試乗を終えた荒さんが、PS5を履いた2台をまじまじと見つめる。そして、「このタイヤ、デザインも格好いいじゃないですか」と表情を崩し、サイドウォールを指でなぞった。
「サイドウォールにベルベット加工が施されていて、つい触りたくなります。手触りも高級な感じがしますね。何気ないこだわりだけれど、自分のクルマがこういうタイヤを履いていたらうれしい気持ちになると思いますよ」
ミシュランが「フルリング プレミアムタッチ」と呼ぶこのサイドウォールデザインは、確かに見た目の質感を高めているし、所有する喜びにも通じるものだ。
最後に、荒さんはPS5の印象をこうまとめた。
「高速域でも安心して運転を楽しむことができて、ワインディングではよく曲がって、ウェットも安心。おまけに快適性まで高い。ひとことで言うと僕がタイヤに求めることがすべて備わっていて、これはお世辞でもなんでもなく、自分で装着したいタイヤです。さきほどミシュランの方が、溝の残りがスリップサインに到達する1.6mmになるまで高いグリップ性能を維持することを目指して開発したとおっしゃっていましたが、ぜひ自分で履いて、ロングライフ性能も試してみたいと思いました」
意外だったのは、荒さんが「スポーティなクルマに限らず、どんなクルマでもこのタイヤを薦めたいですね」とおっしゃったことだ。
「これはスポーティなタイヤですが、その前にいいタイヤだと思います。新東名には最高速度が120km/hの区間がありますが、スポーツ走行をしない方でも、滑らかに、楽しく、安全に走りたいという方はたくさんいるはず。プレミアムセダンなどに乗っている方がPS5を選ぶのも、全然アリだと思います。タイヤって地面に接する唯一の部分なので、ドライビングに大きな影響を与えますから」
“世界の荒”が「自分で履きたい」と語ったこと。これが、PS5の完成度の高さを物語っているのではないだろうか。
Perform:荒聖治
Text:サトータケシ
Photo:篠原晃一
Edit:橋本隆志(carview)