
2025年7月26日、久しぶりに公共交通機関でお出かけした話の続きです。
東京駅と秋葉原でウロウロしたあと、炎天下の街を西へ歩き目的地へ。
本日のメインイベント『第24回80mkII会』にお邪魔してきました。
過去何度かお誘いの連絡を頂いておりましたが、私は土日が休日になることが少ない職業なものですから、いつもタイミングが合わず心苦しい思いでした。
今回も実は出勤日でしたが、(売上的に)休めそうでしたので思い切って参加させていただくことにしました。
主旨を正しく理解していないかもしれませんが、『80mkII会』というのはその名の通りNECから1983年に発売された『
PC-8001mkII(Wikipedia)』を色々な意味で愛でる会(ですよね!?💦)。
会場には『
PC-8001mkIISR(Wikipedia)』も。
SRに関しては、いまWikipediaを開いて初めて知った詳細スペック……💦
そして初代『
PC-8001(Wikipedia)』でもゲームが動いていました。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
バックグラウンドな話が無いと進めづらいので私の話を少し挟みますと……
中学生だった1979年当時、『
TK-80(Wikipedia)』と『PC-8001』を触りにアキバの『Bit-INN』に通っていました。
これは私の『TK-80』ですが、10年ほど前に電源を入れたときはまだ動きました。
初めてプログラミングした石は、この『8080』です。
44年前、高校1年生の春に『PC-8001』と『PCG8100』、『MP-80 Type2』などが揃いました。
キーボードから外に配線が伸びていますが、これはジョイスティック用です。
ゲーム専用機でしたね!
ただ、遊ぶよりは作る時間の方が長かったです。
『PC-8001』の次に買ったPCは『PC-8801mk2』ですので、『PC-8001mk2』とは縁が無かったんですよね……。
『PC-8001』を購入して初めて作ったゲームが『デジタルインベーダー』です。
『マイコンゲームの本[2]』に掲載されました。
今回の『80mk2会』に持参した開発資料です。
「No.2」とありますが、PC-8001で初めて作ったプログラムはカセットのラベル印刷用のプログラムでしたので、ゲームとしてはコレが一作目です。
YouTubeサイトで見る
音が変だけど動画見つけた!
はらJINさんが描いてくださった挿絵は宝物です。
その後、『PC-8001』は大きく改造して使っていました。
いろいろ拡張していたらキーボード(フタ)が閉まらなくなってしまったのでケースを自作しました。このケースの中に入れた主な拡張項目を挙げますと……
- PCGの親基板、子基板。
- 自作フルカラーPCGボード。
- CMT-2400高速カセットインターフェイス。
- 拡張ROMボード(オリジナルのOS焼き込み)。
- 64KB RAMボード。
- フロッピーディスクドライブコントローラ。
- バス信号ブースター。
- 強化電源。
- 周辺家電制御基板(リレードライバ)。
- シンセサイザー用D/Aコンバータ。
- タイマー付きクロック(ホントは本体のμPD1990から引っ張りたかった)。
- オートシャットダウン回路。
こんな感じです。
指定した時刻になると起動して、特定のプログラムをディスクからロードして実行し、Z-80のHALT命令に出会うと、チップのHALT信号をラッチしてリレーを駆動して、勝手に電源が切れるような仕組みになっていました。
フロッピーディスクドライブは純正ではなく、工人舎の『KD-276A』です。
印税で購入しました。(><)/
自作ゲームの2作目は『PCGディグダグ』です。
タイトル画面のフルカラーっぽいキャラクタがお気に入り。
これが次回作ダスティーワールドのキッカケの一つになるわけですが……
以下、四半世紀前に公開していたWebサイトに書いていた文です。
ナムコさんの同名アーケードゲームを『PC-8001+PCG』用に移植しました。きちんと完成させてI/O誌に投稿して、掲載直前まで話は進んでいました(原稿も書きあがっていましたし…)。
しかし、ちょうどこの頃、ソフトウェアの著作権が大きな問題になりまして、「オリジナルに酷似しているので掲載(販売)できない」という事態になったのです(1981年:米国でソフトウェア保護の著作権法施行~1986年:日本でプログラム保護を目的とする著作権法改正)。
まぁ似ていると言ってもPC-8001での移植でしたから、たかが知れていますけどね。今思えば、当時パソコン版のソフト販売も行っていたナムコさんに直接持ち込んでいれば、“もしかしたら”世に出ていたかもしれません。あと2~3ヶ月早く発表していれば…と非常に悔しい思いでした。
仕方がないので、PC-8001ユーザーの親しい仲間にだけ配布しました。みんなとても気に入って遊んでくれたのが、せめてもの救いです。…とか思っていましたが、今こうして紹介することができるのですから「インターネットさまさま」ですね!
