ミシュランの最新スポーツタイヤ「パイロット スポーツ5」はどんなクルマにもオススメ。レーサーが求めるすべてが備わっていた

ユーザーから高い支持を獲得するミシュランのスポーツタイヤ「パイロット スポーツ シリーズ」。その最新作「パイロット スポーツ5」が発売された。どんなタイヤなのか? ほかのパイロットシリーズとはどう違うのか? レースで輝かしい成績を収めてきたレーシングドライバー荒聖治氏に、その実力を試してもらった。

SCROLL

CHAPTER. 01

”世界の荒”はどう評価するか

ミシュランのスポーツタイヤ「パイロットシリーズ」のラインナップに、新たに「ミシュラン パイロット スポーツ5(PS5)」が加わった。このタイヤは、みんカラの「パーツ・オブ・ザ・イヤー」で毎年高く評価され、2020年、2021年に殿堂入りを果たした「ミシュラン パイロット スポーツ4(PS4)」の後継となる。

みんカラパーツ・オブ・ザ・イヤーとは、一般ユーザーによる忖度のない投票で決定されるアワードだ。PS4が高く評価された理由は正確なハンドリングや快適性といったトータルパフォーマンスの高さで、つまりは完璧なスポーツタイヤだといえる。PS5は、完璧のさらに上を行くのか?

Formula E、WEC(世界耐久選手権)、WRC(世界ラリー選手権)など、世界のトップカテゴリーのレースを戦った技術力を注いで開発したPS5の実力を確かめるために、今回は超一流のドライバーに評価を依頼した。ル・マン24時間耐久レースで総合優勝を経験している荒聖治氏だ。

試乗車には、FF(前輪駆動)のコンパクトカーを代表してトヨタ「カローラ スポーツ」、そしてFR(後輪駆動)のスポーツカーを代表して日産「フェアレディZ」を用意した。この2台で、市街地から高速道路、そしてワインディングロードなど、ありとあらゆるシチュエーションを走破した。はたして“世界の荒”は、PS5をどのように評価するのだろうか?

試乗の前に、ミシュランの担当者よりPS5というタイヤのキャラクターについて説明があった。このタイヤはモータースポーツの技術や経験を活かして開発しているものの、主戦場はサーキットではなく、あくまで一般道で気持ちよく走ることを狙ったという。そのあたりが「パイロット スポーツ 4S(PS4S)」や「パイロット スポーツ CUP2シリーズ」との明確な違いで、この日の試乗コースもPS5のキャラクターに合わせて設定した。

みんカラユーザーから高い支持を得てきたパイロット スポーツ4の後継モデルが、今回試乗するパイロットスポーツ5。一般道で気持ちよく走ることを狙って開発された

みんカラユーザーから高い支持を得てきたパイロット スポーツ4の後継モデルが、今回試乗するパイロットスポーツ5。一般道で気持ちよく走ることを狙って開発された

試乗車1台目はトヨタ「カローラ スポーツ」。普段使いからスポーツ走行までこなす万能選手としてセレクト

試乗車1台目はトヨタ「カローラ スポーツ」。普段使いからスポーツ走行までこなす万能選手としてセレクト

試乗車2台目は日産「フェアレディZ」。ワインディングから高速道路、一般道まで様々なシーンでテストした

試乗車2台目は日産「フェアレディZ」。ワインディングから高速道路、一般道まで様々なシーンでテストした

数秒でわかる”ミシュランらしさ”とは?

CHAPTER. 02

数秒でわかる”ミシュランらしさ”とは?

最初の試乗ステージは、中高速コーナーが連続する箱根ターンパイク。荒さんはまず、カローラ スポーツのハンドルを握る。スタートして数秒で、荒さんは「これはミシュランらしいですね」と、つぶやいた。わずか数秒で体感できるミシュランらしさとは何か?

