
しばらくの間、MAZDA3を紹介するときに比較対象になる、前の愛車のメガーヌハッチバック GT220についてご紹介。ほかの記事に入れようと思ったけど、どうしても長くなっちゃうので分離しました。
車好きならメガーヌという車を知っている人はたくさんいると思いますが、まず思い浮かべるのはRSですよね?シビックType-RとFF最速を競ってるあれです。GT220と聞いてすぐにピンとくる人はなかなかのルノー通。
GT220をおおざっぱに説明すると、1個前のメガーヌ(=メガーヌⅢ)のRSをデチューンして5ドアのボディを載せたモデルです。トランスミッションは6MTのみ設定。ハンドルは基本右。最初にエステートが導入されてあとからハッチバックが追加されました。(本国では3ドアもあったみたい)
来歴をもう少し詳しく説明しましょう。
まずベースとなったメガーヌRSには2種類のシャシーがあるのはご存知でしょうか?シャシーカップとシャシースポールといいます(スポーツじゃなくてスポール。フランス語だから)。カップの方がよりハードなセッティングになっています。じつは先代メガーヌRSはカップだけが日本に導入されました。
GT220は導入されなかったシャシースポールをベースに専用のセッティングがされた車です。おおむね公道の走行により適するよう調整されているようです。RSがベースなのでフロントサスペンションはルノースポールご自慢のダブルアクシスストラットサスペンション(DASS)です。
エンジンはRS用をデチューンして搭載しています。デチューンの結果、最大出力は220PSと控えめですが、最大トルクは34.7kgf・mを2400rpmで発生させます。当時のゴルフGTIとほぼ同じ数値ですね。中低速重視のセッティングになっているらしく、実用領域のトルクがかなり太いです。
一方、ベースモデルが古いこともあって、衝突防止ブレーキとかレーダークルーズコントロールとかの先進装備はありませんでした。普通のクルーズコントロールやフランス車特有のスピードリミッターはありましたが、カーナビですら後付けしかできないほどです。(この辺は欧州のカーナビの普及率も関係していたでしょうが)
ちなみにですが、輸入車の右ハンドルMTにありがちなペダルレイアウトの不自然さはありませんでした。
エクステリアは、自分のは後期型なのでいわゆるヴァンデンアッカー顔でしたが、かっこよさと愛嬌が程よくあるデザインで好みでしたね。ボディラインも抑揚があっていい感じです。チャームポイントはヘッドライト下側のホワイトの縁取り。ボディカラーはブルーアイロンメタリック、目が覚めるような鮮烈な青でした。この色だけでも買った価値があると思えるくらいいい色でした。
反面、インテリアは質素といえるぐらいシンプル。シートの出来がいいのもあって、居心地はよかったですけどね。
このメガーヌGT220には5年半ほど乗りました。運転してきた感想を1行でまとめると、ホットハッチなグランツーリスム。
高い旋回性能、高トルクでレスポンスの良いエンジン、「自然な」応答を返す操作系により、ワインディングでも町中の交差点でも、「曲がる」という行為そのものが楽しくなります。それでいて高速道路ではクラスを超えたフラット感を発揮し、高トルクと相まって高速巡行もとても快適に行えました。それまで「やっと着いた」と思っていた距離でも、「あれ?もう着いた?」と感じるようになりました。まあ遮音性はいまいちなので、ちょっとうるさくはありましたが。
この車に出会ったことで、自分が車に求めるものが定まったように思います。普通のファミリーカーだと退屈だけど、カリッカリのスポーツカーも疲れちゃう、てところでしょうか。言い換えると、よく曲がって加速もよくてそれでいて長距離も快適に走れる車、でしょうか(燃費?積載性?聞こえませんねえ)。スポーツに振りすぎると長距離が微妙になっちゃうんですよね。もっと高価格な車はわかりませんが。
あと、見た目が自分の感性に響くこと。これも重要。
西は長崎、東は山形、仙台までいろいろ連れて行ってくれましたが、輸入車によく言われるような故障もなく走り切りました。メンテナンスもこまめにしてきたつもりです。次のオーナーのもとでも元気に走ってくれるといいなあ。
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2022/04/24 22:27:04