新型アテンザ「ハイウェイパッケージ」のインプレ
投稿日 : 2008年03月16日
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はいはい新型アテンザのインプレの続きです。
今回は「ハイウェイパッケージ」のインプレ(説明)。
新型アテンザでは中間グレードである「25S」以上を購入しますと標準でクルーズコントロール(一定速度を保つ装置)がついていますが、それに加えて更にオプションで「ハイウェイパッケージ」を追加する事が出来ます(25S以上のAT車のみに設定)
どのようなものか分からず装着を躊躇っていらっしゃる方の参考となれば幸いです。
逆に言うとMT車の人、付ける気の無い人は読むだけ無駄です(笑)
ハイウェイPKGで追加されるもの
・【MRCC】マツダ・レーダークルーズコントロール
・【PB】プリクラッシュセーフティ&ブレーキ
・【RVM】リアービークルモニタリング・システム
この3点セットで追加料金は約22万円と内容に対して
結構良心的な値段ではありますが、そこには罠がありまして…。
ハイウェイPKGを付けると、抱き合わせで「G-BOOKナビ」等の別のオプションが強制で抱合わせ販売となり別途料金がかかります。(結局50万円とかかかる)
受注生産品となり別途納期がかかる。
これらは店舗で充分に問い合わせて確認するべきです。
先ず、このパッケージを装備するとフロントのグリルがボディタイプを問わず(セダン・ハッチバック・ワゴン)、写真のようなグリルになります。こちらはMマークの部分がレーダーの邪魔をしないandレーダーを汚れから保護する作りになっている物で、基本的にグリルの交換は不可ですので注意が必要です。
※注意※
OP代金は22万円ですが、ミリ波レーダー装置(アテンザは3基積んでます)を破損してしまうと部品交換費用がべらぼうに高いです。このオプションを付けられる方は、必ず任意保険(車両保険)の契約時に申告し、それに見合った車両保険金額の設定をしてください。
※念のため書いておきますが走行中の撮影の為カメラをハンドルに固定し、撮影は友人Tに手伝ってもらいました。運転者が撮影するのは危険ですので。
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【MRCC】レーダークルーズ
ハイウェイパッケージ装着車は写真のようなメーターパネル(標準車と違います)となり、スピード計の内部にレーダークルーズの制御、状態表示の画面が追加されます。
また、ハンドルの右側に並ぶスイッチ類がレーダークルーズの操作スイッチとなります。
ハンドルスイッチのボタンですが
上段左から 【CANCEL】【SETレバー】【RESUME】
下段左から 【OFF】【ON】【DISTANCE】
という6個のスイッチが並んでいます。
クルーズ用には3基積んでいるレーダーのうち前方レーダーのみ使用され、アクセル・ブレーキ・オートマ・DSC+TCSなどと協調制御をしながら自動運転を行います(厳密にはプリクラッシュの制御も介入したりと複雑です)。
前方へ照射するレーダーは76Ghz帯(おそらく…)のミリ波となっており、障害物に対して非常に強い直進性を持っていますので大雨や濃霧の悪天候でも安定した効果が発揮されます。
(レーザー光線式や、カメラ認識タイプのものは悪天候に弱いです)
実際に濃霧&大雨で視界が非常に悪い高速道路で使ってみましたが何の問題もありません。
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MRCCにて走行するには【ON】スイッチを押します。
これでクルーズ装置がStandbyの状態となります。メーター内(水温系の所)に「MRCC」というグリーン色の文字が浮かび上がりましたら「異常無し」ということです。
※レーダーに異常がある場合は液晶内に「LADER OFF」と表示されてクルーズが動作しません。
Standby状態から【SET】レバーを操作(押し上げても引き下げてもOK)しますと、一定速での走行に入ります。始めに設定される速度は、現時点での実際の走行速度となります。
(今73km/hで走ってたら、73km/hと設定されて表示する)
設定速度を変更する場合は【SET】レバーを押し上げるごとに5キロ単位で設定速度が上がり、押し下げるごとに5キロ単位で設定速度を減らします。
↑の写真ですと100km/hに設定して定速走行しているところです。
あとはアクセルもブレーキも操作は必要ありません。快適な走行を楽しみましょう(居眠りに注意!(笑))
以下、乗って感じた事
■加速はスムーズです。ATも自動制御なので必要とあらば自動でシフトダウンして一気にモリモリ加速します。自分の意志とは関係なく車が動くので、初めての人は結構ビックリするかもしれません(笑)
■減速もスムーズです。基本はアクセルOFFおよび、エンジンブレーキによる減速となりますが、試してみた感じでは長い下り坂でエンブレでは減速しきれない場合は弱いブレーキも併用されているようです。
■CX-7やMPVに搭載されている初期のMRCCとは別物のようです。登りも下りも平地も、あくまで「アクセル一定で速度も一定」の制御がされていますし、上り下りが連続する場所でもファジーな運転に対応しており、とても快適です。
