2012年09月10日
小説 幼馴染 第19話
身長が香澄ちゃんを超えました。
めでたいです。
続きをどうぞ
登場人物紹介は
こちら
「幼馴染」
過去の話
第1話
第2話
第3話
第4話
第5話
第6話
第7話
第8話
第9話
第10話
第11話
第12話
第13話
第14話
第15話
第16話
第17話
第18話
第19話 初デート02
しばらくショッピングモール内を見て回るとそろそろ映画の時間になったので
映画館の方にむかって歩いていた。
その間も俺はなんとか手をつなごうと気持ちを奮い立たせるも結局手がつなげなかった・・・
う~ん・・・なかなかできない・・・
よし!!映画館の中でさりげなく手をつなぐ!
暗い中なら周りに人がいてもつなげるはず、いやつなぐ!!
思わず右手を胸の前で握り小さいガッツポーズをして気合を入れる。
「どうしたの?小さくガッツポーズなんてして?」
「ふへっ?!」
急に言われたので思わず変な声が出てしまった。
「いや・・・あの・・・」
まさか手を握る決意のガッツポーズなんて言えないし・・・いいわけが思いつかない・・・
「な、なんでも、なな、ないよ」
「変なよしくん、今日はどうしたの?」
「変じゃないって!!嬉しいんだよ。香澄と居られて!!」
「嬉しさのあまり行動が変になっちゃってるんだよ。」
咄嗟にでたいいわけにしてはいい感じのいいわけだ!!
「そうなの?ちょっと嬉しいけど変な人に見られるから気をつけてね。」
そういうと香澄が俯いてしまった。もしかして嬉しかったのかな・・・
俯いた顔は、頬はピンク色になっている。
俺にも嬉しさがこみあげてきた。香澄かわいいなぁ。よし絶対手を握ってやる!!
決意も新たに映画館に入って行った。
中に入ると座席は結構埋まっていたさすがは日曜日だ。
その上最初の回には入れなかったせいもあって空いている席が少ない
少しでもいい席を探していると
「よしくん。あそこよくない?見やすそうだよ」
と指さす方は座席全体列の丁度真ん中辺のちょっと右にずれた所だった。
さすがにど真ん中はみんな見やすいのがわかっているのか埋まっていた。
その右にずれた所に丁度いい感じに席が開いていたので迷うことなくそこに席を取った。
「ちょっと右にずれているけどここなら見やすそうだね」
「そうだね。」と答えてせっかくだからやっぱり映画と言ったら飲み物にポップコーンでしょ。
買ってこようかな。そう思って香澄に聞いてみた。
「そうだ。何か飲み物を買ってくるよ。なにがいい?」
「紅茶がいいかなぁ。」
「冷たいのと温かいのどっちがいい?」
「ここ中は暖かいから冷たいやつね♪」
「わかった。すぐ買ってくるから待ってて!」
そういって俺は席を立ち外にある売店に向かった。
売店で冷たい紅茶を2つとポップコーンのキャラメル味を買って急いで席に戻った。
「お待たせ。はい!飲み物どうぞ」
香澄は飲み物を受け取ると「ありがとう」笑顔で受け取った。それともう一つ香澄に渡した。
「せっかくだからポップコーン買ってきたよ。甘い方がいいと思ってキャラメル味買ってみました。」
「わーうれしい。映画と言ったらポップコーンだよね。
それも私の好きなキャラメル味だ。ありがとう♪」
ちょっと恥ずかしかったけど「一緒に食べよう。」って行ってみた。
香澄も「うん」って言ってくれてうれしかった。喜んでいる香澄を見て俺もうれしくなりつつ、
席に着き紅茶を一口飲むと丁度あたりが暗くなり上映が始まった。
内容はCMの前評判通りなかなか見入ってしまう内容だった。
香澄もかなり見入っているようでスクリーンに集中していた。
それでも時々紅茶を飲みながらポップコーンを食べながら見ていた。
スクリーンを見ながら食べていたものだから手元なんて見ないで
俺はポップコーンに手を伸ばすと温かいものに触れた。「ん?」と思って
手の方を見てみると俺がつかんでいたのは香澄の手であった。
どうやらポップコーンに同時に手を伸ばしたらしい。
