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イイね!
2012年09月06日

小説 幼馴染 第15話

高校受験日のお話です。
試験はうまくいくのでしょうか?

続きをどうぞ


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「幼馴染」

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第15話   試験当日

試験当日の朝・・・

昨日は香澄と話ができたせいか緊張することなく、
早くに布団に入ったおかげで睡眠時間もばっちり
気持ちよく目ざましが鳴る前に自然と目が覚めた。

ゆっくりと布団から出て制服に着替えていると、
下から階段を上ってくる音がしたと思ったらおもむろにドアが開き

「おきなさい!!」

と母親が大きな声で言いながら入ってきた。
しかし俺はもう起きていたので驚いた表情でこちらを見ている。

一瞬の沈黙の後

「あら珍しいもう起きてるなんて!」

と母親は俺に対して言い放った。
まぁいつもの俺は朝は起こされないと起きないからね・・・反論はできません。

とは言え受験日当日なんだからちょっと愚痴ってみた。

「いくらなんでも試験当日に寝坊はできないよ」

はぁ・・・っとため息まじりに

「それは、それは、いつもこうだといいんだけどね。ご飯できているから食べちゃいなさい。」

「わかった今行く」

そういうと母親は部屋から出て下に降りて行った。

「着替えも終わったし、顔洗って朝ごはんを食べるとするかな。」

ダイニングの方に行くとテーブルにはご飯とみそ汁、焼き魚と純和風朝食が用意されていた。

「あれ今日は朝ごはん豪勢だね。いつもパンだけなこと多いのに」

「今日は試験なんだから朝からちゃんと食べないと力でないでしょ!!だからしっかり食べなさい。」

母親に言われいただきますと言ってたくさん食べた。
これで試験中はきっと大丈夫だろう。食べ終わってお茶を飲んでいて
湯呑を見るとなんと茶柱が立っている。

これは試験に受かる予兆か朝からいい気分だ。
そんなハッピーな気分でいると母親が布に包んだ四角い箱を俺に渡してきた。

「そうそう、お弁当作っておいたよ」

「サンキュー」

「一応試験に勝てますようにとカツ入れといたからね。がんばれ」

そういうと俺に母親は弁当箱を渡した。

「そんなゲンを担がなくても大丈夫だよ」

「何言ってるのバカなお前が進学校に行こうなんて言ってるんだからゲンを担がなくてどうするんだい。」

「俺だって勉強したんだから何とかなるって!!」

「そうかい。そうかい。じゃ!弁当はいらないね。返して。」

そういうと俺から弁当箱を取り上げようとした。俺は慌ててそれを阻止して

「弁当入ります。ありがたくお弁当もゲンもいただきます」

なんなんだよ。うちの母親は朝から・・・

今日は試験なのだからもう少しやさしくしてくれても・・・
でもこれは母親なりの愛情なんだろう。緊張しているかもしれない俺に対して
いつも通りな対応をして送り出そうとしているんだと思う。
恥ずかしくて感謝は言葉にできないけど、心の中ではありがとうと言っておこう。

朝からバタバタとしてしまった。時計を見るとそろそろ行かないといけない時間になっていた。

「母さん俺そろそろ行ってくるね。」

「受験票忘れてないかい?」

「大丈夫だよ。ばっちり鞄に入っているよ。」

「なら大丈夫だね。試験がんばれ」

「うん。わかった。頑張ってくるよ。じゃー行ってきます」

そう言って靴を履いて玄関の外に出た。その後ろから母親の行ってらっしゃいと声が聞こえてきた。

空を見上げると抜けるような青空気持ちがいい、これならリラックスして望めそうだ。

駅に向かって走って行くと住宅街の小さな十字路で目の前を黒い物体が通過した。
驚いた俺はその場に止まって何かを確かめた通過して行った黒い物体を見ると
なんと真っ黒な黒猫だった。

