【映画】それでもボクはやってない

先日TV放送していたので録画したものを見ました。

率直にとても良くまとめれた無駄のない映画だと思いました。
逮捕から裁判に到るまでの過程から結審・判決までの様子は
かなり綿密に描かれていました。周防監督は素晴らしい映画を
作ったと思います。明確なテーマとよく練られた脚本、
言わんとすることを伝えています。

痴漢の冤罪を取り上げていますが、起訴されたら最後、有罪確立が
99.9％なんて、かなり異常です。
何を申し立てても、犯人扱いで、否定すればする程、状況
は悪い方へと進んで行ってしまう。人質司法なんて言葉が
出て来ます。結局、保釈されたのは3ヶ月後って・・・何？。こ
んなに長い間に渡って、被疑者を勾留する制度にはほんと呆れます。
日本であって日本ではないような独裁的な刑事裁判のやり方を
見せられます。この映画はそのことを力強く批判しています。

セリフがない人たちも演技しているし、主人公を演じた加瀬亮
がはまり役で、実に自然だった。また、母親役をやった、
もたいまさこが上手かったです。

それでもやっていないと言い切れるか？同様の状況下に自身が
置かれた場合、権力に押し潰されてしまうかも知れない(ーー;)
今の世の中では自分の身は自分で守るということが教訓になって
しまうのだろうか。

製作年:2007年
製作国:日本
上映時間:143分
監督脚本：周防正行
出演：加瀬亮、瀬戸朝香、山本耕史、もたいまさこ、役所広司