いつもならここで慌てて手を引っ込めるところなんだけど、
映画に見入っていたせいなのか、暗い雰囲気がそうさせたのか、
デートというシチュエーションだったせいなのか、入る前の決意のおかげか
大胆にもそのまま、香澄の手に俺の指をからめて手を握ってしまった。
なんでこんな大胆なことができたのか分からないけど、
香澄が驚いてこっちを見た。俺は急に恥ずかしくなって下を向いてしまった。
それは香澄も同じだったようで同じように下を向いていた。
小さな声で「やだった?」と香澄に聞いてみた。
そうするとうつむいたまま首を横に振りこちらを見た。
そして香澄は薄暗いので顔色まではわからないけど、
小さく口を動かし「うれしい」と言ってくれた。
そして、結局そのまま映画が終わるまで手をつないだままだった。
手をつないでからスクリーンを見ていたけど全然頭に入ってこなかった。
自分から手をつないでおきながら香澄の手の温もりばかり気になってしまって
映画どころではなくなってしまった。
エンディングロールが流れて徐々にホールが明るくなってくると
お互いの顔色がよくわかるようになってきた。
よく見ると香澄の顔が赤い・・・
それを見た俺は急に恥ずかしくなって慌てて手を離してしまった。
香澄は突然手を離したものだからびっくりしていた。
「ごめん。明るくなったら急に恥ずかしくなっちゃって・・・」
慌てて手を離したい訳を俺は言っていた。
でも離してみると急に手から温もりが消えて寂しさが募った。
それは香澄も同じだったのか、
つないでいた手を胸元にもっていき何かを確かめているようだった。
「「・・・・」」
またお互い無言になった。スクリーンのエンドロールはいつの間にか終わっていた。
とにかくとりあえずここを出ないと思い香澄に声をかける。
「香澄、とりあえずここで出ていい時間だし、お茶でもしない?」
「そ・そうだね。とりあえず出ようか。」
そして、俺たちは映画館を出る。さすがに映画館を出るころにはお互い普通になっていた。
手をつなぐたび、こんなに緊張したたら体が持たないかもしれない。
もっと慣れないとよし!!この後は香澄と今度こそ手をつないで
もう一回ショッピングモール内を歩こう!!
一生懸命脳内でお茶の後のシュミレーションを行っていた。
「・・・くん。よしくん!!」
呼ばれた方に振り向くと2mほど後ろから香澄が声をかけてきた。
脳内でそんなシュミレーションをしているとはきっと思ってもいないだろう香澄が
足を止めたのに気がつかず、香澄が声をかけてきた。
「あ!ごめん。なに?」
「ちょっと聞いてる。ここのカフェにしない?なんか落ち着いた店回りがいい感じ!」
「確かにいいね!!そうしよう!!」
おしゃれな外観のカフェに二人で入った。席に着くと店員さんが水とメニューを持ってきてくれた。
「ご注文が決まりましたらお呼びください。すぐにまいります」
そう言って店員さんは離れて行った。
「映画よかったね」
「そうだね。でも・・・」
「でも?」
ちょっと恥ずかしくなりながらもいったん周りを見回してから、
こっちに注目してないのを確認して、見ている奴なんている訳ないんだけど・・・
「途中から手をつないで見てたからあまりの嬉しさで
その後の映画の内容が全く入ってこなかった・・・」
「えぇ!!そうだったの!!せっかくの映画なのに!!って・・・・言いたいところだけど、
実は私も同じ・・・嬉しいのとちょっと緊張したのでよく覚えてないの。」
「一緒だね。俺だけじゃなかったんだ。よかったぁ。これならまた同じ映画見ても楽しめるかも!」
「そうかもしれないね♪」
そんなちょっと恥ずかしいけど嬉しい会話をしていると、コーヒーと紅茶が運ばれてきた。
映画の内容を感想と共に言いあって楽しいカフェタイムを過ごした。
もちろん映画の内容は前半の部分だけしか話せなかったけど・・・
続く 戻る
ブログ一覧 |
小説01 | 趣味
Posted at
2012/09/10 23:08:04
タグ
今、あなたにおすすめ