはできず、樹脂に金属膜を乗せたメッキだが、面積が大きいので本物感が増している。毎日手で触れる部分ならではのアピールポイントであると思う。(意匠がXC40に似せたのが残念)



お金第一主義になるとシルバー塗装で誤魔化されてしまうケースもあるが、敢えて大きくすることで手の温度を奪いやすくしてあるのも心憎い。

新型のウリは「そよ風アウトレット」だ。これは車両外側の吹出し口を従来からのスポット風だけで無くΓ型の吹き出し口によってエアカーテン状の気流を発生させて窓からのジリジリ感の緩和や後席の快適性に効果があるという。工夫を重ねたヴェゼルの内装は地道な機能面の追求が図られた。



シートは最上級のPLAYの内装色はライトグレー/ブラックのツートンとなるが、他は黒一色の設定だ。このつまらないカラー設定は少々首をかしげたくなる。



メーターは日産流儀の自発光式アナログスピードメーターとカラー液晶を組み合わせた。個人的にはパワーメーターとエネルギーフロー表示を共存させたかったので、今ひとつという感触だ。

内外装通じて初代が偉大すぎたと言うべきか、新型はヴェゼルの二代目に対する真摯な取り組みが感じられる一方で細部のデザインが競合車に似てしまったり気になる部分もある。独自の世界観を持っていた初代のテイストが活かされず残念。
走行性能
4
●市街地
一番最初の乗り降りの際、ロッカーの幅が狭く短足の自分にも大変助かった。ドアの下端がボディの下端をシールしており、汚れがつきにくく配慮されている。



古くはオデッセイが同じ構造をアピールしていたが、最近増えたSUVでは意外とこの構造は採用されていないのでアピールできる。また狭い駐車場だったが、ドアを開ける際にベルトライン上が大きく開くようなヒンジ配置になっていた。



E/Gを起動させたがe:HEVなのでアイドリングはしない。スーッと発進できること自体は一般的なHEVなら当たり前になりつつある。45km/hを超えたあたりでE/Gが始動する。e:HEVは中高速低負荷時以外は必ずモーター駆動となるのでE/Gは走行状態と関係なく動作する。しかし直列4気筒1.5Lエンジンは例えばe-POWERのようなこもり音は発生しないものの、ブーンと言うエンジン音は聞こえてくる。あまりいい印象はないがHEVの先駆者たるTHS-IIも似たようなものだ。THSの場合は加速時にエンジンに起因すると思われるステアリング振動も同時に発生している。対するヴェゼルはエンジン音以外は不快な振動が伝わることも無くすっきり感がある。他社との相対比較では優位なのでノンプレミアムブランドのヴェゼルならこれで良いのだろう。




静粛性は駆動用バッテリーに余裕があり、EVとして走るなら、走り出しは静かだが意外と周囲の音が耳に入ってきて騒がしい。前後ドア間のチリを塞ぐシールなどの工夫もあるが、ドアガラスが大衆車的に薄かったり、ウェザーストリップが一周回っておらずドア上だけしか設定が無いなど、どうしてもお金がかかるところの対策がやりきれていない印象だ。

新型ヴェゼルは静粛性に拘ったらしく広報資料でも室内音レベルのデータが記載されていた。こもり音に対してしっかり対策されている一方で、吸音(高くなる)、遮音(重くなる)が必要な高周波領域は先代並みの性能に留まっているのはまさにノンプレミアムゆえの苦しさだ。



見た目が立派なので勘違いしそうになるが、あくまでもヴェゼルが属するBセグSUVとしてなら良いレベルに居ることは事実だ。

市街地を走らせて感じるのはHEVらしく、アクセル操作に関する俊敏な加速度の立ち上がりを見せる。市街地走行では頻繁にEV走行が可能だが、外の音が気になる。(後席に座るとラゲージからの音が大きいと気づく)しっかり遮蔽感があると「すごい!」と言いたくなるが、BセグSUVにそのレベルを求めてはいけないのだろう。

上記以外で市街地走行で不都合なシーンは無い。ただ、空力に配慮しすぎたドアミラーの前後長が長すぎて右折時に見易かったはずのドアフレーム根元が左では非常に見にくいというのが少々残念であった。首をひねる角度が明らかに大きい。

試乗車は周辺カメラをつけず用品ナビとバックカメラの組み合わせだが、SUV特有の視点の高さゆえ現代の車としては運転は楽な方だ。ブレーキタッチも好感が持てた。いわゆるワンペダルドライブ的な味付けはされておらず、回生強調ブレーキのマナーも他社より秀でている。

