
涼しいはずの北海道でも、近年は温暖化の影響なのか日差しが強く、気温も湿度も本州並みの環境に変化し、昨日は33℃を超え関東で学生時代を過ごした時の梅雨のような蒸し暑さが北の大地でも体感できるほどになっていて、道内でもクーラーありきの生活が定着しつつあります。
さて、先般から愛用しているLabocosmeticaのケミカルはそんな日照の強い高温環境でも、素材に対する化学製品の適合性が証明された「VDA認証製品」であると提唱しており、車のデリケートな素材に対しても腐食性白濁現象(薬剤による白い腐食)が発生しにくく安心して使える。とある。
しかしながら洗車において私が最も気を使うパーツは「ヘッドライト」で、過去何台もの車両を洗車施工してきたが、いくらボディが新車同様のコンディションでもヘッドライトの劣化による黄ばみや白濁があれば、致命的に美観を損ねることは間違いありません。ボディのみならずいかにヘッドライトを劣化させずにクリアで良好な状態を維持できるかがカギを握っていると言ってもいいでしょう。
ではヘッドライトの特性について整理しておきますと、ほぼ多くの車に採用される素材は「ポリカーボネート」というPC樹脂素材でできており、この素材は衝撃に強く非常に割れにくい特性があり、その強度は一般的なガラスの250倍、アクリル板の30倍とも言われプラスチック素材の中でも最高クラスの強度を誇ります。また、アクリル樹脂と同じ「有機ガラス」とも言われていて強度は強いが硬度は低いという謎の性質があり、割れるリスクは低いものの傷は入りやすいというのが特徴です。事故った時に飛散しにくいのもこのせいですかね。
「有機ガラス」という事は、洗車好きの方ならピンとくると思いますが、アルカリ性にめっぽう弱く酸耐性が高いのが特性。有機溶剤や界面活性剤などに対しては、応力がかかった状態でケミカルに触れたままにすると、変質や劣化などを起こす応力腐食性があり、紫外線による変色も起きます。紫外線に弱く、高温環境下では加水分解し、引張強度を超える力をかけると白化して透明度が著しく低下してしまいます。おそらく古い年式車両に黄ばみや白濁が多いのはもちろん経年劣化に起因するものもありますが、LEDがなかった年式車両はハロゲン球が主流であったためヘッドライト内部からの加熱が大きく関係しているものと考察しています。発熱量の少ないLEDバルブへの交換はヘッドライトレンズを守るためにも有効な手段と言えます。
これらの特性を把握すればアルカリ性溶剤を取り扱う際にヘッドライトには細心の注意を払うべきであることがわかります。過去、虫の死骸が車のフロント部に無数についたのが嫌で虫取り特化の洗剤をよく使っていました。虫取り洗剤はめちゃめちゃ高pHのアルカリなんですよ。何の知識もなかったあの頃は虫を取ろうとフロント部にこれでもかと言わんばかりの洗剤を吹きかけてましたが、グリルやバンパー、ヘッドライトにも構わずぶっかけてました。人によっては溶剤に浸したティッシュやキッチンペーパーをヘッドライトにくっつけている方も見かけますが今では考えられません。
新車からしばらく影響が出ないのはヘッドライトにクリア塗装や強固なコーティングが定着しているためで、これらの被膜がなくなった時点で無防備状態になったヘッドライトは単なる有機ガラスとなりアルカリ性溶剤や紫外線にやられてしまいます。
過去に経験した事例ですが、ボディ研磨の延長で、磨く必要のないヘッドライトまで磨いてしまいおそらくクリア層やコーティング類を飛ばしてしまったためにヘッドライトの劣化が顕著に発現した事例を経験しています。ヘッドライトコーティングも様々ですが、モノによっては腐食や劣化を促進させてしまう成分だったりすることもあるようなので注意したいですね。
長くなりましたが「VDA認証製品」だというLabocosmeticaは安全だと言われても、本当に大丈夫かどうかが心配は心配です。でも他の製品よりもリスクが低いことは確かですし、傷を入れてしまわないよう研磨せず、ソフトディテイリングブラシを使って洗車したり、なるべく炎天下では使わない、ヘッドライト上部の隙間をよく濯ぐ等の配慮を続けたいと思います。
輝くクリアなヘッドライトは美観や見栄えだけでなく、夜道を照らす光が大幅に変わるため安全走行にも寄与されます。ヘッドライトの洗浄やコーティングについて今一度管理体制を再考し、安全な洗車ライフを楽みたいものです!
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洗車 | 日記
Posted at
2024/08/14 14:54:23