
アルファロメオ ジュリア ヴェローチェの試乗記、今回は走行編です。
試乗はディーラー裏の30km制限道路を一周したのち、幹線道路を4km程走るコースで行いました。
走行編でも、全編に渡って現在の愛車であるマセラティ ギブリと比較しながら記載していきます。
アルファロメオ葛飾の営業担当の方からキーを渡され、早速コックピットへ。
ここで感じましたが、キーの質感がイマイチでした。
無塗装の黒プラスチックとシルバー塗装のプラスチックで構成されていますが、特にデザインらしいデザインも無く、シンプルなプラスチックの塊と言った印象です。
スマートキーが主流となった昨今、車のキーのデザイン自由度は上がっているはずですが、実際には画一化してしまっているように思います。
個人的に車やバイクのキーは、その乗り物を所有している事を示す証のようなものだと考えていて、車選びにおいても非常に大きなファクターになっています。
優れたデザインのキーは、パンツのベルトループから下げているだけでも様になりますし、帰宅してデスクの上に置いたときにも満足感を覚えます。
。。。話が脱線したので、ジュリアの試乗の話に戻ります。
①エンジン
今回試乗したジュリア ヴェローチェに搭載されるのは2L直列4気筒のターボエンジンです。これで280馬力を発揮しているので、かなりハイチューンなエンジンだと言えます。
近いスペックだと、スバルのwrx s4等でしょうか。
このジュリアの直4ですが、回転上がり・下がり共に軽快で非常にスムースな感触でした。
40km、1800回転くらいで走行中にアクセルペダルを踏み込むと、ハイチューンターボエンジンらしく一瞬の間の後に太いトルクで蹴飛ばされる感覚があります。
パワー、トルク共にギブリには劣りますが、実はこのジュリアは車体重量が1600kg程度しかありません。
その為、街中での俊足感はギブリより高いように感じました。0−100kmもギブリより速いのではないかな。
ジュリアにはアルファお得意の走行モード選択「D、N、A」システムがあります。試乗中は常にDモードを選択していました。
走行性能は十分満足できるエンジンでしたが、一方でサウンドについてはあまり印象に残りませんでした。
エンジン音は適度に車内に響きますが、高回転でも官能的なサウンドにはなりません。
マフラー音も躾けられており、普通に運転しているだけだと意識することはありませんでした。
エンジン音・マフラー音共に積極的に響かせているギブリとの違いを感じました。
②ステアリング・足回り
ジュリアの試乗で最も驚いたのは、超クイックなステアリング設定です。
ステアリング自体も非常に軽く、且つステアリング比がクイックなので相当に軽快な旋回ができます。
ディーラーの駐車場から出発する段階から、このクイックステアに面食らいました。比較的重ステのギブリと同じ感覚でステアリングを切ったので、急ハンドル操作に。。
幹線道路を走行している時も、拳ひとつ分ステアリングを切っただけで、隣の車線にワープします。
ここ迄ステアリング操作が軽快な車は経験がなく、最初は乗りにくさを覚えましたが、慣れると本当に楽しい!この点だけでもジュリアを買う価値があるとすら思いました。
ただ、長距離を乗る場合は疲れるかもしれません。というのも、ジュリアのステアリングは中心付近に不感帯が殆ど無いため、小指の爪先程度の操舵でも車体が振れます。
加えて足回りが比較的固く、さらに19インチのランフラットを履いている為、路面の轍を相当に拾います。
轍にハンドルを取られる→車体が大きく振れる→修正舵を当てるという操作を常に行うことになります。
ワインディングを走らせるのには最適なステアリングですが、高速を流す際には落ち着きが足りません。
モード設定にかかわらず、ステアリング特性を調整できる機能があれば良いと思います。
③ブレーキ
エンジンは好印象でステアリングでは望外の楽しさを感じたジュリアですが、ブレーキについては良い印象はありませんでした。
車体の軽さの割にブレーキが効かず、効かせようと思って強めに踏むとガクンと止まります。
ギブリのブレーキが比較的リニアに効いてくれるので、ジュリアのブレーキ操作には気を使いました。
④ジュリア ヴェローチェの総評
30分程度の短い試乗で得たジュリアの感想は、街中・ワインディングで楽しむハンドリングマシンというものです。
好みが分かれる外装デザインも好きな人から見れば唯一無二ですし、内装デザインはソツなくスポーティに纏められています。
同サイズのライバル車(bmw3シリ、MB Cクラス等)に比べると、後席・トランクは狭いものの普通に使えるレベルを確保しています。
税制面で経済的な2Lのエンジンにも関わらず、パワー・トルクともに必要十分でサウンドも静かです。
ブレーキの弱さは気になりますが、クイックなハンドリングはその弱点を補って余りある楽しさをもたらしてくれました。
⑤ギブリと比べて
ギブリとジュリアの間には明確なキャラクターの差がありました。
2トン近い重量を活かしてドッシリと落ち着いて走るGTカーとしてのギブリと、超クイックなハンドリングを楽しむジュリアです。
内外装の高級感には車体価格分の差がありギブリに軍配が上がりますが、限られたコストでデザインを纏めたジュリアの方がコストパフォーマンスは高いと言えます。
ジュリア試乗後にギブリを運転すると「重っ。。」となりますが、幹線道路を数キロ走ると「この落ち着きが安心する。。」となります。
これが、ジュリアの最上グレードであるクアドリフォリオになると車体重量も100kg増え、足回りも変わるためどう変わるのかは気になりました。
⑥買いか、否か(中古含めた検討)
ジュリア ヴェローチェは新車乗り出しで580万円前後の車です。
新車で買うとすると、同程度の予算で同じイタリアンセダンのギブリや、AMG・Mシリーズ等のドイツ高性能車の中古も選択肢に入ってくるので、かなり悩ましいところではあります。
一方、中古市場を覗いてみると、2019年式5千キロ以内のジュリア ヴェローチェが乗り出し300万円台で手に入ることがわかります。
これであれば、かなり魅力的ではないでしょうか。
最上級のクアドリフォリオは中古市場でも600万円後半〜800万円台をキープしており、こちらであれば購入後のリセールは悪くないようです。
ギブリを3年乗った2023年。2018年モデルのジュリアクアドリフォリオがどの程度値を下げているか。
500万円台で手に入る様ならば、次の愛車候補に入れたいと思えました。
今回初めて試乗記を文章にしてみましたが、文字ばかりで読みにくくなってしまいました。
次はもっと写真を撮って、分かりやい文章を書きたいと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。