2014年01月13日
小さな姿
今日は祖父の命日。
10年前、他界した。
78歳。
あの時代の人にしては、
身長が180cmもあり、
体格が良かった祖父。
無事故無違反40年。
そして無遅刻無欠勤40年。
地元の私鉄では、車酔いする人が一人も出ない
観光バスの運転手で、お客さんから指名が入るくらいの
会社きっての熟練パイロット、いや、ドライバーだった。
原付の免許取って、中型二輪取って、就職には普通自動車の
免許が必須と言う事で、ホントぎりぎり就職前に車の免許を取った私。
バイクで速くから公道に出ていた為か、自動車学校では
男女関係無く泣かす、鬼教官ですら、私は怒鳴られたことがなかったけれど
祖父には、最後の最後まで褒められる運転は出来なかった。
『手前さん出てくうでしよっとんおっとけ、なしけんのブレーキん遅か!』
だとか、
『ぬしゃ、なしけんがら前さんつぅのぉてくとか!』
とね・・・(; ̄ェ ̄)
そんな祖父が・・・
言動が怪しいと周りが気付き始めた頃は・・・
恐らく20年前くらいだった気がする。
趣味の盆栽が、
徐々に、
歪な姿を見せ始めて
そして
寝たまま、
10年の月日が流れた。
けれど、
周りと
家族の
介護が
効を奏したのか
太陽の下で
散歩に出掛ける事も
少しずつ
出来るようになったある日。
頭が痛い、
気分が悪い
それだけ。
たったそれだけ。
私が
完成したばかりの
カローラで
たどり着いたときは
とてもじゃないけれど
身長が
180cmも有る人間が
入れそうに無い
木の箱に
横たわって
笑っている
祖父の姿。
かの第二次世界大戦で
激戦地のフィリピンから、
僅かに生き残って
帰ってきた兵の一人。
だけれど、
その時の話は、
口にした事も無くて、
全く聞いた事も無かった。
どんな思いで、
その後
過ごしてきたのだろうか。
何一つ話さず。
何一つ聞けず。
触れられたくない
記憶だったのだろう。
その記憶を
ずっと
心の奥底に
仕舞い込んで
50年余り、
生きてきたのかと。
そう考えたら、
この50年は、
物凄く
辛かったんじゃないかと。
お疲れさま。
やっと重荷から
解き放たれたんだなと
良かったねと。
もう色々と
記憶に
悩む必要が
無くなったんだと。
あれから10年。
祖父は
祖母と共に
また
二人で
過ごせる
様にと
少しずつ
時間が
近付いて
来つつある・・・・
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Posted at
2014/01/13 02:06:05
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