このGW後半、レンタカー屋のキャンペーンを使いF30 320iを350キロほど乗ってみました。
借りた車両は、
320i、アルピンホワイト、タイヤはBSトランザRFT205/60R16、純正16インチ、ノーマルサス、走行1400キロ。
新車の匂いプンプン状態、素の320iです。
見た目。
E46と比べると随分と立派になった印象。スタイリングは個人的にはこれと言って違和感は感じず。どちらかというと好み。
着座してみる。
重心は低い印象。シートを目いっぱい下げるとドラポジかなり低め。座った瞬間にこれぞBMWの3シリーズだねと感じる。室内空間は左右前後ともE46に比べ結構余裕があるが、無駄に広い感じもなく好印象。素の320iだからシート地もザックリした布地。ステッチなども凝ったところがなく実にプレーンな感じ。派手さは無いが質感は高い。
ペダルレイアウトはE46のRハンドル仕様と同じく、全てのペダルが若干右寄りに感じる。経験上これは慣れのレベルと判断し気にしないことにする。
インパネの印象。
これも見た目同様E46と比べると、随分立派になった印象。モニター位置、Idrive操作系どちらも適切な位置にあり、見やすさ使い易さ共に文句なし。エアコン操作パネル、オーディオスイッチもBMWに触れた経験がある人なら、さして問題は出ないと思う。直感的に操作できる。
ナビも90LCI以降は相当進化し、モニター画質含め社外ナビの必要性は感じられない。ナビ誘導中はメーターパネル内下部のディスプレイに矢印、次に曲がるポイントまでの距離、交差点名等、必要な情報が簡略されて表示される。
それに加え、オーディオ関連の表示も出来る。HDDやCDなど曲名を表示可能で、トラック送り、戻しもステアリングスイッチで可能。メーター内ディスプレイで確認しながらステアスイッチで操作出来る。もちろんソース切り替えや音量調整もステアリングスイッチで可能。
このメーターパネル内下部のディスプレイのおかげで、視線をずらすことなく運転に集中しながら必要な情報が瞬時に得られ実に安全。
エンジン掛けた印象。
スマートキーの為、スロットも無く、ポケットに鍵を入れたまま、ブレーキ踏みながらスタートスイッチ押せば普通に始動。冷間時、暖気後共に気になるような振動は無し。ただし、6発好きには、許せない音がしてるかもしれません。特に運転席窓を開けてると、『カラカラ、チリチリ』と直噴4発独特の音が聞こえます。窓を閉めてれば、そう気になりませんが。笑
エンジンのフィール。
細かい制御の8速ATのおかげで、2000回転以下で街中は事足ります。低回転のトルク感はたっぷりとは言いませんが十分です。6000回転ぐらいまではトルク感、パワー感ともに好印象。回転フィールは、スムーズ&密な感じ。それ以上の回転は頭打ち感が伴うが、きちっとレッドゾーンまで回ります。音質は回転上昇に連れ比較的乾いたコモリ音を発する。悪くない印象。
国産車のように過剰な演出が無いので色気が感じられないかもしれないが、この主張しすぎない感、黒子に徹してる感が知的に感じるし、こういうエンジンは長く付き合っても疲れないと思う。
色気<堅実、こんな感じでしょうか。
ATのフィール。
頭良い制御です。変な引っ掛かりもなく、多段化されているのに極めてスムーズ。あまりにスムーズすぎて『今、何速だっけ?』って思うことたびたび。AT独特のすべり感みたいなモノもほとんど感じられず、これならツインクラッチの2ペダルの必要性もさほど無いと思えた。
走行モードの変更(スポーツ、コンフォート、エコプラスの3モード)により明確にシフトアップダウンのフィールは変わる。私は飛ばしたきゃマニュアルモードでシフトを『カチャカチャ』させてしまうのでスポーツモードの有益性は感じられなかったが、コンフォートとエコプラスは案外使い分けることができた。
・高速、郊外路、流れの良い市街地→コンフォート
・渋滞やノロノロな市街地→エコプラス
こんな使い方してみました。得てして使えないエコモード搭載車種が多い(再加速が遅すぎてビックリ!そこでスロットル多めに開けると、やっとこさ加速。しかし後ろは渋滞→結局は大迷惑。。。)と感じる中、コイツはなかなか使えました。加減速を繰り返してイライラすることはほぼ皆無。逆に『無駄が無くてよいね♪』こんな独りごとフッと言ってました。