黒猫・・・えぇ・・・黒猫が目の前を横切った・・・

黒猫が前を横切る・・・

こんな日に勘弁してくれよ・・・

黒猫が前を横切るって不幸なことが起きるっていうじゃないか・・・
高校受験の日に・・・もしかして俺は高校落ちるのか・・・
めちゃくちゃ朝からへこむ・・・
試験心配になってきたよ。大丈夫かな俺・・・

いやいや、俺だって今まで必死に勉強してきたんだ。
黒猫がなんだきっと大丈夫だ。自分を信じよう。
さぁとにかく駅に行くぞ。

そうして駅に着くとすでにほかの3人は到着していた。
同じ高校を受ける俺ら4人は駅で待ち合わせして行くことになっていた。

「遅いぞ由悠!!」

集合時間に遅れた? 大河に言われて慌てて時計を見るとまだ集合時間の5分前だった。

「遅くないと思うけど・・・集合時間5分前だよ。大河たちが早すぎるんだって」

「何言ってるんだ。こんな時は余裕を持って集まるのが普通だろ」

確かにそうなんだけど、俺は集合時間に遅れてないんだけどなぁ。

「まあまあ、いいじゃないの。5分前なんだしね」

「遅れないうちに行きましょ」

確かにそうだ女性陣に促されて出発。

そして試験会場の高校に到着。

いよいよだ。今までの頑張りを発揮できるかな。不安だけどかんばらなくちゃ。
4人で校門をくぐって校舎の入り口に着くとそこに大きな張り紙があった。

そこに受験番号別に指定された教室に行くように書いてあり、
全員がばらばらな教室になってしまった。

とにかく、みんなで受かろうね!!と励まし合って各々の教室にわかれて行った。

緊張の中、試験開始・・・

とにかく答案用紙答えを書いていった。できるところからそしてとにかく
回答欄をすべて埋めるために必死に頑張ってみた。
お昼にはカツ入り弁当を食べ、昼を挟んで午後もとにかく頑張った。

「キーンコーンカーンコーン・・・」

試験終了の鐘が鳴る。一斉に鉛筆を机に置き、答案用紙が回収されていく。これで終わりだぁ・・・
机に座ったまま大きく伸びをした。
朝の来るときに黒猫が横切ったのは焦ったけど無事にやり遂げた、
後は無事合格していることを願うのみ。

試験を終えた後は校門のところで集まり一緒に帰ることになっていたので
机の上のものを片付けて鞄に放り込み教室を急いで出た。

その時・・・

「ドンッ!!」いったい何が起こったのか、鈍い衝撃と共に俺はひっくり返ってしまった。

その上、何かが一緒に俺の上に倒れてきた。重たい・・・
突然のことでなにが起こったんだか理解できずにいると
一緒に倒れてきた物が「いったぁ・・・」と声を上げた。

どうやら人とぶつかってお互い倒れてしまったみたいだ。
慌てて俺は倒れてきた人に対して「すいません。大丈夫ですか?」と
なんとか声をかけることだできた。それでも慌てていた俺は冷静な判断ができていなかった。

「大丈夫ですけど・・・」

ぶつかってしまった相手はそういうと顔を真っ赤にしていた。
ぶつかった相手は女の子だったのだ。顔を見ると結構可愛い、
なんで顔が赤いんだ?不思議に思っていると・・・

「・・・すいませんが、・・・そ・その手をどけてくれないでしょうか」

恥ずかしそうに俺に行ったそこで初めて気がついた。
倒れた時に上から人が倒れててきたものだから無意識に手で受け止めようとしていたらしく
その手が思いっきり女の子の胸を鷲掴みにしていたのだった。

