まぐまぐの質問を勝手に回答
Q:オーバードライブは必要?不要?
オーバードライブについて、ATのオーバードライブを使う意味や機会がいまいちわかりません。坂道での減速時や加速時での使用など、人によりまちまちな気がしますし、それに頻繁に使用することによりミッション系のトラブルにならないか心配にもなります。
そもそもオーバードライブがなぜ必要なのかもわかりません。正しい使用法、使い方等があればアドバイスお願いします。
http://car.mag2.com/kakekomi/maintenance/120825.html
A:
オーバードライブって何なのか、なぜあるのかを説明する前に、
まずはミッションの仕組みをご理解頂かなくてはなりません。
エンジンという機械は、高回転で回りますがトルク(回す力)自体は
あまり大きくありません。
この「エンジンの回転する力」を「タイヤを回す力」に置き換えるのが
ミッションの仕組みです。
この時に、エンジンの回転数を“より小さな回転数”にしながら、
“より大きなトルク”でタイヤを回転させる力に変換します。
この意味では「減速機」と呼ばれる機構の一種だったりします。
【減速機とは】
ある回転軸の回転数を減少させて、他の回転軸へ伝える装置。
回転数に反比例してトルクが上がるため、モーターやエンジンの回転を
車輪やプロペラに伝える際などに用いられる。
車は、止まっているところから発進する場合に一番大きな力が必要です。
ですから、この時には一番大きく減速する(トルクが一番大きい)ギヤを
利用することになります。
アクセルを踏んでいくと、すぐに回転数が上がってしまい、あっという間に
次のギヤにバトンタッチをするのは、
エンジンの回転数に比べてタイヤの回転数が一番低いからなんですね。
(タイヤが一番少なく回る=トルクが大きい=エンジンの回転が高い)
ここまではよろしいですか?
オーバードライブというのは、このトルクとエンジンの回転数でいえば
発進時とは逆に一番エンジンの回転を減速しないギヤです。
オーバートップという言い方もありました。意味するところは同じで、
一番軽い(タイヤが一番多く回る=トルクが小さい=エンジンの回転が低い)ギヤです。
もともとは、エンジンの回転1に対してタイヤの回転が1を超える(減速しない)ものを
オーバードライブと呼んだのですが、このあたりの数値は重要ではありません。
要は、速度が一定で加速にさほどトルクの必要としない状態の時に、
より低いエンジン回転で走行するようにして、静かでより低燃費に出来ることを
目的としています。
コメント送ろうとしたが行かないので、勝手に補足回答
オーバードライブ(OD)ってのは、エンジン回転より増速するギヤ段のことですね。ミッションの基本形は、直結(減速比1:1 )がトップだったワケですが、高速走行でよりエンジン回転を下げて経済的な走行をするために増速段が付けられたってことですね。大昔のマニュアル車なんかだと、ミッションの後ろにODユニット(理論的には副変速機的に作用可能)という増速専用ギヤボックスを追加していたこともあります(今でもジープ用などがあるらしい)。
何でODを付けるかということですが、トップギヤのオーバーオール減速比(ミッションのギヤ比×ディファレンシャルのギヤ比)が同一の場合、トップを直結にするような変速比では、ロー側の減速比が大きくなりすぎるからでしょうね。ローの減速比を以前と替えないまま、変速比をワイドにするのであれば、増速段を追加したほうがギヤの大きさの比率が均等になりやすく、ミッションのスペース的にも有利になります。
回答者は、分かりやすく配慮して言っているのでしょうが、エンジン回転とタイヤの回転は1:1にはなることはなく、ディファレンシャルの減速比分、オーバードライブであろうとタイヤの方が低い回転になります。
いずれにしても、オーバードライブも他のギヤと同様に使えば良いわけですから、前車に追いついた時や下り坂のようにエンブレが必要な時以外は、オフにする必要はないですね。
Posted at 2012/08/25 18:56:03 | |
トラックバック(0) | クルマ