2018年11月26日
課題をやっていなくて、
先生に怒られるのが嫌だから、
学校を休みたい
そんな理由で、二日ほど
長女は高校を休んだ
ど田舎から街中の高校へ、
片道一時間半の通学路
軽いカルチャーショックと、
そこそこの進学校での勉強に、
どうやらうまく対応できないようだった
以前の私なら、
鬼の形相で怒ったことだろう
でも今は、長女は長女なりに、
葛藤や焦りや不安、周囲の目や反応、
いろんなものと闘っているのだと、
そう理解している
課題なら、学校を休んでやればいいよ、と
リビングで夜更けまで付き合った
一つの課題が終わり、さあ次、あと三つ、
二日もあれば全部やれるよね
そう、課題さえやれば、大丈夫、
また長女は学校に行くようになるさ、と
彼女の側で見守りつつ、
先生がなぜ、あなたを叱るのか、を
私なりにやんわりと、
優しい口調で説いて励ました
国立大だけが大学じゃないよ、
得意な英語を伸ばせる学校もあるね、
でも、もし学校が嫌で、辞めたとしたら、
あんな道があるよ、
こんな選択もあるよ、
道は一つじゃないからね
長女に代わってあれこれ調べ、
長女がどんな選択をしようとも、
全部受け入れるつもりで、
私なりに一生懸命、
一生懸命に声を掛けた
だけど、
長女の課題はいつになっても終わらず、
三日目の朝、仕方なしに学校へ行き、
先生に頭を下げた
「明日、提出します」
という長女の言葉に、先生は、
「なぜあなたが提出日を決めるの?」
そもそも課題を出さない生徒に、
何の意見も権利もあるわけがない
ああ、なるほど
と、私なら納得したであろうその言葉を聞いて、
長女は過呼吸を起こしたらしい
「明日じゃなくてよいから、
終わったら出しなさい」
という先生の言葉は、
長女にとっては、更なるプレッシャーのようで、
帰宅するなり、ケータイの中へ逃避してしまった
その後何度か課題を開かせたものの、
なだめても励ましても、
長女の手が進むことはなく、
あっという間に二週間が過ぎてしまった
今朝もなんとか、嫌々ながら登校したが、
昼過ぎに、もう帰りたい、
明日は休みたい、というラインがきた
長女と私のやり取りを、
今まで黙って見てきたレビンマンに、
どんなものかと訊ねてみたら、
だれのための一生懸命なんだろうね?
という返事が返ってきた
だれのため?
だれのため
私のため?
私のため
課題に付き合っていたとき、
長女が話していた
「担任も国語の先生もママも、
みんな同じ事を言う」
「それはね、先生やママは世代が一緒で、
みんな、言われてきたことも、
やってきたことも一緒なんだよ」
「担任は、自分が正しいと思ってる!」
思えば私だって、
親たちの理不尽な理屈に振り回され、
それでもやるしかなく、
嫌々ながらもやってきた
やれたんだ、という自信がある
その自信を、長女は、
バッサリ切った
今と昔、
便利な道具と引き換えに、
人は、人の温もりや心のやり取りを、
どこかに置いてきたような気がする
長女たち今の子は、
この機械の文字の奥底にある、
本当の人の気持ちや、
人が人を思う気持ちなんかに、
その肌で触れる前に、
感じとる前に、
目に見える文字だけが事実で、
厳しい言葉には、
刺しか無いように思えるのだろう
理不尽な要求にも耐えてやりとげた根底には、
目と目を合わせてやりあったり、
涙の跡を見付けたり、
温かな血が流れていたからだろう
もし私が、15歳の少女に戻り、
ケータイ一つ渡されて、
今のこの世に投げ出されたなら、
きっと戸惑うことだろう
不安でたまらないことだろう
長女を取り巻く環境だけのせいではないが、
やはり自分の価値観で物事を判断するには、
無理がある
その無理をどうにか通そうとして、
実は自分のために、一生懸命、
一生懸命に長女に寄り添うふりをしていた
自分が正しいと思ってる!
