
海沿いの断崖絶壁を眼下にくねくね走り、ゴールに到着。
ご期待に沿えず恐縮だが、ここはほぼマニアしか訪れない、赤道近くのど田舎のダイビング・エリア。
セブ島ほどの派手さはなく、数件のダイビング業者「のみ」が点在している、文部科学省推薦文句なしの健全エリアだ。
到着するや否や、荷物を部屋に放り込み、徒歩30秒でタンクを山積みにしたボートに乗り込む。
すでに全ての機材は積み込まれており、手際の良さが心地よい。
10分ほどで小さな無人島に着く。そこで潜り、また移動して合計2箇所で潜り、宿に帰り夕食に。
夕食前に手短にオーナーと2人で料金の打ち合わせ。額を付き合わせて積算する。
オーナー 「今回はxxでどうだ」
私 「いいよ。ついでにアドバンスドのCカード3人分の発給も頼む」
オーナー 「彼はいいのか?」
少し離れた先のもう一人の連れを見ながらオーナーが尋ねた。
私 「彼はレスキュー持っているから要らない」
ご存じの方もいらっしゃるだろうが、「Cカード」(Certification Card)とはダイビング団体がダイバーに発行する認定証。
よくマスコミや、ダイバーが「ダイビング・ライセンス」や「免許」と称しているが、それは間違い。
資格や免許ではなく認定・検定の類で、いわば「珠算3級」や「英検2級」とかに相当するものだ。
誰がソロバンを弾こうが、英語をしゃべろうが咎められないのと同様に、認定証なしでも勝手に潜れる。
これに限らず「認定・検定」を「資格・免許」と称し混同する風潮には、「資格商法」の蔓延もあってか、少々私は気にくわない。
特にオネータンを前にして
「シーマンの俺って、ダイビング・ライセンスも持っているよ」
「ワァー。素敵」
なんて場面に出くわしたら、
「ちゃう、ちゃう。それはな・・・」
とオッサンはつい突っ込みたくなりそうだ。
・・・とは言ってもダイビングには非常に危険を伴うので、講習や認定のの重要性は私は十分に認識している。
まあ、全てのダイビング業者が講習と認定の代行をしていることもあり、これがないとタンクを貸してくれないし、仮に自前のタンクを用意しても空気の充填もしてくれないし、船にも乗せてくれない。
従ってCカードなしで潜ろうと思えば、船、機材一式自前で揃える必要がある。
実質必須状態でもある。特に海外先進国では厳格だ。
今回の面子は偶然全員Cカード保持者だが、因みに「アドバンスド」とは少し上の認定で、深深度、潮流の速い所、夜間ダイビング等も想定している。
オーナー 「じゃあ、発給までの必要な全てを含めてxxプラスでどうだ?」
破格の追加費用だ。勿論良心的という意味で。
私 「十分すぎるほど納得」
かくして、目出度く手打ちとなった。
私 「じゃあ先に渡しとくね」
まとめて総額を渡す。
私 「これはアンタに」
オーナーにチップを渡す。
オーナー 「すまんな」
ついでにスタッフ全員を回り同様に。
少し多めに弾んだが、それでも十分以上に元は取れる。
これで今後一切財布の口を開くことはない。ただひたすら飲んで食って遊ぶだけだ。
お金の呪縛から完全に解放された3日間を過ごせる。他の業者ならこうはいかない。
卓上には全くもって食べきれない種類と量の食材が。勿論酒もいっぱい。頼めば何でもでてくる。勿論時間制限なんぞもない。
3日間の貧乏殿様レジャーの幕開けだ。
Posted at 2014/08/09 22:38:56 | |
流れ流れて | 日記