「ミシュランのタイヤって、走り出すとすごくきれいに転がる感じがするんです。滑らかに、自然に転がるフィーリングは、このPS5も共通ですね。特にこのPS5は、スムーズに転がるのと同時に、路面にしっかりとコンタクトしていることがハンドルの手応えを通じて伝わってくるのがすばらしい」

荒さんのコメントを補足すると、ミシュランが長年かけて磨いてきた「ダイナミック・レスポンス・テクノロジー」が、PS5ではさらに進化している。ダイナミック・レスポンス・テクノロジーの中でも、タイヤと路面との密着度を高めるために、素材にハイブリッド・アラミド/ナイロンベルトを用いてトレッド面を安定させる技術が、しっかりとコンタクトしていると感じさせるのだ。

そして下りに入ると、荒さんは「これはいい!」と顔を上気させた。

「下りってスピードも上がるし、挙動が不安定になりがちです。でもPS5だと、ブレーキを踏まずにコーナーに入れる。なぜ減速しなくてもいいかというと、グリップが変化したり乗り味がブレることがないからで、こういう高速で負荷が高い領域でも、安心して楽しめるタイヤです」

ここで、フェアレディZに乗り換える。滑らかさとグリップが両立していることはカローラ スポーツと共通であるけれど、荒さんが感心したのは快適性の高さだ。

「路面が荒れたところを突破しても、突き上げをタイヤが吸収してくれる感じが伝わってきます。スポーティなタイヤであるのと同時に、プレミアムなタイヤだという印象ですね。もうひとつ、路面がウェットなところがあって、特にFRのクルマだと気を使うんですが、このタイヤはウェットグリップのレベルも非常に高い。安心して走ることができます」

前作パイロット スポーツ4よりもウェット性能が向上。ウェット路面での最速ラップタイムが約1.7%、平均ラップタイムが約1.5%向上した

前作パイロット スポーツ4よりもウェット性能が向上。ウェット路面での最速ラップタイムが約1.7%、平均ラップタイムが約1.5%向上した

パイロット スポーツ5は非対称トレッドパターンを採用。排水性を高めたトレッド内側と、高い剛性をもたらすトレッド外側の大型ブロックを組み合わせ、ウェット/ドライ双方で高いグリップ力を発揮する

パイロット スポーツ5は非対称トレッドパターンを採用。排水性を高めたトレッド内側と、高い剛性をもたらすトレッド外側の大型ブロックを組み合わせ、ウェット/ドライ双方で高いグリップ力を発揮する

テスターは、ル・マン24時間耐久レース総合優勝の経験もあるレーシングドライバー荒聖治氏

テスターは、ル・マン24時間耐久レース総合優勝の経験もあるレーシングドライバー荒聖治氏

車線変更だけでも楽しい

CHAPTER. 03

車線変更だけでも楽しい

荒さんは、フェアレディZのハンドルを握ったまま西湘バイパスに入った。海沿いで景観のいいこの有料道路は、道路のつなぎ目が連続することで知られる。つなぎ目を越えた時のハーシュネス(路面からの突き上げ)をチェックしながら、荒さんは感心したようにうなずいた。

「スポーツタイヤというと、読者のみなさんは乗り心地がゴツゴツしているというイメージをお持ちかもしれません。でもこのタイヤだと、つなぎ目をしなやかに乗り越えるし、そこで挙動が乱れるということもない。

このフェアレディZは純粋なスポーツカーだから足まわりが固められていますが、それでもピョコピョコしない。この乗り心地にはPS5がかなり貢献していると感じます」

パーキングエリアでカローラ スポーツに乗り換える。

「ターンパイクでも感じたことですが、FFでもフロントタイヤが道筋をつけて、少ない操舵で行きたい方向にスッと行ってくれる感じがあります。ハンドル操作に何も修正を加えることなく、行きたい方向に転がっていく感じは気持ちがいいですね。車線変更だけでも楽しい気持ちになります(笑)

路面からのアタリも優しいから、いつまでも乗っていたい、どこまでも走って行きたいという気持ちになってきました。ターンパイクではとにかくよく曲がってくれるので楽しみましたが、高速巡航もいい感じです」

そして試乗を終えた時に荒さんが残したこの言葉が印象的だった。

「FFでもFRでも、ワインディングロードでも高速道路でも一般道でも、いい意味でなんでも普通にこなせちゃうのが不思議な感覚ですね」

スポーツタイヤながら、しなやかさを併せ持つパイロット スポーツ5。快適性も高いレベルを実現している

スポーツタイヤながら、しなやかさを併せ持つパイロット スポーツ5。快適性も高いレベルを実現している

パイロット スポーツ5は「バリアブル・コンタクト・パッチ3.0」を採用。コーナリング時における接地圧分布を均等になるよう内部構造を最適化。グリップ⼒とコントロール性が増し、安定したコーナリングを実現する

