【平成26年度 防衛大学校卒業式 内閣総理大臣訓示】
言葉尻を捉え、揚げ足を取っていないで、安倍総理の国防に対する決意と自衛隊員への想いの先にある我々国民への愛情、こういう訓示こそマスコミは広く世間に報道すべきで、国民も国防への認識を新たにして頂きたいと思います。
http://youtu.be/iLheT8gtPks
以下全文を書き出しました
本日、伝統ある防衛大学校の卒業式に当たり、今後我が国の防衛の中枢を担う諸君に対して心からのお祝いを申し上げます。卒業おめでとう。
諸君の礼儀正しい誠に凛々しい姿に接し、自衛隊の最高指揮官として大変頼もしく誇りに思います。本日は卒業生諸君が幹部自衛官としての新たな一歩を踏み出す門出の日でありますので一言申し上げたいと思います。
その日のガダルカナル島には70年前と同じように雲一つなく強い日差しが降り注いでいたそうであります。昨年秋、練習艦「かしま」のタラップをのぼる諸君の先輩たちの胸には、かの地で収容された百三十七柱の御遺骨がしっかりと捧持されていました。そして御遺骨に無事祖国へと御帰還いただく、今回の練習航海ではその任務にあたってくれました。
遠い異国の地において祖国の行く末を案じ家族の幸せを願いながら戦場で倒れられた多くの尊い命、そのご冥福を戦後70年という節目の年に幹部自衛官への道を踏み出す諸君たちと共にお祈りしたいと思います。そしてこうした尊い犠牲の上に我が国の現在の平和がある、そのことを私たちは改めて深く胸に刻まなければなりません。
二度と戦争の惨禍を繰り返してはならない。私たちにはその大きな責任があります。
戦後我が国はひたすらに平和国家としての道を歩んできました。
しかしそれは「平和国家」という言葉を唱えるだけで実現したものではありません。自衛隊の創設、日米安保条約の改定、そして国連PKOへの参加、国際社会の変化と向き合い、憲法が掲げる平和主義の理念のもと果敢に「行動」してきた先人たちの努力の賜物であると私はそう考えます。
「治に居て乱を忘れず」
自衛隊 そして防衛大学校の創設の父でもある吉田茂元総理が防大一期生に託した言葉であります。
「昨日までの平和」は「明日からの平和」を保障するものではありません。大量破壊兵器の拡散やテロの脅威など、国際情勢は私たちが望むと望まざるとに関わらず絶えず変転しています。「不戦の違い」を現実のものとするためには、私たちもまた先人たちに倣い決然と「行動」しなければなりません。いわゆるグレーゾーンに関するものから集団的自衛権に関するものまで、切れ目のない対応を可能とするための法整備を進めてまいります。
「行動」を起こせば批判にさらされます。過去においても「日本が戦争に巻き込まれる」といったただ不安を煽ろうとする無責任な言説が繰り返されてきました。しかし、そうした批判が荒唐無稽なものであったことは、この70年の歴史が証明しています。「事に臨んでは危険を顧みず、身をもって任務の完遂に努め、もって国民の負託にこたえる」、この宣誓の重さを私は最高指揮官として常に心に刻んでいます。
自衛隊員に与えられる任務はこれまで同様危険の伴うものであります。しかし、その目的はただ一つ、すべては国民の命と平和な暮らしを守り抜くため、そのことにまったく変わりはありません。その強い使命感と責任感をもって、これから幹部自衛官となる諸君にはそれぞれの現場で隙のない備えに万全を期し、国防という崇高な任務を全うしてほしいと思います。
東日本大震災をはじめ相次ぐ自然災害のたび、自衛隊は昼夜を分かたずまた危険を顧みず救助活動にあたってきました。自衛隊に対する国民の信頼は今や揺るぎないものとなっています。
「軍事力は戦うためだけのものである」という発想はもはや時代遅れであります。災害救援に加えて紛争予防、復興・人道支援、あらゆる機能を備えた軍事力の役割は、国際社会において大きく広がりつつあります。
24年前ペルシャ湾における掃海活動から自衛隊の国際協力活動の歴史は始まりました。湾岸戦争で敷設された1200個もの機雷が我が国にとって死活的な原油の輸送を阻んでいました。
「『爆破成功』の声で世界は日本の存在を知った」。
派遣された隊員の言葉からは当時の誇らしげな気持ちが伝わってきます。気温50度にも及ぶ厳しい環境、それも海の中では石油パイプラインが縦横に走る緻密さが要求される現場で、3ヶ月以上にわたり稼働率100%、自衛隊の高い士気と能力を見事に世界に示してくれました。