ディグダグは、ナムコゲームの中でも最もお気に入りの一つで、学校帰りに毎日ゲームセンターに通っては100円玉をつぎ込んでいました。
で、どうしても自分のPC-8001で作って遊んでみたくなったのですね。
PC-8001版のディグダグは、すでに何種類か販売されていました。大好きなゲームですから当然買いに走ります。しかし、そのどれもが自分では満足できないものでした。何故かと言うと、PC-8001版のどれもが『縦横比』と『解像度』の問題から、穴を掘って作れる通路の数が少なく、また、隣接する通路を掘ると仕切りがなくなってしまうからです。
このゲームは、通路と通路の間の細い壁を通して『銛(もり)』を突いたり、逆にファイガーの火炎攻撃を受けてしまったりと、そういう部分が醍醐味なわけで、これができないディグダグは、「もはやディグダグではない違うゲーム」になってしまうのです。
当時のパソコンの解像度と色数では、本物のゲーム性を再現することはとても難しいことでした。でも、できる限り「もどき」ではなく、ゲーム性を含めて移植したかったのです。
無いものは作る!
自分が満足できるPC-8001版ディグダグを目指そうと、開発が始まりました。
隣の通路を掘っても「空白」にならずに壁ができるようにするには?
こればかり考えていました。
160×100というPC-8001のグラフィック解像度では、通路の数を少なくするか、壁を諦めるしかありません。そこで、PCGを使って実現する方法を考えました。
最初は「ベタ」の土のパターンを定義したキャラクタを敷き詰め、穴を掘るとスペース(空白)キャラクタではなく、掘った方向別の通路のキャラクタに置き換えていったわけです。縦や横だけでなく、直角に曲がった時、縦(横)に壁ができている時に横(縦)に掘った場合のキャラクタ差し替えルールを考え、実装していきました。
このゲームの移植には1年もかかってしまいました。作っている当時は高校2年生。一所懸命、学業に専念していたもので…(ウソです)。
岩やモンスターの初期位置や穴の形状もオリジナルに忠実に再現しようと思ったので、ゲームがうまい友人に金を払ってプレイしてもらったり、ゲームセンターにカセットレコーダーを持ち込んで音楽を録音したりと、かなり気合いが入っていました。
各ステージで「穴の初期配置」を壊さないようにプレイしてもらいました。ノートに書き写す間、最後の一匹をずっとポンプで膨らまし続けてもらいました。
(今なら携帯カメラで一瞬ですよねー)
BGMを録音したカセットテープは家に持ち帰り、妹のエレクトーンを借りて耳コピで楽譜に直しました。
電波新聞社のマイコンBASICマガジン別冊「ナムコ・ゲームのすべて」とか「ナムコ・ビデオゲーム・ミュージック・プログラム大全集」が発売されたのは、ずっと後の1985年ですから、当時は耳コピするしか手段がなかったのです。
PCGには単音(後期バージョンは3音でしたが)のサウンド回路が付いていましたから、これで音楽を鳴らそうとするわけですが、ディグダグってBGMもコミカルでかわいいんですよね。メロディー・ラインとベース・ラインのハーモニーも捨てがたいし…。というわけで、PCG用のサウンド・ドライバを書いて、メロディーとベースを交互に鳴らすことによって、疑似的に2重奏に聞こえるようにしました。
YouTubeサイトで見る
とにかく大好きだったんですよー
自作ゲームの3作目は『THE DUSTY WORLD』です。
『pio』1984年 10月号に掲載されました。
高校3年生の頃に作っていたゲームですが、掲載された1984年10月は大学生です。
ディスクベースのアセンブラを使っています。
エミュレータの作者さんが、このゲームのために特別なスイッチを付けてくださいました。
そして、
あの三津原さんがiPhoneでも動かしてくれました!