パイロット スポーツ5は「バリアブル・コンタクト・パッチ3.0」を採用。コーナリング時における接地圧分布を均等になるよう内部構造を最適化。グリップ⼒とコントロール性が増し、安定したコーナリングを実現する

スポーツ走行だけでなく、日常領域からその気持ちよさを体感できる。ついつい遠出をしたくなる、そんなタイヤだ

スポーツ走行だけでなく、日常領域からその気持ちよさを体感できる。ついつい遠出をしたくなる、そんなタイヤだ

「最後まで続く性能」を目指して

CHAPTER. 04

「最後まで続く性能」を目指して

試乗を終えた荒さんが、PS5を履いた2台をまじまじと見つめる。そして、「このタイヤ、デザインも格好いいじゃないですか」と表情を崩し、サイドウォールを指でなぞった。

「サイドウォールにベルベット加工が施されていて、つい触りたくなります。手触りも高級な感じがしますね。何気ないこだわりだけれど、自分のクルマがこういうタイヤを履いていたらうれしい気持ちになると思いますよ」

ミシュランが「フルリング プレミアムタッチ」と呼ぶこのサイドウォールデザインは、確かに見た目の質感を高めているし、所有する喜びにも通じるものだ。

最後に、荒さんはPS5の印象をこうまとめた。

「高速域でも安心して運転を楽しむことができて、ワインディングではよく曲がって、ウェットも安心。おまけに快適性まで高い。ひとことで言うと僕がタイヤに求めることがすべて備わっていて、これはお世辞でもなんでもなく、自分で装着したいタイヤです。さきほどミシュランの方が、溝の残りがスリップサインに到達する1.6mmになるまで高いグリップ性能を維持することを目指して開発したとおっしゃっていましたが、ぜひ自分で履いて、ロングライフ性能も試してみたいと思いました」

意外だったのは、荒さんが「スポーティなクルマに限らず、どんなクルマでもこのタイヤを薦めたいですね」とおっしゃったことだ。

「これはスポーティなタイヤですが、その前にいいタイヤだと思います。新東名には最高速度が120km/hの区間がありますが、スポーツ走行をしない方でも、滑らかに、楽しく、安全に走りたいという方はたくさんいるはず。プレミアムセダンなどに乗っている方がPS5を選ぶのも、全然アリだと思います。タイヤって地面に接する唯一の部分なので、ドライビングに大きな影響を与えますから」

“世界の荒”が「自分で履きたい」と語ったこと。これが、PS5の完成度の高さを物語っているのではないだろうか。

Perform:荒聖治
Text:サトータケシ
Photo:篠原晃一
Edit:橋本隆志(carview)

ほぼ全周に渡ってベルベット調の深い黒のリングをまとった「フルリング プレミアムタッチ」は、つい触りたくなるような高級感を演出する

ほぼ全周に渡ってベルベット調の深い黒のリングをまとった「フルリング プレミアムタッチ」は、つい触りたくなるような高級感を演出する

溝の減り具合が一目でわかるインジケーターを備えることで、パイロット スポーツ5はタイヤをより長く安全に使用できる

溝の減り具合が一目でわかるインジケーターを備えることで、パイロット スポーツ5はタイヤをより長く安全に使用できる

「スポーティなタイヤですが、その前にいいタイヤ」と荒さん。スポーティなクルマだけでなく、多くの車種でその魅力を味わえるはずだ

「スポーティなタイヤですが、その前にいいタイヤ」と荒さん。スポーティなクルマだけでなく、多くの車種でその魅力を味わえるはずだ

サイズラインアップ

CHAPTER. 05

サイズラインアップ

17インチ:9サイズ
18インチ:16サイズ
19インチ:13サイズ
20インチ:4サイズ
21インチ:1サイズ
合計:43サイズ

タイヤ幅:205~285
扁平率:35~55
スピードレンジ:(Y)
XL規格:全サイズ
リムガード:全サイズ リムガードを採用

PHOTO GALLERY