市街地の乗り心地は18インチで固めのミシュランを履いている割に許容レベルだが、後席は突き上げが酷く家族からクレームが来たとオーナーは話していた。

●高速道路
高速道路を走らせた。ランプウェイからの加速で車速を上げていく。エンジン音の存在感が上がるが、エンジン回転を段付きにして疑似変速させたのは違和感緩和に効果を発揮している。市街地走行でもコレやれば良かったのに・・・。

高速道路で是非試したかったのがホンダセンシングだ。衝突軽減ブレーキや歩行者事故回避機能の他、全車速追従のレーダークルコンに車線維持機能がついており自動運転レベルは2である。

高速道路においてホンダセンシング作動時は運転の責任はドライバーにあるものの、先行車との車間距離を保ちつつ車速維持してペダル操作の負担を相当軽減する。そして前方の白線を検知してステアリング操作の補助をするので自動運転の感覚は十分味わえる。レベル2故に手放し運転は不可能で、もし手放し運転をしていることが検知されると警告される。

この手の機能はプリウスPHVに試乗したときに体験したが、とにかくステアリングを握れ握れと警告がうるさい。橋など直線の高速道路を走行中、遠くを見て正しく運転しているとステアリング操作量が小さくなる。こういうシーンでトルクセンサがステアリングを握っていないと誤検知してしまい何度も警告が出るという状態に陥ったことがあるが、ヴェゼルでは判定の精度が高いのか誤検知による警告は皆無であった。それだけでホンダセンシングの方が数倍優れたシステムのように感じてしまう。(トヨタだと定期的にステアリングを操舵してトルクをかけてやらないと警告が止まらない)

高速道路は少なくとも平坦路では十分に速さが有り、超高速域までしっかり加速できる能力がある。(ただしエンジン回転は高回転域に張り付いてしまうが)



エンジン直結モードを持たないe-POWERより実際どれくらい有利なのかは別として心情的には高速道でも効率に配慮している点は好ましく思えた。

ミラーからのバサバサ音は気にならないレベルだし三角窓が無いので縦柱の段差から来る風切り音も聞こえにくい。またウインドシールドガラスとルーフとの段差も面一化されて風切音に関して細やかな配慮が認められた。その割にBピラー以降から聞こえてくる音が賑やかなことは残念だ。



ちなみにステアリング横にパドルシフトのようなスイッチがあるがこれは「減速セレクター」と
呼ばれる装備でアクセルオフ時の現速度を数段階に調整できる。(すぐに初期設定に戻る欠点アリ)

例えばバッテリーをほぼ使い切った状態でアクセルオフしてICを降りた際の下り坂で満タン近くまで十分回生が出来るので本来は積極的に使いたいスイッチであるが、メーター内の表示も少々わかりにくく、一般的なユーザーにこの機能が浸透するかは若干懐疑的だ。

●ワインディング
近場の広域農道を走らせた。ノーマルモードでも十分楽しめる。加速時に電気を使って俊敏に加速し、減速時は回生を使ってベタ踏みの罪悪感を緩和する。コーナリングも適度な手応えがありながらグイグイ曲がっていくのは初代から変わらない魅力だ。もちろん、背が低いモデルと比べればロールも感じるが、SUVとしては涼しい顔をしてコーナーをクリアしていく様は清々しくもある。

しかし、コーナリング中、砂が乗った路面を通過するとチッピングノイズがかなり大きいことに気づいた。一般的な車よりも何故か気になるレベルだった。後から下回りをのぞき込むとFrタイヤの後ろのフロア面に排気系部品が通っておりここに砂が直撃したのではないかと推測される。



新型ヴェゼルの18インチはOEタイヤがミシュランなのだが、ミシュランの良さもこの走りに寄与していそうである。

ヴェゼルの走行性能は全体としてBセグSUVの範疇に収まるものの、致命的にここがイヤ!と拒絶したくなるような欠点が無いという点がハイレベルである。他社のハイブリッドで指摘した「こもり音」「ブルブル振動」「かっくんブレーキ」などつまらないネガが見られないというのはBセグという立ち位置を考えれば十分力作であろう。
乗り心地
無評価
走行性能の項に集約
積載性
4
居住空間はルーフが下がったこともあり、初代がアピールした「ミニバンのような」という枕詞は外さざるを得ない。しかしスペシャルティでありながら、往年のデートカーと比べてもルーミーさを魅力とするSUVの名には恥じないレベルだ。

