引き続き調べています。日本仕様のV40で、任意の映像を表示させる方法はとりあえず 以下の3通りを見てきました(③は最近知りました)。
- ① リアビューカメラ映像の差し替え(NTSCのコンポジット信号)
- ICMのTV2コネクタ(茶色)に接続し、CAMリアビューカメラモードに切り替える。この場合、縦横比は3:4になり、右端に車体のCGアニメーションが表示される。
- ② TV映像の差し替え (NTSCのコンポジット信号)
- ICMのTV1コネクタ(緑色)に接続し、MediaメニューからTVを選択する。この場合、縦横比は16:9になり、フルスクリーンで表示される。難点は、音声信号の制御がICMを介して行われるため、映像をTVにして音声をBluetoothにすると言った操作が困難な点。
- ③ ナビ映像の差し替え(デジタル信号:詳細不明)
- LVDSケーブルに接続して、NAVボタンを押してナビ画面モードにする。この場合、画面周辺に温度設定や曲名または次の案内ポイントまでの距離等が表示される。Mediaメニューとは独立しているため、Bluetooth 音源のまま映像だけ切り替えられる。
③についてはデジタル信号のフォーマットが不明で、ネットを色々調べているところですが、車業界以外で採用されていないようで、なかなか情報が見つかりません。1対の信号線でギガビットぽいのですが、どういうコンバータが必要なのか現時点では分かっていません。
大いにヒントをくれるのが、Android デバイスハックの総本山 XDA developer フォーラムです。Sensus Connected Touch (SCT) が Android デバイスなので、本フォーラムの対象になっています。盛んにやりとりされており、現在までに169ページ(!)に及びます。ハッキング(=root権限取得)が主題ですから、興味あるところだけつまみ食いしてみました。
http://forum.xda-developers.com/showthread.php?t=2449005
SCTの要件として、7インチディスプレイ装着車に後付け言うことで、日本のV40オーナーの方も期待された方がいらっしゃるかと思いますが、ここではSCTそのものではなく、フォーラムで色々と分析されているハードウェアから、上記③のデジタル信号の足がかりを探ってみたいと思います。
SCTは、既存のSensus(ICM+IAM)に、新たなユニットを追加して、ICMとIAMの間に割り込ませるような形でインストールします。CANバスラインについても、TVキャンセラーと同じ構造で割り込ませます。加えて、7インチディスプレイにタッチスクリーンを被せます。以上は、
MY2014のインストールマニュアルから読み取ることができます。
フォーラムによれば、ユニットは以下の様な姿をしています。




RCAのAV入力、SDカード、USB-A、GPS、IAMからの映像(LVDS)、ICMへの映像(LVDS)、CANバス等のコネクタが見て取れます。ここで、
フォーラム65ページに目をやりますと、ICMへの映像出力のところに、
DS10CP152なるチップがあり、これがIAMからの映像(DVDやTV)と、Connected Touch 自身の映像を切り替えるスイッチICということです。これは差動の高速デジタル信号の流れを変えるデバイスであり、映像信号のフォーマットそのものを特定する材料にはなりませんが、映像切替装置を自作する場合に使えそうです。こうして見てみると、Video Interface として出回っている中国製のものと、基本的には同じような構成と言えます。違いといえば、VIDAによるICMのソフトウェア書き換えにより、Mediaメニューに Conntected Touch の項目が追加され、純正のGUIで操作できる点でしょうか。
本当に知りたいのは、RGB等の映像信号をLVDSに変換するフォーマット、もっと言えばLVDS出力をするためのLSIが特定でき(かつ入手でき)れば、類似デバイスを再現することが可能となります。
LVDSという用語ですが、これ自体は低電圧の差動通信の規格であって、映像信号そのものを規定するわけではありませんが、解像度800x480のLCDといえば、6~8対のバス信号を意味するようです。ボルボのSensusは1対のケーブルなので、複数のバスをシリアライズしていると考えられます。シリアライザICというのは出てきますが、シリアライズされる前の信号がわからなければ使えません。
1対の映像信号の候補として挙げられるのが、
SonyのGVIFです。日本車でも採用されている例があるようですし、欧州車でも採用されていそうな雰囲気です。これであれば、
ebay にてICが入手できそうです。
他の候補としては FPD-Link II / III があります。LVDSを使用して1対で伝送する規格になります。この場合も入手性は期待できそうです。
V40 の実際がどうなっているかは、IAMやICMを殻割りしてチップを特定するのが早そうです。時間を見つけて見てみたいと思います。
Posted at 2014/08/26 18:16:45 | |
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