トヨタ パッソ

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2016年式パッソX-L_PKG・S感想文 - パッソ

レンタカー

2016年式パッソX-L_PKG・S感想文

おすすめ度: 1

満足している点
1.改善された動力性能
2.前席の居住性
3.装備の充実度(スマアシ+オートA/C+キーフリー)
4.燃費の良さ(通勤+出張で20kmL超え)
5.セカンドカー的使い方なら限界の性能

例えば、おじいちゃんが、お母さんが、近所のスーパーや病院、塾の送り迎えに使う車として考えればマッチするのではないか。
不満な点
1.割り切りすぎたシャシー性能
2.後席の中途半端な広さと狭い荷室
3.内容を考えると価格が割高(131.7万)
4.モーダがあっての標準タイプだが素っ気無さ過ぎる
5.敢えて軽を選ばせない積極的な理由が無い

先代同様に発泡酒を目指したビールであり、
かにかまを目指した蟹(?)である。
総評


トヨタ最小プチトヨタ。
パッソは初代二代目と取り上げてきたが、
カローラの代車として本年1月登録の新車のパッソがやってきてしまったので妙な使命感で試乗した。

ヴィッツというグローバルコンパクトがあり、欧州仕向けにはアイゴがあるのでパッソとしては日本での使用に重点が置かれている。

今回からはダイハツの完全OEMになったらしい。先代まではダイハツが設計していたが、開発指示を出していたのはトヨタであったが、今回はOEMなのでダイハツ主導になったということだろう。樹脂バックドアや樹脂フェンダーなどダイハツの技術が盛り込まれ、スイッチ類やエアコン操作盤も軽自動車用の部品がそのまま使われているから、調達網もダイハツ的なものに変わっているのだろう。もしかすると性能・設計的な基準や標準類もトヨタではなくダイハツのものを使っている可能性もあるかも知れない。共同開発からOEMに変わりダイハツ感が増したように感じる。

先代から比べるとエンジンの力感がアップして軽自動車との格の差を受けた。ただ、それ以外の性能は軽自動車と横並びで「ちょっと勝ち」レベルにとどまる為にアピールポイントが少ない。

走りを完全に捨てているが、私の周りでパッソに乗っていた人はごく近距離の用事を済ませるのに使っていた。(例えば埼玉に住む大正産まれの祖母は病院と駅の送迎とスーパーに行く事にしかパッソを使わなかった)
私もそれに気付き、敢えて普通の試乗で走らないような場所を走らせたところ、パッソの狙いの一端は理解できた。

開発陣はもっとたくさんのユーザーの実態を知っているはずだから意図的に割り切ったのだろうと考えられる。

私とパッソのターゲットユーザーは車の使い方が異なる為、私には合わない車であった。

私は常々、軽自動車の機能・性能的なレベルアップを痛感しており、軽のシェアが上り調子なのも納得できる。それではパッソの様なコンパクトカーは何を売りにすべきかと考えると、まさに走りの性能なのではないかと個人的には考えている。ミラココアで高速を走ると隣の車線を観光バスが爆走した風で進路が乱されて冷や冷やし、絶対的なパワー不足で追越し車線に出られず騒音によりストレスが溜まる。登録車は走りで格の違いを見せて欲しいのだが、パッソの場合は不十分に感じる。(昔だとスプラッシュが素晴らしかったが少々マニアック過ぎた)

作り手も重々承知で、そこはヴィッツに任せてパッソはシティコミューターに徹することに決めたのかもしれない。ただ、シティコミューターとしてだけなら軽で十二分に役割を果たせると考えられ、このままだと存在意義が希薄になっていくだろう。

何しろ、軽と較べて機能面でダントツで優位な点が無いのに価格は軽と肩を並べるレベルなら、税金の分だけ負けている。初代スイフトのように泣く子も黙る79万5千円、とか最後のターセルの81万8千円みたいな価格であればリーズナブルだが標準車でも中途半端だし、モーダに至っては完全に収益優先の価格設定だ。

大昔の軽自動車を知るベテランなら「軽は怖い」と考えて登録車のパッソを選ぶが、トヨタでも軽が買えるようになった昨今、このままでは立ち位置が微妙になって行ってしまうのではないだろうか。
走行性能
2


完全に割り切られている。
用途を考えれば十分な動力性能があり、
1.3Lを廃して税制上有利な1Lを残した判断も納得できる。

CVTは完全に旧来のアカン制御が楽しめる。ブワッと加速してハイギアで引っ張る。スロットル操作でシフトダウン。先代ほどロックアップこもり音がしなくなったのは改善を感じる。

