いたずらに心情を煽ることが目的ではないことを、最初に断っておく。さらに、アメリカ政府は公式見解として、同説を否定しているうえ、web上等でも、それを正確に検証できるものはない。事の発端は不明だが、マヤ文明で用いられていた暦(マヤ歴)によると、2012年12月21日から12月23日頃に人類はおろか、世界が滅亡するらしい。天文学の見地からも同時期に、地球や太陽などが特異な配列になり、それによる物理的影響もあるのではないか、と考えられているそうだ。映画「ノウイング('09)」のように、太陽のスーパーフレアによって、地球上の生物が滅亡するのではないかとの説もある。思い起こせばかつて「ノストラダムスの大予言」が一世を風靡した。1999年7月に人類が滅亡すると解釈され、1974年には映画にもなった。当時小学生の私は、学校正門前の電柱に貼られていた映画ポスターの、骸骨の絵が怖くて、目をそらせて見ないようにしていた。後日知ったことだが、文部省推薦映画だったらしい。しかし時は過ぎ、現に人類は存在してる。「奇跡」と受け止めるか、単に「現実」として受け入れるか、それは個々個人の心情(信条)の問題である。2012年12月21日に世界は滅びるのかどうかはさておき、やはり一番危惧されるのは「自暴自棄」のあまり、過激な行動に及ぶ連中のことだ。既に他国では犯罪行為に及ぶ者が現れ、被害者も出ているそうだ。学説(風説)よりも、身近な現実の方がはるかに脅威だ。万が一その説が現実のものになったとしても、それは「運命」として、受容するほかないだろう。なにせ、世界が終わるのだから、抗(あらが)いようがない。おそらく実現しないであろう説を信じ、案ずるよりも、その先に待つクリスマスや正月を楽しみに、週末を過ごしたい。両親や友人に会える、せっかくの機会でもあるのだから。