■なので長い上り坂でも全く速度が変わらず、自動でアクセルを踏み増した後は、常に一定でグイグイ登ります。(登坂でもアクセル一定の根拠は、瞬間燃費計を見れば分かります。常に同じ消費量で登りつづけます。)
■登り坂や下り坂が終わったところでも、ごく滑らかにアクセルの緩急が行われ、滑らかに速度をキープします。
■このような緻密な制御のおかげでクルーズ燃費も非常に良い。
■アクセルを運転者が踏み増してもOKです。
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30km/h~上は115km/h程度でのクルーズが可能です。
写真は115km/hで巡航中。メーター読みで120km/h弱(自動車のメーターは実際よりも少し多めに表示されます)と言ったところでしょうか。
メーター読みで120km/h程度での巡航ができるので、大概の高速道路で巡航できます。名神→東名高速の夜間走行とかだったら、長距離トラックや高速バスの後ろに付いて全区間レーダークルーズで「ノンビリ」自動巡航でOKでしょうね♪
あと、これらの装置は基本は走行車線(左側)を快適に走るためのものです。「もっとスピード出して右側車線を自動巡航…」なんてバカな勘違いしている人は考えを改めてください。(;´Д`)
■各動作を試してみて…
●一般の国道でも交通量が少ない広い道(田舎など)だと充分便利に使えます。ただし急カーブや信号があるので自分で減速や停止する必要があり、充分な注意を払っておく事が必要です。
また、交通量の多い場合は、万一の安全のために自分で運転したほうが良いと思います。
●オートマはDレンジで使う事が多いでしょうが、Mモード時にも「M3」以上のギアですとクルーズ可能です。また、クルーズ作動中に任意にMモードに入れても問題ありません。
●30km/h以下に車速が下がりますと一時的に「READY」状態となって自動運転が解除されますが、30km/h以上の速度になった時に【RESUME】ボタンを押せば設定速度まで自動で復帰してくれます。
●また、運転者がブレーキをかけると「READY」と液晶に表示され一時的にクルーズ運転が解除となりますがオフにはなりません。【RESUME】ボタンを押せば設定どおりのクルーズに復帰します。とても便利です。
●走行中にプリクラッシュ(衝突警報)、DSC、TCSなどが動作する危険な状況に陥った場合、または【CANCEL】ボタンを押した場合にもクルーズは「READY」となり一時的に解除されるようです。
●クルーズを終わりたい時には【OFF】スイッチを押せば、MRCCが終了し、設定も初期化されます。またエンジンを切った場合などにも自動でOFFとなり設定は初期化されます。
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レーダークルーズなので当然ですが、
前の車に追走する機能が付いています。
←写真は115km/hに設定して巡航していたが前方に車を捉えたため、液晶内に「車の絵」が出てきました。そして前方の車と同じ速度まで減速して追従走行しています。(メーター読みで110km/hまで減速してます)
前の車がスピードを上げれば、それに付いていき、最大で自分の設定した速度(今回の例だと115km/h)までスピードが上がります。前の車がスピードを下げれば、こちらも自動でスピードを下げて車間を保ちます。また、前に車が居なくなると設定速度まで加速します。
前方の車との車間距離は任意で「長」「中」「短」と設定でき、【DISTANCE】スイッチを押すごとに変化します。液晶内に2本の縦線(車線のような)がありますが、車間設定に応じて線の長さが変わります。
また車間距離は、その時の速度に応じて可変します。
例えば「長」に設定してる場合、80km/hで走行していれば車間距離は50メートル程度ですが、スピードを上げればもっと車間距離を開けてくれ、スピードが下がればもっと車間距離を詰めて走ってくれます。
前の車を捉えて走行する時は、前の車と自分との速度差が少ない時はジワリジワリとアクセル制御で車間を寄せていき、滑らかに調整していきます。
レーダーは前の車を大体100メートル先で捕捉しますが、その時の速度差が大きい時は一気に設定した車間距離の手前まで近寄ってブレーキを使って減速するので、これも初めての人はビックリするかもしれません。(笑)
■その他、試した事など。
●追い越しの時
例えば速度を100キロに設定していて、前の車が80キロで走っていて追従してる時。追越しをしようとして右側の車線に出ますと、前の車が居なくなるので自動的に設定した100km/hまで加速してくれて追い越しが出来ます。
ただし右の車線に車線変更している最中は80km/hです。完全に車線変更を終えた頃に、前の車の認識が外れますので、その表示が消えてから加速を始めます。(言いたい事分かる?)…ですので右後方から近づいて来る速い車が居ない事をちゃんと確認してから右車線へ出ましょう。
もしくは追い越しの時だけアクセルを自分で踏んでOKです。ドライバー操作を優先するので、自分でアクセルを踏んでいる時は、前の車に接近しても自動ブレーキは作動しないようになっています。(ただし衝突しそうな距離まで詰めるとプリクラッシュ・システムが作動するので注意!)。アクセルを踏んでもクルーズはキャンセルされませんし、運転者のアクセル操作の場合は設定よりも早い速度にも加速します。アクセルを離せば、設定速度まで自動で戻ります。
