
9月下旬の祝日。いよいよ、
四国へのツーリングに出発します。
連休最終日まで2泊3日の行程ですが、初日と2日目に予約してある宿(所在地はいずれも高知県です)を別にすれば、事前に決めている予定は何もありません。電車や飛行機の出発時刻など旅程に縛られず、心の赴くまま自由気ままに行動できるのが、自動車旅行の楽しさというもの。今回の旅でも、お気軽ソロ・ツーリングの醍醐味を満喫してくるつもりです。
さて、神戸から四国へと向かうルートは、普通なら、明石海峡大橋から淡路島に渡って大鳴門橋を経由して徳島県に上陸するのが定番でしょう。しかし、連休真っ只中にこのルートを選択してしまうと、出発早々に神戸市内で、阪神高速・第二神明道路の渋滞区間に捕まりそうです。ドライブの初っ端からストレスが溜まりそうで、このチョイスは避けたいところです。
そこで今回は、山陽道ルートで瀬戸大橋から香川県に上陸するプランにしました。初日の最終目的地は、高知県の深い深い山の中にあるお宿ですが、香川→愛媛→高知と四国3県をリレーで繋いでいけば、日暮れまでに到達可能とカーナビの予測結果も太鼓判を押してくれています。ツーリングマップルRの中国・四国編を道案内に携え、いざ四国に出発です。
渋滞の無い山陽自動車道を高速走行した後、中年オヤジとGTIは、岡山県の備前ICで早々にアウト。四国上陸の前に、本州で少し足慣らしをしようと、備前~岡山のおすすめルートとツーリングマップルも推奨する
岡山ブルーラインに乗り換え、瀬戸大橋をめざします。
このルートのハイライトといえば、同書で「心洗われる風景」と激賞される片上大橋からの風景ですね。橋を渡りきったところに設けられた駐車スペースにクルマを停め、穏やかな瀬戸内海の入り江に浮かぶ筏の群れを眺めてみました。
しかし、正直に言うと「心が洗われる」ほどの感動はありません。悪くは無いけれど、これぐらいの景色であれば、兵庫県でも赤穂界隈のシーサイドにいくらでも転がっています。それより何より残念だったのは、今回初めて実走する岡山ブルーライン自体にドライブの爽快感が殆ど感じられなかったことでした。
延々と続く片側1車線と黄色いセンターライン。ひょっとして連休の影響もあるのでしょうか?交通量も少なくはなく、大型車の後にくっついてしまうと、我慢のスローペース走行を強いられます。ストレスフルな状況は、岡山市内に入って国道2号線バイパスに合流するとさらに拍車が掛かって、ついには交通集中による渋滞のなか、ゴー・ストップの連続という最悪の事態に至りました。このままでは、いったい何のためにドライブに出かけたのか?責任の所在を問われかねません(誰から?)。
たまらず、国道バイパスから県道にスイッチ。瀬戸大橋を渡る前に、ストレスをちょっと解消しようかと、本州最後のワインディング・鷲羽山スカイラインをひとっ走りすることにしました。
鷲羽山スカイラインは、水島エリアを西に見下ろす丘陵部を縦横無尽に駆け巡る痛快無比な屈曲路。かつては有料道路であったらしいのですが、今では一般県道として万人に開放されています。岡山方面から県道62号線を西に進み、瀬戸中央道・水島ICを通過した後しばらく走って行くと、水島へと向かうメインルートの県道左手にエントランスが開けており、なにげに旅人を誘っています。
今回初めて実走してきたこのスカイライン。印象はというと、無料化された後の整備も怠りなく、路面コンディションは滑らかの一言。実に良好です。乗り手の技量を試すようなタフなヘアピンが連続するわけでなく、ヒルクライム、そしてダウンヒルも2~3速固定でOK。どこまでも、心地よく駆け抜けていくことができます。主観的インプレッションで例えてみるなら、
伊勢志摩スカイラインなど海辺の絶景峠に共通して受け継がれているDNAを備えた、私好みのシーサイド快走路でした。
ただし、鷲羽山スカイラインの場合「絶景」の意味合いが少し特殊で、若干の注釈が必要かもしれません。途中に設けられた展望台から望むことができる風景は、瀬戸内海の穏やかな島並みではありません。日本の重厚長大産業の屋台骨を支える水島臨海工業地帯の人工的・無機的・第2次産業的・工場萌え的に無骨きわまりない巨大工場群のパノラマが目の前にドーンと広がっているのです。
今回は昼間に、高台から水島の工場地帯を見物したわけですが、もし夜になれば、重化学工業のプラント群は目映い灯火に覆いつくされ、この世のものとも思えない煌びやかな光のドレスを纏っていることでしょう。それを見たいのか?それとも見たくないのか?しがない中年オヤジにとって、よくわからない難問です。
それからもう一つ、鷲羽山スカイラインには注意を払うべき問題があります。最高点の峠を越えて、瀬戸大橋方面へと豪快なダウンヒルを楽しんでいると、反対車線に現れた対向車がGTIに向かってパッシングを一閃。こいつは何かあるな?とペースを落とし、沿道の気配に警戒していると、案の定、少し先のスペースで、物々しい計測機器を並べた警察の皆さんが獲物を狙っていました。
そういえば本日から、秋の交通安全運動なる反則金ノルマ強化イベントがスタートしましたと、親切なラジオが教えてくれていたのを改めて思い出しました。気を引き締めないといけません。
鷲羽山スカイラインの取り締まりのポイントは、「ここから児島警察署管内」と書かれた看板から南に降りた少し先です。
気をつけましょう。無遠慮に仕掛けられた罠に捕まる善良なドライバーが、一人でも少なくなることを願ってやみません。
さあ、罠の隙間をかいくぐり再びペースを上げ、海へと一気に駆け下りれば、四国への扉・
瀬戸大橋が待ち受けています。本州と四国を地続きに結ぶ巨大橋。善男善女でごった返す麓のパーキングから見上げ、そのスケールのでかさを実感!
瀬戸は日暮れて夕波小波・・・・そんな風情を愛でる間もなく、橋を渡ればあっという間に香川県・坂出に到達です。時刻はお昼をちょっと回った頃合い、ランチタイムの到来ですね。香川とくれば、言わずと知れた讃岐うどんの聖地。GTIと中年オヤジは、数ある名店のひとつへと向かって進路を西へととりました。
次回は、
讃岐うどんと四国の深い山々へのドライブです。
ブログ一覧 |
drive & touring | 旅行/地域
Posted at
2015/09/23 16:47:46