個人的には動力性能は必要十分だが、シャシー性能が完全に不足気味だと感じる。

私の朝の通勤では10kmほど信号が少なめの田舎道(カーブ・アップダウン有り)を走るが全く気持ちよく走れない。

ステアリングがスロー過ぎて操舵量が多く忙しい。また、例の直進性を敢えて殺した制御の結果、真っ直ぐ走らせるために絶えずステアリングを操作しなければならない。真っ当な車はステアリング操作の後は力を抜けば直進状態に戻ろうとするものだ。下り坂ではアクセルを抜いてもエンジンブレーキがかからず空走感が強い。

出張に行く為、高速道路で往復1時間ほど運転したが、高速道路も不得意のようで横風を受けるとよろよろと進路が乱されるし、ジャンクションでのコーナリングではロールと共に後輪が流れるような挙動を見せて余裕の無さを感じた。

広い安全なスペースでスラローム走行を試すと、操舵にワンテンポ遅れて車が向きを変える。かつて所有したTE71レビンに155タイヤを履かせた時のような印象だった。何となく前と後ろが別々に動いているかのような一体感の無い印象だ。更に、緊急回避的な運転を試した。直進時にブレーキをかけながら操舵し車線変更、もう一回車線変更をした。普段運転に慣れている私も怖いと感じる姿勢の乱れ方であった。シャシー性能に余裕が無いのでステアリングをクイックに出来なかったのと勘繰ってしまう様なレベルの低さだ。

高速道路やワインディングで安定して走るといったGT的な性能はパッソには全く与えられていない。私個人の考えでは、パッソは軽との格の違いを見せ付ける意味で最低限キチンと走ることを目指して欲しかったのだが、あくまでも「お買い物カー」に徹したキャラクターを追求しているようだ。

下記の写真のような所を走らせると水を得た魚のように運転し易かった。



田舎の極めて狭い山道ではスピードを出さない。コーナリング性能よりも、小さめの車体のおかげでキビキビと走ることが出来た。ただし、DやSレンジではエンジンブレーキが利かないのでBレンジを積極的に使う必要がある。



住宅地でも一般ドライバーは速度を出さない。一時停止でキチンと止まり、左右を目視確認。ピラーが立っていて確認がしやすいし、この速度域ならマンホールを踏んでもショックが直接室内に伝わることは無い。



店舗が建ち並んだ市街地走行もパッソの主戦場だ。40km/h制限で信号も多いので危ない速度まで上がらない。NV性能としても路面が荒れたところでロードノイズが目立つくらいでエンジンそのものはCVTの効果で静粛だし、アイドル振動はアイドリングストップによって根本対策される。

パッソは自宅から数キロの生活圏内から出ないなら十分快適な車になりうる。スピードはせいぜい40km/hくらいまでしか出さず、20分以内の運転なら良く出来た上級車とも大きな差が出ないかも知れない。それ以上のクオリティアップは過剰品質になるということかも知れない。

裏を返せば、片道1時間の幹線道路を使った通勤、家族を乗せて数時間かけて県外に帰省、といった使い方はパッソには向いていないし、他の車との落差が目立つだろう。
乗り心地
2
パッソ基本的にゆったり志向で、角の取れたマイルドな乗り心地である。それゆえカーブ走行は苦手で、速度が高まるとフワフワした感覚になる。

40km/hまでのタウンスピード域では側溝のフタを踏んでもうまくショックをいなしていて感心した。(愛車RAV4はバネ下が重く突き上げがひどい)

高速道路を最低限度走れるようにしておいて後は低速域の突き上げ低減を図ったのだろう。
積載性
2


運転席は視界がよく、十分な広さを誇る。
シートリフターとチルトステアリングがあり、小柄な女性や高齢者も運転姿勢をとることができる。ただ、シートベルトのアジャスタブルアンカーはつけて欲しい。



後席はレッグスペースをとるために燃料タンクギリギリまでRrシート座面を引いている。ダイハツお得意のパッケージングだが、個人的には脚が引けないので気持ち悪い。Rr席にキチンと深く座ろうとすると全然くつろげない。シートバック角度も寝すぎていて天井に頭が着いてしまう。恐らく尻を前にずらしただらしない姿勢が標準設計値なのだろう。



荷室は普通車の割りに随分狭い。ベビーカーとトートバッグで終わってしまうだろう。軽自動車に毛が生えた程度で我が家で使うなら不満が出るサイズだ。
燃費
3
ガソリン車最良の28km/Lの燃費を誇るが、これは旧型の後期で追加された新世代エンジンの功績が大きいようだ。

A/Cを使って高速・市街地を走らせてリッター20km/Lを少し越えるような燃費で個人的には十分だ。e燃費では平均17km/L程度との事だが、結構ラフな運転なのか近距離短時間走行が重なっているのかもしれない。

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