内戦によって傷ついたカンボジアでは初のPKO活動に臨みました。自衛隊が作った道路や橋が平和を取り戻し、復興するための大きな力となったことは間違いありません。部隊がタケオの町から撤収する日には感謝し別れを惜しむ現地の皆さん、大勢の子供たちで沿道は溢れていたそうであります。
今この瞬間も自衛隊は灼熱のアフリカにあって、独立したばかりの南スーダンの自立を助けるためPKO活動にあたっています。ジュバの町で自衛隊員が通う病院、その運営はカンボジアのPKO部隊が行っています。内戦から復興したカンボジアは今PKO活動に積極的に参加し、共に汗を流すパートナーとなっています。その隊長が現地の自衛隊員にこう語ってくれたそうであります。
「UNTACでの日本の活躍は母国カンボジアの人々の記憶に今も鮮明に残っている。このカンボジア病院も本当は誰よりも日本人に使ってほしい。私たちは日本人ためならば24時間いつでも診療する用意がある」 。これまでの20年以上にわたる自衛隊の国際協力は間違いなく世界の平和と安定に大きく貢献している、大いに感謝されている、私は自信を持ってそう申し上げたいと思います。そしてのべ5万人にのぼる隊員たちの揺るぎない使命感と献身的な努力に心から敬意を表したいと思います。
海の大動脈・アデン湾における海賊対処活動では、本年5月戦後初めて自衛隊から多国籍部隊の司令官が誕生します。これはこれまでの自衛隊の活動が国際的に高く評価され信頼されている証に他なりません。
世界が諸君に大いに期待しています。世界が諸君の力を頼みにしています。その誇りを胸に自衛隊にはより一層の役割を担ってもらいたいと思います。
本日ここには、インドネシア、カンボジア、タイ、大韓民国、東ティモール、フィリピン、ベトナム、そしてモンゴルからの留学生の皆さんもいらっしゃいます。言語や習慣の異なる中での生活や学びの日々は大変なものであったと思いますが、この日を迎えられたことを心からお慶び申し上げます。それぞれの母国に戻ってからもどうかこの小原台で培った絆を大切にしてほしい、皆さんの母国と我が国との防衛協力を更に発展させていくため、皆さんの活躍を期待しています。そして日本は皆さんの母国をはじめ国際社会と手を携えながら、戦後70年を機に「積極的平和主義」の旗を一層高く掲げ、世界の平和と安定にこれまで以上に貢献していく覚悟であります。
南太平洋に浮かぶパラオ・ペリリュー島、この美しい島は70年前の大戦において1万人を超える犠牲者が出る激しい戦闘が行われた場所であります。守備隊長に任ぜられた中川州男中将は本格的な戦闘が始まる前に、1000人に及ぶ島民を撤退させその命を守りました。いよいよ戦況が悪化すると部下たちは出撃を強く願いました。しかし、中川中将はその部下たちに対してこのように語って生きて持久戦を続けるよう厳命したそうであります。
「最後の最後まで務めを果たさなければならない」
諸君の務めとは何か。
それは二度と戦争の惨禍を繰り返さないこと。そのために自衛隊の中核を担う幹部自衛官として、常日頃から鍛練を積み重ね隙のない備えに万全を期すことであります。そしていかなる事態にあっても国民の命と平和な暮らしを断固として守り抜くことであります。私は諸君の先頭に立ってこの責務を全うする決意であります。どうか諸君におかれても全身全霊をかけて、この国民への務めを果たしてほしいと願います。
御家族の皆様、皆様の御家族を隊員として送り出して頂いたことに自衛隊の最高指揮官として感謝に堪えません。皆、こんなに立派な若武者へと成長いたしました。これは防衛大学校での学びの日々だけでなく、素晴らしい御家族の背中を彼らがしっかりと見て育ってきた、その素地があったればことだと考えております。本当にありがとうございました。大切な御家族をお預かりする以上、しっかりと任務を遂行できるよう万全を期すことをお約束いたします。
最後となりましたが、学生の教育に尽力されてこられた國分学校長をはじめ、教職員の方々に敬意を表するとともに平素から防衛大学校に御理解と御協力を頂いている御来賓御家族の皆様に心より感謝申し上げます。
卒業生諸君の今後益々の活躍、そして防衛大学校の一層の発展を祈念して、私の訓示といたします。
内閣総理大臣 安倍晋三
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2015/04/20 20:42:44