特に後席はルーフを下げたのでヒップポイントが下げられて背もたれ角も寝かされているが、足下スペースが広大なのでうまくスリークなデザインと両立している。



まぁ二組のカップルで出かけるとか、RrにCRSを積んだファミリーの旅行であれば十分に満足できるだろうが、リクライニングがあれば・・・というのが個人的感想。

センタータンクレイアウトなので助手席の脚引きが悪い一方、後席は足が組めるほどの膝前スペースは競合車を圧倒する内容である。個人的には後席を先代並みに前に出してRrピラーを更に寝かしたらクーペシルエットが更に引き立ったのではないかと考える。



初代フィットからの良き伝統である座面を持ち上げるアレンジもありRrシートを片側だけ畳んでベビーカーを搭載するという使い方もホンダならではだ。重い荷物を積むときも後席フロアなら重量配分的にも安定感が出る。

ラゲージスペースはプレスリリースによれば「容量を追わない」旨が宣言されている。実車を見るとこれで狭くてたまらん、という人は確かに居なさそうなほどローディングハイトも低く納得できる容量である。気になるのは先代はデッキサイドもカーぺット仕立てであるのに対して新型は射出成形の打ちっぱなしに仕様ダウンしていることだ。

ラゲージスペースの傷付きを減らすことは耐用年数が伸びている乗用車には下取り時の価値維持や経年劣化に対するメリットも多いと思うのだが。最近だと新型ハリアーですら樹脂丸出しでありSUVの見所である荷室なのに残念である。(しかもホイールハウス後ろはカローラツーリングやVWゴルフバリアントのように崖っぷちになっている)



Rrシート座面を倒すと座面もリンク機構で沈み込んでデッキ面と面一化される。かなり低くフラットな空間が手に入るが、競合車を見渡してもその実力は圧倒的だ。例えばホームセンターで買った収納BOXや家電量販店で買ったテレビや電子レンジなども積めそうだ。



ゴルフバッグやスーツケースなど一般的に積みたいモノは積めるようにしてあるのは当然だが、本来はRrシートスライドとリクライニング機構を使って荷室のスペースアップが容易に測れる様にしておけば完璧だったのに、と思う。N_BOXでは既にRrシートリクライニングを実現している。巷のBセグSUVと違ってユーティリティを大切にしているヴェゼルならそれくらいのこだわりを見せて欲しかった。(Rrシートアクションが追加されれば文句なしの★5つだった)

意地悪く言えば初代ヴェゼルの好評点だったデザインに続いてユーティリティもスポイルされた、と感じてしまった。
燃費
3
先代ではDCTを介したi-DCDというハイブリッド方式だったが、新型はシンプルにモーター走行を多用し、高速道路など一部シチュエーションでエンジン直結モードを持つe:HEV(旧名称はi-DDM)に一本化された。i-DCDは品質問題を起こしておりホンダ的には無かったことにして欲しいのだろう。

燃費性能は、今回試乗したe:HEV Z(FF)の場合、WLTCモードで24.8km/Lと先代の21.0km/Lより向上している。(参考までにガソリン車は先代の18.6km/Lに対して17.0km/Lにダウンしている。)



今回は、市街地、ワインディング、高速道路を合計50km弱走行して燃費計で19.9km/Lを達成した。

実走行ベースとされるWLTCモードのカタログ値より悪いが、試乗では全開加速を数回行ったことも影響していると思われる。その後、市街地走行をゆっくり目に行うとぐんぐん燃費計の数値が良くなっていくことが印象的であった。

走りの良さは認められるものの、あと一歩の燃費性能があるとうれしい。
価格
2
新型ヴェゼルの価格は下記の通り。



ほぼ装備が同じGとe:HEV Xの関係よりHV化は38万円高。4WDは22万円高とシンプルな価格設定になっている。

最廉価のGはN_BOXは総額220万円クラスなのでそれに+αで乗れる価格にすることだけを見ているようなグレードだ。しかし本来、Gは本当はあと20万安く設定すべきで+20万円でe:HEV Zや PLAYの要素を持つ上級PKGがあれば軽ユーザーからのアップサイジングも狙えるのだが。

普通車を食うレベルの機能を持ち、税金や保険代も有利なN_BOXとトントンの価格にする戦略は必要なのではないか?