適度な無駄=贅沢(高速、山坂道を心地良く走っている時)、余計な無駄=ストレス(渋滞中など流れが非常に悪い時)こんなことを感じる私にとって、エコプラスは有益です。いい線突いてます。実にクレバー。
アイドルストップ。
外気温や、車両の油水温、エアコンのオンオフ、走行モードによってストップ時間の長短はあるようですが再始動時の違和感は感じず。国産ハイブリット車のスムーズな再始動には及ばないが、かといって目くじら立てるようなこともなかった。
アイドルストップ機構は右折待ちなどでエンジン停止状態からの危険回避的な急発進が出来ずに危ない、という見識もあるが、この車両はブレーキペダルをチョコっと緩めるとエンジン再始動したのである意味使いやすい。右折待ちで『そろそろ直進とぎれそうだなぁ』と感じたらブレーキ微妙に緩め車両はクリープしないがエンジンは再始動させた状態にしておく→直進が途切れたらスロットル開けて発進。こんな風にして付き合ってみました。クルマを運転するのはドライバーです。ちゃんとクルマの特性に合わせれば良いだけ。なんでもかんでも技術のせいにしてはならない。とちょっと思った。
ステアフィール。
いやぁ、これは完全に脱帽でした。なにせ、どんな状況であれステアフィールの雑味の無いスッキリ感は変わらず、切ったら切った分だけ確実に曲がる(ハイグリップではない偏平率60%のタイヤなのに。。。)その上に高速の直進安定性もすこぶる良好。タイヤ依存度が高く無いんでしょうね。シャシで曲がってくって感じ。
ステアに伝わってくるインフォメーションの確実さ、これも上質。
『やっぱりいいわぁ~』この一言に尽きると思う。自分の感覚に合うんでしょうね。違和感ゼロです。
ただ、時速80キロで走行するよりも時速100キロより上のレンジで走行してる方が安定してるように感じるのはBMWの味なのでしょうか。E46も全く同じ特性があったように記憶してます。
ブレーキフィール。
回生ブレーキが付いてるのか、停止直前のコントロールが微妙に難しい。ただタッチ自体は以前のモデルと変わらず、超高速域からの連続フルブレーキ(これ妄想で書いてます。笑)も毎度安定していて、かつ十分な制動力を得られている。
停止直前のコントロールはクリープ現象のないMTなら気にならないのかもしれません。
燃費
①
高速70キロ、郊外路(山坂道含む)170キロ、市街地80キロ、市街地渋滞20キロ
平均車速60.5キロ エアコン5割ON
オンボード燃費14.9キロ、満タン計測15,7キロ
②
市街地ウロウロ45キロ
平均車速21キロ エアコンON
オンボード燃費11.5キロ
E46 318i時代にさんざん走行した経路、かつ、昔を思い出しながらメリハリつけた、ソコソコのペースで走行しました。過去の記憶からだと約2割はF30の方が良くなってるようです。
総評。。。
長々と書いてしまいましたが、要は書きたくなるクルマってことなんだと思います。
車重がE46比+150キロ弱、時代の流れや変化に対応し大型化かつ重量増しながらも、全くネガな部分は感じられなかったのにも驚かされた。
ポリシーを曲げず、ドライバーフレンドリーさを忘れていない、そんなクルマです。
『ATで乗るのが正解!』そう思う車(エンジン)が多い昨今、コイツはMTじゃなきゃ味わえない味のあるクルマかもしれないと感じたのも事実です。『高回転まで回すからMTが好き♪』『飛ばすからMTが良い♪』じゃない類の方々、いいかもしれませんよ。飛ばさなくても味が濃いクルマそんな印象でした。
ちなみに今から12年前、社会人1年目に無茶して新車で購入→約4年3カ月で11万キロ一緒に色んな所を走り回ったコイツ

これに近いクルマなんだろうなぁと感じました。
前日ヘトヘトになるまで運転して、少なめの睡眠でも目が覚めたら、また運転したくってしょうがない。。。そう思えるクルマでした。
やばいなぁ、F30 320iのMT、私のツボなのかもしんないぞ♪