オリジナル リアメンバーカラー
BMWのリアメンバーブッシュはかなり大きなゴムブッシュで、ここをリジット化するだけで、車の挙動が目に見えてシャキシャキになる。
1シリーズE87において、車に軽快感が欲しいとショップに相談したところ、一番初めに提案されたのが、リアメンバーブッシュのリジット化だった。
今回のE86に関しても同様にしてもらおうと相談を持ち掛けたが、あまり気のいい返事もらうことはできなった。
というのも、このE86はこれから車がEV化していくとしても、ガソリン車として可能な限り乗り続けたい、そんな車として仕上げたいと要望を伝えていたためである。
店長曰く「リジット化は確かに効果は大きいのですけど、ボディやアーム類などその周辺へ与える負担は大きい。長く乗り続けたいと言うのであれば、あまりお勧めはしたくありません。ブッシュを純正でも新品にするだけでも全然違いますよ」「長く乗りたいのなら純正が一番です」というアドバイスを受け、サスアーム、ロアコンやアッパーマウント、スタビリンクを含め全てのブッシュを純正の新品に打ち変えてもらった。
走行距離は4,2000キロだったが、13年が経過しており、破れなどはなかったが、硬化していて柔軟性は失っていた。
この時はシャキっとしたというよりは、凄く詰まったようなフィーリングとなり、全体的な剛性感が高まった。
これが本来のZ4の乗り味なのだろうが、やはり私はスポーツカーとしての軽快感を欲した。
何より車がE87よりも重く感じるのが我慢できなかった。
E87は1410kgで170馬力。
対してE86は1430kgで265馬力。
パワーウェイトレシオで考えればE86の圧勝であるはずだが、特に低速域でE86の方が重たく感じるのである。
今回E86を仕上げていくにあたっては、E87に施したのと同じメニューを基本としている。
先日ラムエアーを入れたので、違いはリアメンバーブッシュのリジット化とボディダンパーである。
ボディダンパーはZ4用が設定されていないようなのであきらめるしかないが、リアメンバーに関してはやろうと思えばやることができる。
耐久性を考えるとショップのアドバイスもよくわかるのだが、長く乗り続けるからこそ納得のいく車に乗り続けたい。
ということで、再度相談をしに行くことに。
前回はああ言われたが、やっぱり納得のいく乗り味ではない。
しかし、同時に耐久性や上質さも捨てたくはない。
なんとかして、とワガママを言ってみると、
「ではリアメンバーカラーはどうでしょう」とおススメされた。
リアメンバーカラーとは言ってしまえばリアメンバーのリジカラで、純正のブッシュに挟み込む形で装着し、リジット化に近いフィーリングを得られると同時に純正ブッシュの懐の深さも活かせる製品ということである。
良く言えばいいとこどりであるが、悪く言えばどっちつかずとも言える。
「前回せっかく新品のブッシュに変えたことですし、それを活かしたいですね」と言うので、それには私も同意である。
「それに完全にリジット化するとなればまたリアメンバーを降ろさなければならないので、工賃もかかります。カラーはちょっと緩めて挟み込むだけなので、工賃もグッと抑えることができます」と、こちらの懐事情も考慮した提案をしてくれるのでありがたい。
「ただ、これでもボディへの負担と言う意味では同様です。それを理解した上でということであればやりましょう。」
と言うやりとりの後、装着をお願いした。
さて、装着後に店を後にすると、もうそれだけで車の挙動がまるで違う。
アクセルに対する車の挙動レスポンスが段違いである。
今まではアクセルを開けると、グゥゥウーンという感じで加速していったのに対し、アクセルを開けると同時にパァンと車が反応する。
特にE86はリアタイヤがシートのすぐ後ろにあるようなレイアウトなので、アクセルに対するリアの駆動、それに対する車体の挙動レスポンスの向上が効果を得やすいパッケージングである。
E87で初めにお世話になった時に軽快感を出したいといったら、軽量化よりもレスポンスフィーリングが大事だと教えを受けたが、本当に実感できる。
人が車の挙動を重いと感じるのは、実際の重量ではなく、自分の感覚より遅れて反応してきたときに生じるズレに対して感じるのであって、実際の重量が重くても、軽い車と同水準の反応をすれば重いとは感じないのである。
今回E86を仕上げるにあたって、半年ほどかけて少しずつパーツを導入していった。
前回のE87では一気にやってしまったので、確かに良くはなったが、何をどうしたらどう変わったのかがわかりにくかった。
今回は一つ一つのパーツをじっくり乗り込みながら変えていったので、ああ、このパーツを入れるとここがこう変わったなというのをすごく実感できた。
これでE86のチューニングは一段落である。
自分が欲しいと思うフィーリングの車に仕上がったと思う。
よく改造と書いてチューニングとルビを振られることがあるが、チューニングとは調律という意味。
調律は一般的には音楽の世界で用いられる言葉であるが、広義的には機械や道具に手を加え、目的とする状態に調整することである。
改造することによって目的とする状態に調整することで初めてチューニングと言える。
今後乗り込んでいくうちにここの部分をもう少しこうしたいなんてことが出てくるかもしれない。
その時にはまたチューニングをしていこうと思う。
購入価格 | 58,000 円 |
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入手ルート | 実店舗(その他) ※工賃込 |
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