それは、長女の必死の抵抗の言葉だった
「あの子はきっと、自分で何かを見付けてくると思うよ」
何かあれば、自分から必ず言ってくると思うから、
今は何も余計なことは言わずに、
ただひたすら、信じて見守るしかないんだよ
見放すのと見守るのは違う、
とにかく信じて待とう
テレビで見たこと、人から聞いたこと、
ネットで調べたこと、本で読んだこと、
何でも長女に教えてあげたいのに、
何も言ってはいけないって
長女は、そういったタイプなんだよ、と
そういえば長女によく似た性格のレビンマン
私が言えば言うほど、
黙りこくってしまうとこなんて、
本当によく似ている
待つしかない、なんて
私みたいに、ぶつかり合ってわかり合いたい人には、
もどかしくて、ツラいことなんだけど、
長女は私の私物じゃあ、ない
そんな私の心を思い、
レビンマンが言ってくれる
「長女が聞いてきたときのために、
いろいろ調べたり、準備するのはよいと思うよ」
「ホント?」
だれかの役に立てるなら、
そんな嬉しいことはない
そう、だれかのために
だれかのために、は
自分のため
だれかのために、は
自分のため
それを知っているのと、知らないのとでは、
だいぶん違う
Posted at 2018/11/26 16:20:34 |
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2018年08月15日
14年間続いた専業主婦のサナギ生活から
「蛹化の女」よろしく羽化を経て
パートタイマーへと変態を遂げたのは
一昨年の6月半ばのコト
14年ぶりにお給料をいただくという一大事
そんな私を雇ってくださった方
家を空けることに快くうなずいてくれた家族
関わるすべての人たちに感謝するところから
「仕事」は始まったわけで
最初に声をかけてくれたのは
子供たちが通う塾の先生
「お子さんが勉強している間だけ、
お子さんと同じ教室内で採点スタッフをしてみませんか?」と
この先生には、私がどんな人間なのか
娘をリストカットに追い込んだ母親であることも
すべて話をしてあったのだけれども
そんな私に、「ぜひ」と
手を差し伸べてくれた
最初は一回の出勤につき2時間だけ勤務するつもりが
2年経った今では、4時間勤務になり
仕事を終えて帰宅するのは20時を回ってしまうのだが
家に帰れば、子どもたちが
笑顔で「お帰り」と迎えてくれる
レビンマンには少々の負担をかけてしまうのだけれど
私の不在の間、子供たちの世話をしながら
空腹のお腹で待っていてくれる
火曜と金曜、塾のある日は
我が家の晩ご飯は21時になってしまう
それでも誰一人、私に文句を言うこともないのは
私がどれだけ楽しそうに仕事に就いているか
ということなのだろう
それから、もう一つの仕事
去年、ガンで亡くなったお義母さんの代わりに
農業を営むお義父さんの
毎月の会計処理と、確定申告を請け負うことになった
仕事の引継ぎをする間もなくお義母さんに逝かれてしまい
膨大な書類の山を目の前に
仕事を引き受けた当初は、さて、どうしたものか、と
それでも、請求書や領収書を一枚一枚めくるうちに
商業高校で培った「会計のカン」がよみがえり
会計士に褒められる会計報告ができた
「褒められて伸びる私」に
三つ目の仕事を運んできてくれたのは
この会計士さんで
今年の四月から、お寺の会計の職に就くことになった
そんなわけで、今は三か所からお給料をいただき
いろんな課題や悩みにぶつかりながらも
なんとか忙しい日々をこなしています
この春から高校に通う長女のお弁当作りも
手抜きという時短ワザを習得し
万が一の寝坊にも対応できるようになり
長女、次女、長男、レビンマンを送り出し
それから仕事へGo!という
どこにでもいる主婦の毎日を
これが幸せってもんなんだな、と
ここに遊びに来る時間を削ってしまったことは
やはり寂しいことだけれども
仕事に専念しようと決めたこの二年間は
SNS依存から現実へと私を引き戻してくれた
貴重な二年間でもありました
時間を作ってここに再来することにしたのは
先日、何十件かのブログ削除の勧告を受けた時で
どれも自分のなかでは大切な記事だと思っていたけれども
きっぱりと諦めて、記事を削除するうちに
持ち物を捨てることは自分をラクにすること
捨ててみて初めて
それが本当に欲しいものだったのか、とか
両の手に山ほど物を持っていては
とっさのときに手を差し出すことができないこと
いろんな物に縛られすぎないことの
自由と、その裏側の寂しさと平穏と
そんな物を受け入れようと思えたから
ほんのちょっとでも、考え方を見直して
気持ちの切り替えさえできれば
どこにいてもやっていける
14年ぶりに外に出て、たくさんの人に会い
ようやく殻を破って羽を広げる日がきたけれど
サナギの中身は、一度形をなくし
どろどろになってから、羽化するのだという
そのどろどろの期間があって初めて
一つの形になることができるのだろう
次はいつここに来て
何を書くのかはわからないけれども
そのときまで
<(_ _)>
Posted at 2018/08/15 01:30:47 |
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アタシ絵日記 | 日記
2017年02月07日

2007年2月
我が家にやってきた彼は
2016年10月
私たちの元を去っていった
割と男っぽい性格の
でも、穏やかで
付き合いやすい
クルマだったと思う
子どもたちの成長とともに
変わりゆく我が家のクルマたち
