2023年03月29日
5日間で700キロ走った新車の感想(ならし運転完了まであと1300キロ)。
●足回り
やはり低速領域では、ALPINAの方がはるかに道路に馴染む(跳ねない)。
今回のクルマの「コンフォート& efficent」モードはその点では不快で(不快な揺れ残りが存在する)、「スポーツ」モードの方がはるかに道路に馴染む。私の常用は、700キロ走った現在のところ、「スポーツ」モードの一択。サス、エンジン、ハンドル、ブレーキ、駆動モードもそれぞれモードが選べるが、すべて「スポーツ」で丁度だ。
アダプティブMサスペンションと言っても(この磁性ダンパーはAudiのものらしいが)、低速ではほとんど不快なまま。低速での脚周りの処理はALPINAを超えるものはない。柔らかいのに道路に貼りつくような走りを可能にしている(「アルピナマジック」と言われる通り)。ALPINA以外のクルマはその点で雑でしかない。
コーナーの安定感は、今回のクルマの方がはるかに上。四駆なのに頭(ノーズ)がすっと入る。ALPINAはリヤが少し遅れる。30センチも全長(5メートル近くある)が長い今回のクルマだが、後輪はすぐ後に付いているかのように収束が速い。どんなに急激にアクセルを踏み込んでも、ノーズは全く上がらない(跳ねない)。地べたに這いつくばっている。リアのトラクションの掛かり方に対して直ちにフロントトラクションが反応する。フロントがどんな時も接地しているため、ハンドリングはとても素直だ。乱れることがない。フロントのトレッドがリアのトレッドよりも少し広いというのも効いているのかもしれない。タイヤ幅は、275(前輪)、285(後輪)で前輪の方が狭いのだが。
まだ「スポーツプラス」(サーキットモード)は試していないが、たぶんゴーカートのような足回りになると思う。それはそれで楽しみだ。※メーカーはこのクルマの「スポーツ」モードをニュルブルクリンクモード、「スポーツプラス」モードをGPサーキットモードと呼んでいるが。
●エンジン&ブレーキ
1800回転から5900回転まで76.5キロもトルクが続くこのエンジンはどの速度域でも瞬時に反応するが、まだ慣らし運転中で(4000回転で自粛中)、そのトルクバンドの全域を味わえる段階ではない。エンジンマウントも900N/mmまで異常なほど締め付けてあるが(いつも助手席にきれいな女性を乗せている五味康隆に、「俺はこんなクルマ買いたくない」と言わせるほどに硬いが)、その分、エンジン音も快適だし、クルマは軽く感じられる。そんなパワーを極め尽くすテクニックなど私にはないが、パワーのあるクルマに乗っていると、飛ばす気にもならない。かえってゆったりと流していられる。馬力&トルクの功名とでも言うべきか。4.4リッター大排気量のクルマは、長距離ドライブでは運転疲れが半分くらいな感じになるのも利点の一つ。反時代的ではあるが。たぶんこの安楽さは、EV車では味わえないかも。
ブレーキはとてもよく効くが、ストロークが短くてかなりそっと踏まないと不快なくらい。いくぶん、〝かっくんブレーキ〟気味。アルピナのブレーキはとてもよくできていて、普通にミリ単位で調整が効いて、同乗者を不快にすることなどなかった。
●安全装置
安全装置は、前回のクルマからまだ6年しか経っていないが、隔世の感あり。自動運転は一度体験すると戻れないくらい実用的。またT字路から、広い本道へ流入するときに、フロントのカメラが魚眼的に本道の流れをモニタに映すので、中途半端なノーズの突っ込み無用で安全に本道の流れに入ることができる。
しかもこの魚眼機能、GPSと連動していて、T字路に来ると自動的にモニタに左右の本道の流れを映し出す。モニタがGPS(地図)と連動しているのがすごい。もちろん手動でも展開する。
ポルシェカレラのフロントリフティング装置も、GPS(地図)と連動して一度記憶させると自動的にフロント(最低地上高)を上げる機能があるが(段差障害物をバンパー下部に当てないための機能)、こういったGPSと連動する機能はこれからどんどん増えそうだ。
たった6年間で、ナビと連動する機能がこれだけ増えたことは、感心、感心。今後もどんどん増えて行くに違いない。その上、車載3G通信機能によってクルマの状況が絶えずメーカーのサーバーに送り続けられているので、自宅の部屋に戻っていても、街中で買い物や食事をしていてもクルマの状態を監視できる。これも隔世の感あり。ただし、メーカーに自車を監視されているのと同じことだが(笑)
車庫入れや洗車機のレールに沿わせる機能はすべて、実カメラで映しながら3D化するために、信頼感がとても増したような気がする。クルマの四方八方にカメラとレーダーが埋め込んである。
安全装置と直接関係はないが、クルマをロックした後、クルマの臭気を自動的に脱臭する機能も選択できる。何分間かで切れるらしい。これも便利。これと反対に運転すべくクルマの中に入ったら、エンジンをかけなくても、電装系のスイッチが自動的に入り、操作自体はすでになんでもできる状態になっているのも便利な機能です。
●デザイン
外形では、誰が見ても美しいとは言えない。デブ形状だが、そこそこの大きさで、落ち着いた感じを与えているのがまあまあというところか。昔の7シリーズよりも大きいくらいだから、最近のクルマはどんどん大きくなっている。
内装では、メーターパネル&ダッシュボードは、いささか古くさい。ただし、コントロールモニタ(ナビなどの)は、12.3inchの大きさのため、とても使いやすいし、形もとてもこなれている。目線とほぼ同じ高さにあるのもとてもいい。
メーターパネルは一度フルデジタルメーターになると後には戻れないくらい。表示内容の多彩さがとても機能的だからだ(それにしては、まだまだ情報が足りないが)。
その上、ボンネットあたりに表示される(実際はフロントウインドウに映る)ヘッドアップディスプレイ。ここに現在走っている道路の最高速度制限などの交通標識はじめ、現在の速度、次の右折左折表示(ナビ機能)、オーディオの選曲機能など、インダッシュのセンターに目を逸らすことなく、前を向きながら、ほとんどの機能を表示することができる。しかも走行スピードに応じて表示は下がり、目線を邪魔することもない。これもとても便利。
内装の質感で特筆すべきは、ダッシュ周りのナッパレザー(二重のステッチ付き)とアルカンターラの天井・ピラー周り。これは、クルマよりも高級感があって、大変満足。アルカンターラは、ポルシェ&フェラーリ連中が好きな内装材だが、これはたしかにとても素敵な内装材。気に入りました。
●燃費
燃費はどんなに上手に走ってもリッター7キロ強くらいだが、4.4リッターツインターボV8エンジンとしては悪くはない。しかし、ビュンビュン回るので、ならし運転が終わった後の燃費が心配だ。
以上、とりあえず、納車5日目の感想です。
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2023/03/29 16:58:28
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