先週金曜日のこと。たしかツイッターのタイムラインを見ていた時だったか、新型シトロエンC4のデビューイベントが、東京・代官山の蔦屋書店で3日間にわたって開催されることを知った。しかも、そこの名物イベントであるモーニングクルーズを、シトロエンをテーマ車として同時に開催するという。これは是非とも参加しなくてはと思い、土曜日は早朝4時半に起きて5時にC4に乗って小山を出発し、7時に会場入りした。
朝一番は人も車も少なかったが、8時台には土曜日のテーマ車両であるC4直系モデルが続々と来場してきた。最終的には、GS、BX、エグザンティア、ZX、クサラ、初代C4、2代目C4、C4カクタスなど、テーマ車両はひととおり揃った形である。さすがに戦前型のC4はいなかったが。また、この日は来ていなかったが、アミもC4直系モデルとして対象に含まれていたのはちょっと驚いた。
この中で初代C4は、サルーンが私のを入れて3台とクーペが1台の合計4台が参加しており、その3台のオーナーさんと話をすることが出来た。入手の経緯や付き合い方は人それぞれで、多少の不具合は経験しているものの皆さん気に入って乗っているようで、共感できる点が多々あった。また、私も以前12年間乗っていたZXに93年から乗り続けている方とも話が出来た。
ところで、私がシトロエンのイベントに参加するのはこれが初めてのことだった。あらためて周囲を見回すと、カップルで参加している人が多いのと、まったり、ほのぼの、のんびりした空気が印象的だった。また、古いモデルや高いモデルほどエライ、のような雰囲気とも無縁だったように思う。自由・平等・友愛を旗印とするフランスの車ならではかもしれない。
それでも、会場全体が最も盛り上がったのは、土曜日のテーマ車両ではなかったがDSブレークが来場した時だった。まるで宇宙船のような外観、さらに珍しいブレークとあって、参加者の注目を一身に集めていた。おまけに、駐車の際にステアリングを切り返すたびに内側のヘッドライトが盛大に首を振り、その先進性のほんの一部を皆に見せつける形となっていた。また、テーマ車の中でBXが5台(たしか)ともっとも多く、熱心なファンが多いことを心強くも思った。その一方で2代目C4はわずか1台というのが気にはなったが(C4カクタスはかなり来ていた)。
このイベントの柱は新型C4のお披露目であり、滅多にない機会なので内外装をじっくり観察させていただいた。外装デザインは、全長4.375mというCセグメントの標準的なサイズの割りに伸びやかで躍動感があるのが印象的だった。また、内装は黒一色で、私のC4のような開放感は無かったが、シートの作りなど、快適性を最優先しているところは見て取れた。お値段は、売れ筋と思しきガソリン車のSHINEで325万円と十分競争力があるレベルだし、ぜひたくさん売れてほしい。
ところで、会場となった代官山の蔦屋書店は、車、バイクの書籍の品揃えでは定評があるが、私は今まで来たことがなかった。せっかくの機会なので店内をじっくり見て回り、C4のヘインズの整備書と、今村幸治郎画伯の卓上カレンダーを買った。どこまでも純粋な世界観で描かれたすばらしい作品を仕事の合間にでも観ていたら、心の落ち着きを取り戻せて、上司や同僚をどやしつける私の悪い癖も少しは収まるかもしれない?今村氏は2018年に亡くなられたが、本当に残念なことである。氏の作品のシルクスクリーンも展示されていたが、幸か不幸か、ちょっと衝動買いできる値段ではなかった。
イベントは予定通り10時に終わり、私も11時に晴れ晴れとした気持ちで帰途についた。C4は手に入れて以降ブログで触れることが無かったが、基本的には快調で、この日も片道110kmのドライブを十分に楽しんだ。最大の美点である乗り心地の良さに加えて、明るめの落ち着いた配色の内装と、久しぶりにシェードを全開にしたガラスルーフのおかげで開放感も抜群だ。おまけに、エンジン音と風切り音とロードノイズのいずれも低く抑えられている。そんなこんなで、行きも帰りも心が弾むひとときだった。また、直進安定性はすばらしいし、ステアリングやブレーキのタッチもカッチリしていて、運転すること自体も楽しい。エンジンは黒子に徹している感があるが、スムーズでトルクも十分である。さらに、センターメーターは老眼が進んだ身にも見やすいし、センターフィックスステアリングは手を離さなくても各種スイッチを操作出来るしで、大いに重宝している。もちろん外装デザインは今でも大好きである。真横から見ると、一直線のベルトラインとかまぼこ形のルーフラインによる安定感が印象的であるが、サイドウィンドウの形とわずかに後傾したBピラーとCピラーによるものか、ダイナミックな感じも受ける。これに対して、テールは丸くて後ろ姿は軽快感がある。いっぽう前に回ると、切れ上がったヘッドライトの強い目ヂカラと、シトロエンのシンボルであるダブルシェブロンを巧みに織り込んだシンプルなフロントグリルが印象的な、シュッとした男前でもある。全体を一言で言うと、丸くて四角で三角というような摩訶不思議な形だ。C6と同様に、一歩間違えば破綻するところをギリギリのバランスで成立させた、シトロエンらしさ全開の素晴らしいデザインと思う。下の写真は先月道の駅もてぎで撮影したものであるが、この角度から見るスタイルがいちばん好きだ。
というわけで、購入から1年半、2万kmを経てC4はますます気に入っているので、大切に乗って行くつもりです。皆さま今後ともよろしくお願いいたします。
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シトロエンC4 | 日記
Posted at
2022/01/09 22:57:38