●自分の前に車が割り込んできた時。
前車との距離や速度差をかなりの頻度で計算しているようです。
1、自分よりもスピードの速い車が前に入って来た場合には、よっぽど危険な距離に入ってこない限りは、減速せずにそのまま走行してくれます。
2、自分と同じ速度で入って来た場合には、緩やかにブレーキなどで速度を落として車間を設定された距離まで開けます。
3、自分より遅い速度で割り込んで来る、または割り込んだ後に流れよりも遅いスピードまで減速しちゃう困ったチャンが居る場合、強めのブレーキが作動して車間を保つ。
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さて。
今までに述べてきたような制御時に発生する「自動ブレーキ」ですが、これも様々な強さで制御されています。基本は、じわ~っと踏み込まれ、グ~っと減速し、じわ~っとブレーキが抜ける感じですので、この辺も気にせず快適に走行できます。
ただし、前の車との速度差が大きい場合、車間距離が急に狭くなった場合、または、前の車が強めのブレーキを踏むような減速をした場合には、レーダークルーズも結構強めのブレーキで減速します。(これも始めての人はビックリするかも(笑))
これ以上に強いブレーキは「プリクラッシュセーフティ」の制御とも関連していて、強いブレーキが働く場合には、液晶に「BRAKE」の表示が点滅します。
(写真参照:ハメコミ合成で動作状態を再現した物です)
所謂「万一に備えて注意して!」「前の車との速度差が大きいよ!」という注意を即す状況の場合には、「BRAKE」表示が点滅しながら「ピピピピッ!」と警告音も鳴りますし、座席のシートベルトも伸びないように固定されます。そのような場合には自分でもブレーキペダルを踏みましょう。(このような状況になれば、音が鳴らなくても普通の人ならブレーキに足が行きますけどね…(笑))
強めのブレーキの場合でも「プリクラッシュシステム」による作動の時と、そうでない通常の制御によるブレーキの場合があります。
プリクラッシュによる危険回避ブレーキだった場合には、レーダークルーズは一旦キャンセルされ「READY」状態となりますので【RESUME】ボタンを押してやれば元の設定でクルーズが復帰します。
また、プリクラッシュブレーキが作動した場合には、リアのブレーキランプ(尾灯)が素早く点滅している筈です(説明書には書いてません)ので、自分の後方の車両に対しても「急減速してますよ!」という注意を即しています。
■
とまぁ。
レーダークルーズは新型の物が搭載されているようですので、色々と緻密な制御がされており、思ってたよりも…というか、かなり快適です。私なんか高速道路に上がったら、いつも速攻でMRCCをオンにしています(笑)
これで巡航していると、バンバン抜かれても、後ろにピッタリ張り付かれてもガン無視(爆)すればいいわけで、全く気になりません。周囲の状況にだけ注意しながら走れば良いのと、右足の操作(アクセル固定)から開放されますので長距離も楽チンです。
くれぐれも「わき見」「居眠り」には注意しましょう(^^;
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【リアビークルモニタリング(RVM)】
こちらは自分の隣の車線で後方から接近してくる車を認識して、ドライバーに随時知らせる装置です。
車体の後方に設置(左右の尾灯の下あたり)された2基のレーダーが後方を監視しています。こちらは広い角度の検知をする為に24Ghzの波長の長いミリ波レーダーを使用しているようです。このレーダーで自車の側面から後方55メートルまでをバッチリとカバーします。
ただし動作するのは時速60キロ以上の場合です。よって主な使用範疇は、高速道路、バイパス、片側2車線以上あるような広い道という事になります。
スイッチは「ON/OFF」できますが、常時ONが基本でしょう。
条件に当てはまる車はほぼ確実にキャッチしてくれます。
側面を通過する車および、斜め後方の車線を接近してくる車がある場合、Aピラーの根元にあるオレンジ色のLEDが点灯します。(写真参照)
以下のような車は表示しませんので無駄な点灯もありません。
・斜め後方の車線で自分より遅い車は検知しない
・斜め後方で自分と同速度で走ってる車は検知しない
LEDが点灯している状態で、ウインカー(方向指示器)を操作すると、LEDが点滅し、「ピピピピッ!」と警報音が作動して、車線変更を辞めるように警告してくれます。
またドアミラーに目をやればLEDが目に入る位置に設置されている為、ミラーには写らない死角に車が居る場合でも「車が居る」と楽に一瞬でドライバーが認識できるので、目視による再確認を即す効果があります。
これは疲れているときなどの注意不足に大いに役立つと思います。高速道路をクルージングしている時などには周辺確認の負担(ミラーを見るときの緊張感)も減り楽になります。
あと実際に確認した動作として
・速度差の大きい車が接近してくると早めに点灯している
・逆に速度差の小さい車だと点灯する距離が近い
(速度に応じてサーチする距離を随時変更している模様)
・自分の後ろから追い越しに出てきた車にも即反応してくれる
・ヌヤワkm/hだと後方に車が居ないのに点灯する事がある(マテ!