e:HEV同士の比較ではXとZの価格差が24万円。アルミホイール(16吋→18吋)、シーケンシャルターン+オートレベリング機構、専用内外装加飾、4SP→6SP、シートヒーター、ステアリングヒーター、全席オートPW、自動格納ミラー、VGR(可変ギアレシオステアリング)、PBD、BSMなど、いわゆる上級装備がてんこ盛りである。細かい装備のアップグレードが多く、自分ならXの4WDを買うくらいならZを選ぶかな?という考えだ。

カタログ写真などを見ていても明らかにZがメインであることが明確だからだ。

ただ、Xに18吋を履かせるだけでも随分違って見える(それほどまでに16吋のやる気がなさすぎる)ので今後の特別仕様車のベースとしてはXは有望なのだが、あのホイールでウレタンハンドルのXですら265.9万円という本体価格はずいぶんと割高感を感じてしまう。

XとZの価格差は内容を考えるとリーズナブルだが、Zの価格(というかGのスタート価格)に関してはこの内容でなぜこんなに高いのか、という疑問がある。最近のホンダは、値付けが高めで価格競争力を失いつつあるのではないかと心配になる。

ZとPLAYでは価格差が40万円である。ホンダコネクトナビ(+ETC2.0+ワイヤレス充電)が11.9万円、ツートーンカラーを6万円、パノラマルーフを15万円と仮定すると合計33万円と試算され、残り7万円が専用内外装になるのだが、実はZに装備されるアクティブコーナリングランプやトノカバー、雨滴検知式ワイパーや左右独立温度コントロールが備わらないなどZから仕様ダウンしている部分もあり、どう贔屓目に見てもPLAYはユーザー便益より高収益性に重きを置いた仕様設定である事がわかる。

内装色が黒一色のZではなく、PLAYのような明るい内装を選びたくても+40万円だと二の足を踏みたくなる。しかし明るい内装を選ぶためにはPLAYを選択しなければならないように設定してあるのは意地が悪い。

今は半導体供給不足もあってバリエーション展開が容易にできない状況だが、モデルライフを考えたときはガソリンエンジンモデルの拡充とXへの18吋アルミのOPT設定、あるいはZに対してPLAY用の内装が楽しめるようにしてほしい。(PLAYのパノラマルーフはZにMOP設定欲しい)

ファッショナブルなユーザーのためのヴェゼルなのに最上級グレードでありながら真っ黒な内装にはがっかり感がある。先代のZは緑のボディにタンカラー内装という往年の初代シビックGLを思わせるセンスに惹かれたものだが、選ぶ喜びの面で少々不足気味だと感じる。今後の改良を切に望みたい。

現状ラインナップで購入するなら、装備充実のZかスタイル派に向けたPLAYの選択でZを選択する。ボディカラーは最近のホンダらしいプレミアムサンライトホワイトパールに追加料金を支払う。

MOPはHonda CONNECTナビ+ETC+ワイヤレス充電とマルチビューカメラを追加。これで車両本体価格はおよそ330.7万円となる。(税抜300万円程度)

DOPはマット(標準)、マッドガード、ナンバーフレーム(黒)スポーツペダルとVICSを追加して11.3万円。

ここに諸費用が乗って支払総額352.1万円!

就職したての新入社員が買うにはちょっと高すぎる値段なのだが、5-6年目当たりの独身者が貯金して(残りはローンも組んで)買うなら買えんことは無いというレベル。(ぶっちゃけ、私が30歳の時に購入したDS3スポーツシックの方が値引き無しの総額比較で遙かに安かった。)

先代が謳ったように2.0L並の動力性能と見積もって100万円/1.0Lのレートに照らし合わせれば相場200万円。そこにSUVプレミアム30万円+HVプレミアム38万円だとすると、268万円×消費税10%で294.8万円になるのだが、実際の本体価格は289.9万円。

Zの価格設定はお買い得感がある!と言うのがホンダの言い分ではないかと想像する。

逆にノーマルエンジンのGであれば1.5Lエンジンを積むので上記計算に当てはめれば、税込み198万円であって欲しいのだが、227万円のGはやはり割高と言わざるを得ない。

レビュー一覧へ

レビューを投稿する

マイページでカーライフを便利に楽しく!!

ログインするとお気に入りの保存や燃費記録など様々な管理が出来るようになります

まずは会員登録をしてはじめよう

PVランキング

注目タグ

最新オフ会情報

ニュース