
写真を取る暇がなかったので、文字ばかりで・・・。
本日はお休みだったので、家族でとある方面へドライブに行ってました。場所は控えます。
天気も良く、山道は良いドライブ日よりでした。
市街地を抜け、30分ほど走ったところでしょうか。
前で車が止まっていました。
というか10台前後の車列でした。
季節柄、「工事の片側通行かな?」と。
でも先のほうから一台折り返してくる車が見えました。
「事故?」
事故でした。
遠めで見る感じ、トラックが横転しているのが見えました。
はっきり言って、この時点で自分は完全な野次馬根性丸出しでした。
ほぼ完全にトラックが道路をふさいでいたため、通り抜けが出来る状況ではありませんでした。
また、迂回路も存在しない一本道のため、
引き返して目的地に向かうのも、JAFが来て解決を待つのも、大して変わらないように感じました。
そこで、「急ぐ旅でも無いし、写真でも撮るか」と思い、車を止め、テクテク事故現場まで歩いていきました。
人間って不思議ですね。
皆車からは降りるものの、事故現場に近づく人は誰も居ませんでした。
とても静かでした。
大分近づくと、トラックの手前に大破した車が要るのが分かりました。
歩きながら近くの人に、
「大丈夫なんすかねー」
我ながら、なんてのんきな発言。
すると、大破した車から一人の男性が走ってきました。
「お?運転手、意外と元気だな?」
男性は言いました。
「誰か毛布持ってませんか!!!!!何でもいいから、暖めるもの!!!!」
この時点まで
「運転手が閉じ込められている可能性」
について全く考えて居ませんでした。
そんな自分が恥ずかしい。
その男性の発言を聞いて色々な妄想が頭をめぐったのも事実でしたが、とりあえず僕は自分の車までダッシュで戻りました。
「毛布はないけど、大きなバスタオルなら何枚か積んでる」
走って戻ったんじゃ遅いと思い、車に乗って現場近くまで移動しました。
バスタオルをもって大破した車に近寄るとまだ運転手は車の中に居ました。
閉じ込められている、という状況ではありませんでしたが、レジャー用のシートみたいなものにくるまれていました。
目立った外傷はありませんでしたが、意識は朦朧としていました。
救護に当たっていたのはその時点で2名。
1名は毛布を探していた男性で、自衛隊の服を着ていました。
恐らく後続車の一名かと。
救護中に「寒い」と言い出したので、と。
もう1名は女性で、こちらも後続車と思われ、レジャー用のシートを貸し出した方でした。
大破した車の中にはバスタオルを掛けられた男性。
救護している二名。
奥ではトラックが横転。
ここで自分は何をすべきだったのでしょうか。
救急車を呼んだかの確認?
警察を呼んだかの確認?
自衛隊の方に状況を聞く?
女性の方に状況を聞く?
トラックのほうも確認?
良く分かりませんが、自分はとっさに、運転席の後部座席に座り、呼びかけました。
「大丈夫ですか!!」
呼びかけ続けました。
「大丈夫ですか!!!!」
男性からは、応答がありました。
朦朧とした意識の中、トラックのこと・自分の会社がつぶれてしまうこと・早く取引先に行かなければならないこと・皆に迷惑を掛けてしまったこと、そんな事を繰り返していたと思います。
仕事上、若干ながら医療の知識があったので、脈拍などのバイタルサインを確認しました。
総頚動脈(首の動脈)では脈拍は確認できましたが、橈骨動脈(手首の動脈)では非常に脈が弱くなっていました。
手首で脈が触れないとすると上の血圧が90を切っている事になります。首で脈が触れれば、最低でも60くらいはキープできています。
いずれにせよ血圧は低めの印象でした。
心拍数は70~80台。事故の直後にしては少し少ない感じがします。
呼吸は非常に弱く止まっているかと思うくらいです。
顔色はまぁまぁ。
だからどうした、と自分でも思いました。
お前は何様だと。
結局自分は首の脈を確認し続けること、ずっと呼びかけることくらいしか出来ませんでした。
救急車が来ない。すごく長く感じました。
実際は事故発生から自分が行ったので5分後くらい?
