
先月、妻が
ヴァンガードを電柱に擦ってしまい、
運転に自信がなくなってしまったようでしたので、
有料の運転トレーニングを受講してきました。
妻一人で受けるのは可哀想ですので僕も同行しました。
二人で受講すれば家族割で若干安くなります。
まあ、自分もやってみたかったのもあります(笑)
なお講習は撮影が禁止されておりますので
写真や動画はありません。
丸一日を使ってトレーニングする「総合トレーニング」はとても内容の濃いものでした。
メニュー順に感想を書いていきたいと思います。
午前9:30にスタート。
今日の受講者は我々を含めて22名、車両は2名に1台を割り振るため
11台の教習車マークXが並べられていました。
単独で受講するとランダムでペアを組まれるのですが、
我々は夫婦で申し込み、事前連絡をしたうえで同じクルマに割り当ててもらいました。
◎始業点検
ボンネットの開け方から始まり、
オイルレベルゲージ、冷却水とブレーキオイルのリザーバータンクの見方。
タイヤのトレッド面やサイドウォール、スリップサインの見方。
また、車両下部を覗き込んで液漏れなどがないかをチェックすることを心がけると
大きなトラブルを未然に防ぐ事ができることを教えてもらいました。
オイル交換などは僕がしていますし、
妻のクルマも面倒見ているので妻が困ることはないのですが、
妻にとっては新鮮な講義だったようです。
スリップサインを知らなかった(忘れてしまった)ようです(^^;)
◎死角の確認
屋内に教習車マークX1台が置かれており、その周囲に数十のパイロンが並べられていました。
1名づつ、そのマークXの運転席に乗り込み、パイロンの見え方を体感します。
ほぼすべてのパイロンが見えず、覗き込んでかろうじてパイロンの頭が見える程度。
車外から見てもピラーに隠れるエリア、車体に隠れるエリア、ミラーの死角などが客観的にわかります。
死角があることは理解していても、
見切りの良いセダンでさえ死角の範囲が広いことが体感できるのは大きいです。
妻にもSUVであるヴァンガードはもっと死角が多いことをわかってもらえました。
ナナマルも死角だらけなんだよね(^^;)気をつけないと。
◎慣熟走行
コースや講習車両に慣れるためのウォーミングアップ走行。
コースを2周したらドライバー交代。車速は制限されていて60km/h程度。
慣熟走行なので加速ポイント以外で速度出すのは難しいし、その必要もありません。
また、コースと言っても車線のようなものがあるわけではなく、
ただただ広いアスファルトの路面に幾つものパイロンが置いてあります。
そのパイロンを順番に見つけてパイロン間を通過して行きます。
パイロンの設置間隔は一定ではなく、短くて数m、50~100m先にあるポイントもあります。
広い視野で見渡さないとパイロンを見落とすため、
周囲をよく見る訓練にもなっている理にかなったコース設定です。
ひとつ先のパイロンだけを追うと直線的なカクカクしたラインになり、
2つ先のパイロンを見つけると緩やかなカーブが描け、無理のない走行に。
3つ先まで見つけられると自分でライン取りを選べるようになります。
ラインの引いてあるコースだとこういった広い視野を持つ訓練はできないので
よく考えられているなあ、と思います。
◎運転姿勢の確認
腰の辺に隙間ができないようシートの座面に深く腰を掛け、
フットレストとブレーキを目一杯踏みしめた時に膝が曲がる程度にまでシートを前に寄せ、
ステアリングの12時の部分に両手をかけた時に肘が曲がる程度になるように
ステアリングのチルト・テレスコピック調整とシートリクライニング調整を行い、
シートの高さは目線がフロントガラスの上半分のエリアに来るよう調整。
ヘッドレストが調整できるシートの場合には頭頂部と同じ高さに合わせる。
この状態でメーターがステアリングで隠れたりした場合には
各調整ポイントを微調整して完了。
この状態で運転をし、35度バンクにクルマを停め、傾いた状態で
一人ずつ運転姿勢を確認してもらい修正するなど、正しい運転姿勢を習得。
僕は我流でのドラポジより少しシート高を高くする程度の修正でした。
妻は少し遠いポジションだったので手前に来るように修正されました。
中途半端なドラポジだと35度バンクで、腰が曲がったりお尻がずり下がります。
しっかり深く座り込み、バンク走行中はフットレストを踏むことで踏ん張ります。
ナナマルで悪路走行する場合のことも考えますと、、
ベストなポジションをバンクを用いて体感する良いことだと思います。
◎ハンドル操作
正しいドラポジを取ることができた後に慣熟走行と同じコースを回り、
パイロンスラロームを通過します。
慣熟走行では我流のドラポジで走行しましたが
正しいドラポジでスムースに操作ができることを体感します。
また、アクセルと調和したスムースな運転を習得できるようになります。
◎昼食
このトレーニングには昼食のお弁当が付いています。
静岡県産の食材がふんだんに使われた美味しいお弁当でした。
もちろんお茶も静岡県産。
味噌汁だけインスタントでした(^^;)
◎高速フルブレーキング
一人5本走ることができます。
まずは60km/hまで加速して、目標のブレーキングポイントからフルブレーキング!