どれも、大好きだった
彼に代わって、今度は
少しだけ若返った「俺様」が
カーポートの下で
鼻先を陽の光に照らされて
のほほんと、のほほんと
今度の「俺様」は
俺様のくせに、でも
どことなく優しくて
そのシートに抱かれ
どこまでも走りたくなるから
ちょっと不思議だ
これから何年の付き合いになるか
わからなけれども
別れの日がくる
その時まで
どうぞ、よろしく、と
そう声をかけると
一緒に子どもたちの明日を
未来を乗せて走ろう、と
任せてくれよ、と
笑ったように見えて
あぁ、このクルマとも
通じるモノがあるんだな
大切にしなきゃ
って、思ったんだ
Posted at 2017/02/07 02:09:47 |
クルマ絵日記 | 日記
2017年01月31日

「1月30日でみんカラを始めて
10年が経ちます!」
ひとくちに10年と言っても
ほんと
いろいろありました
友達登録してくれた方
忙しい時間に都合をつけて
わざわざ栃木まで来てくれた方
そこまで来たから
ちょっと寄り道だと笑ってくれた方
さりげない気遣いのメッセージや
心のこもったメールも
思いやりの言葉も
愛の告白も
失った人も
嫌いになった人も
嫌われてしまったことも
どんな方にも
どんな出来事にも
10年分の感謝を
過ぎた時間は、二度と
取り戻すことはできないけれど
分け合った時間がくれたものは
心の中に、ずっと
Posted at 2017/01/31 22:56:42 |
アタシ絵日記 | 日記
2016年12月02日
何年か前に家族で訪れた
秋の日の公園に
久々、足を運ぶことにした
前日の雨が嘘のように
この日の空は、青くて
きれいで
子どもたちは手に手に
色とりどりの落ち葉で
いっぱいになった袋をもって
今年はこの場面の中に
長女の姿がないことが
ちょっと寂しい
一人で映画を観に行くと
中学生らしいおしゃれをして
車から降りて行った
あの日から、一年が過ぎて
相変わらず悩みも尽きないけれど
いろんなことが少しずつ
少しずつ前へと
それでも年頃の娘の耳には
親の言葉はすんなりと
入ってくれるはずもなく
けれど、きっと誰かに
聞いてほしいこともあるかも、と
KUMONの先生が
先日、長女の相手になってくれた
先生と長女の間で
どんな言葉を交わしたのかは
聞いていないけれど
のちに先生からメールをいただいた
メールの中に散らばる
色とりどりの言葉は
先生の誠実な気持ちそのもの
「彼女には、他者とも
自分とも向き合える力を
持っていることが感じられ
嬉しかったです」
「思春期に誰もが通る道の途中で
しばし悩みの水たまりに
はまっている様子でしたが
いずれ抜け出ることができるのではないか
と思いますし、私も
はまって抜けたことがある
と話しておきました」
「それから
人生が劇的に変わるような
出来事に出会うのは奇跡で
毎日地道にやっていく中で
積み重ねたものの中から
自分の方向を見定めて
歩いていくものだと思うけれども
それを今のあなたに悟られてしまったら
大人の立場がないので(笑)
反抗したり、いろいろぐるぐると
悩んで見つけて行ってね
とも言いました」
「結局は
自らの意志で動かなければ
何も変わらないし
手に入れることもできない
ということに
いかに早く気付けるかですものね」
「でも、中学校という特殊で
狭い世界だとチャンスも少ないかな
と思い、自分のダメな例を
引っ張り出して話しました(笑)」
「あなたが吹奏楽と、心理学とに
真剣に取り組んでいくうちに
どこかでそれらの比重が変わったら
あるいは違うものが見えてきたら
こだわりすぎずに受け入れてもいいだろうし」
「また、自分がどうしたいか(主観)で迷ったら
自分をどうしたらいいか(客観)
を考えてみるといいかもね
とも言いました」
先生の言葉は、長女の心には
どんなふうに聞こえていただろう
親以外の、誰か、大人が
そんなふうに自分のことを
大切に思っていてくれる幸せに
いつか、心から気付いたら
彼女も自分自身を、もっと
もっと大切にできると信じたい
長女の机に
鍵のかかる引き出しがある
いつもはどこに隠してあるかすら
わからないその鍵が
この日は机に放り投げられていた
見てはいけない、とも思いつつ
開いてしまったそこには
刃
自分の代わりに切り刻んだのか
血の付いた消しゴムのかけら
そばには壊れたアクセサリー
鍵が
誰にでも見つかるところに置いてあったことは
必死になってこの刃の引き出しを
もう隠さなくていい、と思ったからなのか
それとも、SOSなのか
親を試しているのか
もしかしたら
お守りのように、刃を持っているだけでいいのか
長女の心の表と裏、を思う
引き出しをそっと閉め
鍵を元通りに置いて
私が部屋に入ったことがわかるように
春秋用の布団から冬の布団へ模様替えをして
彼女の部屋をあとにした
長女からは何も言ってこない
言葉の代わりに
こたつの中で足をつつかれたり
私の肩に頭を乗せたり
そんなこともあったかと思うと
時おり、乱暴な言葉を投げつけたりもする
「うざいし」
「余計なこと言ってんじゃねぇし」
やっと私に向かって言えるようになった
こんな言葉も、いつか
大人になった時、自分で思い出しては
あんなこともなったな、と
苦笑いしてくれたらと思う
一歩、二歩、進んでは
また逆戻りかもしれない日々
だけれども
色とりどりの思いが、ひらひらと
舞い落ちる彼女の心の中で
一筋の陽の光がさしていると
思う、今日この頃です
Posted at 2016/12/02 05:19:03 |
ヒトリゴト絵日記 | 日記