規制が厳しいヨーロッパで、ディーゼルエンジンの未来はどうなるのか?

2019年4月8日

0210-01

少し前まで日本ではディーゼルエンジンは黒い排ガスを吹き出す悪者だった。しかし最新のディーゼルエンジンのクリーンさは目を見張るもので、その性能の高さは誰もが知るものとなった。日本よりも早い時期からディーゼルエンジンに注目し、その普及が広まっていたのがヨーロッパだが、近年その様子が変わってきている。果たしてディーゼルエンジンの未来はどうなるのだろうか?

排ガス規制に振り回される自動車業界

0210-02

クルマが生まれて100年以上になりますが、近年は安全性とともに環境性能つまり排ガス規制によってクルマは大きく変化をしています。本格的に排ガス規制が始まったのは1960年代からで、近年の半世紀は排ガスの清浄化が自動車開発の大きなテーマとなっています。

その昔は直接的な危険性を持つ成分に注目が置かれました。つまり、一酸化炭素や亜硫酸ガス、光化学スモッグの元となる炭化水素、硫黄酸化物などをいかに減らすかが重視されました。これらは燃焼方式の改善や触媒の採用などによって克服されましたが、近年はどうにもならない排出物が存在しています。それが、二酸化炭素です。

昔は二酸化炭素しか出さないエンジンならクリーンだった

地球温暖化が問題視される以前、二酸化炭素は悪者ではありませんでした。当時、二酸化炭素しか出さないエンジンがあれば、それはものすごくクリーンなエンジンという評価を受けたでしょう。何しろ、人間だって、犬だって猫だって、呼吸をすれば二酸化炭素を出すのですから。それが地球温暖化が問題となってからは二酸化炭素が一気に悪役になりました。

不都合な真実が事実ならば流れは変わる

ディーゼルエンジンが人気を博した原因のひとつにガソリンエンジンよりも二酸化炭素排出量が少ないということでした。しかし、まったく出さないわけではありません。ヨーロッパではますます二酸化炭素排出量の規制が厳しくなっているので、クルマは電気自動車にシフトしてきています。この状況が続けば電気自動車は減っていく傾向となるでしょう。

しかし、地球温暖化はしていないとか、電気自動車を走らせるために必要なエネルギーを作り出すためにじつは大量の二酸化炭素が排出されている等(これはともに仮説です)の事となると、話は別です。そうなると電気自動車を走らせるよりも、現状のディーゼルエンジン車を進化させたほうがいいことになります。

いずれにしてもクルマのパワーユニットがどうなっていくか? それは自動車業界が決めることではなく、世間の情勢が決めることなのです。今後、環境問題、エネルギー問題がどの方向にいくかによってクルマの未来は変わっていきます。


(諸星陽一)

乗るに戻る

マイページでカーライフを便利に楽しく!!

ログインするとお気に入りの保存や燃費記録など様々な管理が出来るようになります

まずは会員登録をしてはじめよう

注目タグ

最近見た車

最近見たクルマはありません。

ニュース