(この速度だとかなり強い検知設定になっているのか、中央分離帯の金属物や対向車線のトラックなどに誤反応している可能性がある…)
私が要望する改善点としては、
・もっと遅い速度40km/hあたりから作動して欲しい。
・LEDはもっとデカくてもいいんじゃないの?
・ピラー付け根で「CAUTION」とか文字が光る方がカッコいい(爆)
もっと遅い速度からの作動については機能的には可能でしょう(設定を変更するだけでできるでしょう。)…しかしながら日本の道(というか日本人)は常に車間を詰めて走り過ぎなので、40km/hの道路なんて「ずっと点灯しっ放し!」とかになってしまい、逆に煩わしくなる!などの問題があり60km/hの設定とされているのかもしれません。
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【プリクラッシュセーフティ】
衝突の危険があると自動でブレーキがかかり、乗員が前のめりにならないようにシートベルトを拘束するなどしてくれるアレ。
こちらもABS、DSC、MRCCなどと協調制御みたいです。
できれば作動しないほうが良いものですが…(^^;
…が、ごく稀に作動します(笑)
▼高速道路で前の車に急めの接近をした時などに動作する事があります。特に危険ではなかったのですが、車間距離は開けて走れということですね(^^;
▼50km/hくらいで車間もあけて走っていたのですが、
前の車が左折で中途半端にケツを車線内に残して止まったんですね。それをすり抜けようとした時に、かなり手前で作動した事があります。(このような場合でも大抵の場合は作動しませんけどね)
私が体験した場合の時、いきなりガン!と急ブレーキがかかるわけじゃなかったです。…ちょっと手前からぐ~っとブレーキがかかり、「BRAKE」表示の点滅と、ピピピピッ!という警報音が鳴りましたので、あとは自分でゆっくりブレーキを踏んで解除されました。
これらも距離や相対速度に応じた制御がなされているようで、事前に「注意しろ」という警告のような作動をする場合もあるって事かと思います(実際はどうなのか?)
本当に危ない場合は強いブレーキがかかるようですが。
プリクラッシュ・ブレーキの作動時には、車体の後ろのブレーキランプは点滅するとかなんとか。(後続車に急ブレーキの危険性を知らせるため)。知らない人が見たら「なんやアレは?」って感じか?(笑
これは衝突被害の軽減装置ということで。Dセグメント以上の価格帯の車では流行みたいなので、付いているに超した事は無いですね。ヾ(゚ω゚)ノ゛
写真は運転席のボタン類。
「RVM」…リアビークルモニタリングをON/OFFするボタン。
「PB OFF」プリクラッシュ自動ブレーキのON/OFFボタン。
OFFにした場合、危険時には警告音と表示のみが作動します。
自動ブレーキは作動しません…ってOFFにする意味あるんかい!(爆
こちらのボタンでプリクラッシュブレーキの動作距離の設定もできます。「LONG」「SHORT」とありますが、通常は「LONG」の設定にしておくべきでしょう。設定はエンジンを始動したときにレーダークルーズ用の液晶内に「PB LONG」のような表示が出てきます。
■
と。
インプレはこんな感じ(書くの3時間かかったんだが…)
正味の話。ディーラー試乗車には用意されてない。殆ど。
よって営業マンに聞いてもロクな答え返ってきません。
このような本格的な物はレクサスのような高額車でも「オプション設定」とかなので回りの人に聞いても使った事が無い…という返事が殆ど。…なので私、頑張った。ここまで詳細に書けば「付ける」「付けない」の判断の材料にはなるんじゃないかなと思って。頑張った。
…んっふっふっふ、さぁ貴方も付けませんかぁ?( ̄ー ̄)
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