
なぜ子供(選手)たちをそう簡単に潰していくのだ。。。
野球の指導者って,いろんな人がなっている。
お父さんたちが創った草野球チームから本格的なクラブチームまで。
指導者がいるところもあれば,いないところもある。
指導者がいても,ただ草野球をかじったことがあるだけの人だったり,元プロだったり,トレーナー経験のある人もない人も。
戦術・戦略に詳しい人がなる場合もある。
プレーがうまいっていうだけの人もいる。
そもそも,プレーの才能と,指導の才能は別物。
うまい人と下手な人では,同じように努力しても努力するポイントが違うのだ。
勉強だってそうじゃない?
わからない人に教えるのは,まず何がわからないかを教える方が見抜かなければならないが,わかっている人にとっては当たり前の話なので,まさかそこがわからないと思ってなかったり。
例えば,
sinΘ=cos(π/2-Θ)
を説明する時,あなたならどこから説明しますか?
あるいはどこから説明して欲しいですか?
野球の話でそれを考えるなら,
100mの遠投
ある選手は腕力だけでそれが可能。
腕力がなくても下半身をうまく使えれば可能な選手もいる。
どうやってもできない選手もいる。
そもそも,投げるという行為すらままならない人もいる。
できる人はできる,できない人はできない。
そしてなぜできないかわからない
それぞれに違うのです,できない理由は。
それを指導する側が理解できているかというと,決してそんなことはない。
スポーツこそ,個別指導,個別評価が重要だ。
そして現実的には何で評価しているかというと,
コントロールがいい,球が速い,フォームがきれい,肩がいい,足が速い・・・
しかも,その選手の最大能力でしか評価していない。
その日その瞬間のコンディションでの評価ではない。
今,選手のコンディションは?
今日の練習(試合)に出られるのか?
次のワンプレイが可能なのか?
それを気にしている指導者がどれだけいるだろう。
肩や肘を壊し,僕たちのところを訪れる選手たちを数多く診ていると,ふとそんなことを思う。
結局,指導者たちは選手個人個人の将来なんて本気で考えていない。
考えているのは,目の前の勝利だけ。
勝てば自分の評価が上がる。
負ければ選手の能力不足,努力不足。
だから,いいと思った選手しか使わない。
いいと思った選手ばかりどんどん使う。
限界を超えても,勝つための手段として使う。
そして,壊していく。
限界は超えることが美徳と教える。
違う。
限界は超えないことが美徳なのだ。
そのためには限界を知らねばならない。
ではどうやって?
僕たちのところに来る選手たちには伝えている。
コーチや監督たちは目の前の勝利が欲しいだけ。
君たちの将来のことはこれっぽっちも考えていない。
だからこそ,自分で自分の体のコンディションを把握し,整えていく必要があるのだ。
そのためのセルフチェックやトレーニングの方法を指導する。
他の誰の身体でもなく,他の誰の未来でもない。
全ては自分のこと,自分のためだ。
監督のために犠牲になる必要はない。
チームのために将来を犠牲にすることはない。
本気でチームのためを考えるなら,故障しないことが一番だ。
そして,自分の限界を知るための,一つの方法を伝授する。
数週間後に僕たちのところを訪れた選手の中には,ちゃんとセルフチェック,セルフコンディショニングができているものもいればできていないものもいる。
実はこの時に一つの評価をする。
できていないものは,なぜできていないのか。
僕たちの指導するチェックは簡単なチェックだ。
覚えられなければ,覚えるまで通えばいい。
ただし,本気でやろうとするなら簡単に覚えられるレベルのものだ。
実際に身体を動かしながら指導するのだ。
頭と体で覚えるのだから,そんなに難しい話でもない。
テストの勉強よりはよっぽど簡単だ。
覚えられないということは,覚える気がないということかもしれない。
また,やろうと思ってもできなかった場合。
これも結局はやる気がないということだと判断される。
寝る前のちょっとの時間でもできる。
朝ちょっと早起きすればできる。
部活の前のちょっとの時間,昼休憩のちょっとの時間でもできる。
でもできなかった。
できなかったというのは言い訳に過ぎない。
なぜできなかったのか,それを考えさせる。
そして,気付かせなければならない。
実はできなかったのではなく,やらなかっただけなのだ。
やる気がないならお金も時間も無駄だからもう来なくてもいいよ。
野球もやめたら?
どうせまた故障してできなくなるよ。
面と向かってそうは言わないが,結局そういうことだというのを気付かせる。
気付かない選手は何度やってきても同じだ。
そして同じ故障を繰り返す。
本当に野球ができない身体になるまで。
それができるようになれば,選手は放っておいても成長していく。
そうなれば指導者は・・・勝利にこだわった布陣を組める。
プロの監督であればそれができる。
なぜなら,プロの選手はセルフチェック,セルフコンディショニングができないと死活問題だからだ。
そこは完全に選手の責任であり,それができない選手は実際に落ちていっている。
ほとんどの指導者は,大事なプロセスのほとんどを欠いて,結果だけを求める。
プロの監督と同じことをしようとする。
少年野球~高校野球の指導者に問いたい。
選手一人一人のコンディションを把握し,それに合わせた指導,登用をしていますか?
選手にセルフチェックの指導を行なっていますか?
選手の能力の最大値しか見ていないんじゃないですか?
選手は常に能力の最大値を発揮するわけではないのですよ。
最大値を発揮できなかった時に,根性が足らないとか,やる気がないとか言って切り捨てていませんか?
あ,これ,野球に限らず,全てのスポーツに当てはまりますから。
いや,スポーツに限らないねw
結局さぁ,最大馬力でしか車を評価しないのと同じだよねwww
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スポーツ傷害の話 | スポーツ
Posted at
2009/11/19 20:44:38