「うわぁ・・・す・す・すいません・・・」と言って胸から手を離して謝った。
その女の子は俺から退いて立ち上がり、その後俺も立ち上がった。

「すいません。俺急いでいたものだからよく見ていなくて・・・本当にすいません」

深々と頭を下げて女の子に謝った。

「いえ、こちらこそすいませんでした・・・私も慌てていたものだから・・・」

「でも・・・まさか胸をもまれるとは・・・わざとじゃないですよね」

「えっ!?も・もちろん。わざとじゃないです。本当にすいません」

しかし偶然とはいえ、初めて女の子の胸触っちゃったよ・・・
服の上からとはいえ、やっぱり柔らかかった。ちょっとラッキーな感じかも。
そんな邪な考えが顔に出るといけないのでもう一度頭を下げて

「本当にすいませんでした。」

そう言って俺は踵を返して急いでその場を離れた。

マジ焦ったよ。偶然とは言っても女の子の胸もんじゃうとは
それも結構可愛い子だったよなぁ・・・

恥ずかしくてその場から逃げちゃったけど大丈夫かな・・・
もしかしたら4月から一緒の高校に通うかもしれないだよな。
一緒のクラスとかになったら恥ずかしいな・・・

ならない事を願おう。下駄箱のところで深呼吸をしてとにかく
落ち着かせてみんなのいる校門に向かった。



この出会いが後々大変なことになるのですがそれはまだ末来のお話。



校門でみんなと合流した。

「おっそーい」

「なにもたもたしてるのよ」

「由悠は朝も帰りも一番最後だなぁ」

「ごめん・・・教室出ようとしたらさ・・・」

俺は教室出た時のぶつかった時の話をした。
もちろん胸をもんだ話はしないでだけど・・・

「慌てすぎだよ。そんなんじゃ試験大丈夫だった?回答欄一つずれて書いたなんてことないよね?」

「磯山さん・・・それはさすがに何度も見直したから大丈夫かと思うよ」

と言いつつもそう言われると少々心配になってくる。今更遅いけど大丈夫かな・・・

「試験もそうだけど、ぶつかった人は大丈夫だったの?」

「それは大丈夫だと思う。お互い怪我もしてなかった。ちゃんと謝ってきたから」

「由悠~そのぶつかった相手って、女の子?」

なぜにわかる???女の子とは一言も言ってないのだが・・・
鋭すぎるぞ。大河・・・
ここで嘘ついても仕方ないのでそうだよと答える。

「やっぱりな由悠の顔に女の子とぶつかりましたと書いてある。それにちょっと顔が赤いぞ」

なに?赤い?!顔に出てるのか!!慌てて顔をさわる俺・・・

「いやいや、あ・赤いのは、は・走ってきたからだって・・・」

「嘘に決まってるじゃん。女の子の方がぶつかるんだったいいだろって思っただけどよ」

確かにそうだけど肯定するのは香澄がいるしどうかと思うだけど・・・
そんなことを考えていると大河は続けて

「出会いがしらにぶつかったらそれは運命の出会いかもよ」

笑いながら言う大河、運命の出会いってなんですか・・・
俺には香澄がいるんだよ。運命の出会いなんていらないからよ。

「まぁ由悠には、香澄ちゃんがいるから関係ないか」

自分でもそう思っていたけど、いざ言われると恥ずかしくて「なんだよ、それは・・・」と
それだけ言うと、顔が赤くなってきた感じがしたのでうつむいて顔を隠した。

「なに赤くなってるんだよ。いいじゃん。お前たち付き合ってるんだから。」

「なぁ彩香、いまさら恥ずかしくなることないじゃんなぁ」

「大河、なに言ってるのよ。ウブな2人にそんなこと言ったら、ほら香澄まで顔真っ赤じゃない」

「好き同士だけどね。付き合ってるって言うのは微妙だと思うよ。」

「だってデートもしたことないですものね。ねぇ~か・す・み」

「もう・・・彩音ぇ・・・そんなこと言わないでよ」

俺と香澄は大河と磯山さんに家に帰るまでこんな調子でおちょくられ続けた・・・
おかげで帰り道は、試験受けている以上に疲れた感じがした・・・



続く     戻る
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Posted at 2012/09/06 23:02:20

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