そこから救急車が到着まではさらに15分くらいだったと思います。
途中で警察が到着しましたが、警察は身元確認、事故の現場検証をやっていました。
自衛隊の方は時折手首で脈を測ったり、なんか色々なことをやっていました。
女性の方は時折私と一緒に呼びかけていました。
「大丈夫ですか!」
大丈夫なわけはない。
今まさにトラックとほぼ正面衝突したのだ。
「トラック・・・トラック・・・・」
この男性が反対車線にはみ出してしまったのか?
しきりにトラックのことを気に掛けていた。
40才台くらいの男性、会社の社長さんでしょうか?
「会社が倒産してしまう・・・・○○に行かなきゃ・・・」と。
「会社なんて、またやればいいしょ!!死んだら出来ないよ!!!!」
彼の何も知らない。こんな陳腐な言葉しか出てこない。
段々声も聞こえなくなってきた。
頷く位しか出来なくなってきた。
「奥さん居るんでしょ!!!!」
頷いてくれた。
「子供もいるんでしょ!!!!」
頷いてくれた。
「何人?一人?」
「(ふたり)」と言った様に聞こえた。
「二人?」
頷いてくれた。
「名前は?」
「( )」
聞こえなかった。頑張って聞いてあげたかった。
「奥さんも、お子さんも居るんだからしっかりしなきゃ!」
「家族の顔思い出して、頑張ろう!!目を開けて!!!!」
かなり前には開かなくなってしまった男性の目から、涙がこぼれた。
「ホラ頑張って!!!!!」
この頃には大分血圧も落ちてきたように感じた。
意識レベルも大分下がってきてた。
やっと救急車が来た。
救急隊員に
「少し前までは発語もありましたが、今はかろうじて頷くくらいです。」
とだけ伝えた。
冒頭の写真は嫁が撮影。
あれ以上、自分は何が出来たんでしょうか。
別に自分を責めるわけでも、ヒーローになりたいわけでもないんですが。
場所が悪かったです。
大きな町からは早くても20分以上は掛かる場所でした。
実は救急車が着く数分前にはドクターヘリが上空に到着して、旋回してました。
もっと体の状況を確認したほうが良かったのかな?
外傷が無かったけど、もしかしたら頸髄損傷とかしてる可能性もあった。首を全体動かさないように固定しておいたほうが良かった?別に動かしたわけじゃないけど・・・。
自分的には血圧低くなってきてるように感じた。
でも医者じゃないし、確実なものでもない。「そんな気がする」範疇だった。
自衛隊さんが警察さんに言ってた。「今、脈34だから。」
それは手首で測ってるからだよ・・・。弱くて測れていないんだよ・・・。血圧落ちてきている証拠だよ・・・。
でもそんな討論する場面でもないし、自信もないし、否定することでもないし。
でももしかしたら、内臓破裂とかでどっかから出血してて一刻を争う状況だったのなら、完全通行止めにしてでもヘリ降ろすよう警察さんに言えたのでは?(実際警察さん同士ではそんな話してた)
結局ヘリ乗ったのかな・・・。
道は後続車の一台がユニックで、一台かろうじて通れるだけのスペースを空けたので、ずっと前には通れるようにはなってました。
トラックの運転手はピンピンしていて、トラックの上に乗って写真撮ってた。
こんな事をブログに書くことじゃない!
とお叱りのご意見があればどうぞ。
ただ一つ言えたのが、自分もそうだけど、結構みんな冷たいなって。
だって、自衛隊さんはいち早く駆けつけたみたいだけど、他の人は完全にスルー。
遠巻きに見てるだけ・・・・。
免許取るとき、応急処置くらい習ってるはずでショー。
自分ももっと救命救急の勉強しよー。
あの男性の方、元気になってバリバリ働ける事を祈ります!!!!
ご家族と元気に会えるといいですね!!!!
PS:ドライブを終えて4時間後くらいに現場通ったら、まだ交通規制してた・・・(笑)
警察の人に
「あれっ?なしたの?せっかく抜けたのに戻ってきたの?好きだね~。今レッカー車が壊れたらしいから、何時に通れるか分からんよ。飛んで火に入る・・・だな(笑)」
って言われて、カーボンボンネットとかヘッドライトの話で盛り上がったら通れた。
ってか、俺の車、警察にもろバレね☆☆☆
とある方面ではおとなしくしなきゃ♪