続いて80km/hでフルブレーキング、90km/hでフルブレーキングと速度を上げていき、
100km/hからのフルブレーキングを2回実施します。
ブレーキングポイントの少し先(30mくらい?)にパイロンが並べられており、
90km/hまではパイロンの手前で止まれますが、
100km/hではぶつかる可能性があるためハンドル操作を少し行って
退避する訓練にもなります。
急ハンドルやゆっくりでも大きくハンドルを切るとコースアウトするため
ゆっくりと落ち着いてハンドル操作を行うことと、
思い切ったブレーキ操作を習得することができます。
高速フルブレーキングは僕も初体験でした。
妻は短い距離で100km/hまで加速するためのフルスロットルすら初体験だったようで
心臓バクバク&喉がカラカラになったと言っていました。良い経験です(^^)
◎低ミュー路ブレーキングと雪道走行体験
こちらは一人3本走ります。
1本目はABSとVSCをカットして50km/hからフルブレーキング。その後に雪道走行。
2本目はABSとVSCをオンにして50km/hからフルブレーキング。その後に雪道走行。
3本目はABSとVSCをオンにして65km/hからフルブレーキング。その後に雪道走行。
教習車のマークXには改造が施してあり、スイッチでVSCとABSがカットすることができます。
カット中はメーター内のウォーニングランプが点灯しています。
こんな改造はメーカーだからできるのでしょう。
1本目の低μ路ブレーキングでは簡単にタイヤがロックしてしまいハンドル操作も効きません。
そしてVSCをカットしたまま雪道を模擬した低μ路へ突入。
インストラクターから攻めた走りでスピンしてみてくださいと言われ派手にスピンしてみました(^^)
VSCカットでの走行はトレーニング中に1度きりで、せっかくの体験ですから事故ってナンボです。
2本目の低μ路ブレーキングではABSが効くので
制動距離が長くなりますがステアリングで退避操作が可能になります。
雪道走行でもドリフトさせてもらえないようにトラクションコントロールや
スリップした車輪だけブレーキをかける操作が自動で行われて安定走行できることを体験。
3本目の65km/hからの低μ路ブレーキングでは
ABSが作動してもハンドル操作が効かなくなり、ABSの限界を体感します。
実際の道路でこんな真似できないから貴重な体験でした。
妻は遊園地のアトラクションより面白いと言っていました(^^;)
◎飲酒運転疑似体験
酒酔いゴーグルを使った飲酒運転疑似体験もありました。
酩酊状態と同じ視野になるゴーグルを装着し、
低速走行でパイロンスラロームを実施します。
パイロンがボコボコになっていたので過去にぶつけた人がたくさん居たのでしょう。
僕らは無事に通過できましたが気持ち悪くなりますね・・・(^^;)
意識がはっきりした状態でもパイロンの距離がつかみにくく、
ライン取りが相当ふらついたのですから
実際の酔った状態だと操作も遅れますから危険すぎます。
飲酒運転する奴は運転技術の過信や高揚感もあって
運転を強行してしまうのでしょうね。
危ない危ない。
◎総合走行
最後に今日習得した内容をトータルで復習するため、
アスファルトのパイロンコースと雪道模擬コースを合体させたコースを一人3周して終了です。
雪道模擬コースではVSCはオンでありますが、
VSCが介入しない限界ギリギリを探る練習も兼ねています。
ハンドル、アクセル、ブレーキを連携させたスムーズな走行を習得することができるようになります。
予定では17時までですが16:30には終わりました。
ノートラブルだったので、
何かトラブルがあれば17時までかかっていたと思います。
12月ですので日の入りが16:40くらいでしたので
真っ暗になる前に終わりました。
この内容で一人¥1,4000は安いです。
一日22人が受講して、30万円程度の売上、
インストラクターは何名も居ましたので、どう考えても赤字です。
受付スタッフや事務方のスタッフも居たでしょう。
各自治体の機関がこのような施設を運営して、
多くの安全なドライバーを生み出してくれれば良いのですが
あまりもお金がかかる事業であると思いますし、
参加費用が高過ぎると参加者数も伸びず意味がなくなってしまいます。
トヨタの関係者ではありませんが、とても良い施設です。
開業して10年とのことで、
もっともっとたくさんの人に参加してもらいたいです。
僕も、他のトレーニングを受けたくなりました。
レーシングドライビングレッスンとか(^^)v
危険な運転をする(危険と気づいていない)ドライバーは
そもそもこのような講義を受けることはないでしょうし、
安全意識や運転義実にはバラつきがあるので
事故はゼロにはならないですが、
自分らが率先して安全運転に努め、
自分の安全はもとより、他のドライバーの安全をも守れる
究極のセーフティドライバーになることが目標になりました。
まずは妻の手本となることから始めたいと思います。