当時のノートには方眼紙にドット絵とか……
授業中にあれこれ考えたアセンブリ言語のコードが……
これらもほとんど高校の授業中に内職しておりましたw
頭の中ではすでにこのコードで動いていたんです。
家に帰ってこのまま打ち込むと……一発完動……しないこともあったけど、だいたい動いてましたよ🤭
YouTubeサイトで見る
実際にエミュレータで動かしたときの動画です。
(2023年7月10日に公開したもの)
『pio』1984年 12月号に、ダスティーワールドやディグダグに関する制作小話が掲載されました。
くそ生意気な文でお恥ずかしい限りですが、最後に「ブルーサンダーみたいなヘリが主役で、アルフォスタイプのスクロールゲーム」を作っていると告知しています。
結局その後は「I/Oエンジンルーム」に入り浸りの生活だったり、大学を中退してゲームアーツに入ったりして完成していないのですが、今回の『80mk2会』では資料だけ持参しました。
自機のヘリコプター。
地形のイメージイラスト。
ゲーム中の地形データ。
1面遊べるくらいまでは出来ていたんですけどね、スクロールルーチンや重ね合わせ処理は、そのままゲームアーツで『VEIGUES』の背景処理として使ってますw
上で紹介した高校時代に作ったゲームの資料は、こんな感じで展示していただきました。
まさかこんな時代がくるとは……
大事に残しておいて良かったです。
なお、8冊のノートやファイルは、MUCOM™さんに預けてあります。
あ、この4枚の資料写真もいただきものです🙏
次回もし私が参加できなくても今回のように展示していただいて構いませんので興味あればどうぞご覧ください!>MUCOM™さん
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
上で紹介した雑誌を手渡され、私のゲームの掲載ページにサインをねだられました💦
えぇ~? 人生2回目のサインです。なんて書こうか……
去年『オタゲン』さんで書いたのと同じにするか。
と、その時の画像をスマホに表示しながら……💦
というわけで、去年の9月に「ゲーム開発者同窓会みたいな呑み会」を『
オタゲン』さんで開催したことにも触れておきますかー
店内にはフィギュアが飾られ…
皿にはガンダム。
とても楽しい空間でお酒と料理が楽しめますよ♪
天井や壁にはゲームのチラシがびっしり貼られているのですが、その中に自分が作ったゲームのチラシを発見したんです。
おぉ~ めっちゃ嬉しい! テンション上がります。
そしたらお店のマスターが突然天井のチラシを剥がしにかかります。
そしてマジックを手渡され……
人生初のサインを書かせていただきました🙏
このゲームのデザインとメインプログラムを担当しました。
上で紹介したヘリのゲームのスクロールルーチンを改良して背景描画ルーチン作りました。
「NAO MORIKUMA」という名前で出ていたので、本名の「なお 本ま」で。
かっこいいサインじゃなくて申し訳ない…💦
天井に戻るチラシ……
オタゲンさんに喜んで頂けて私も嬉しいですわ♪
(現在は額に入っているという噂も)
またお邪魔します~と言いつつ、その後なかなか行けてないので、また9月に第2回でもやりましょうかね。
で、この呑み会には昔の仕事仲間など懐かしいメンツが集まりました。
五代響さん(左)も西山さん(右)もお久しぶりぶり。
参加者みんなで記念撮影。
(撮ってくれたのはオタゲンさんでMちゃんと呼ばれている方)
それぞれどの作品にどんな風に関わったのか線を引っ張ってみました。
で、この日、開催前に三津原さんが「レトロを語らせたら右に出るものはいない人たち」を誘ってもいいかと言われ、お初にお目にかかったお二方が今回『80mk2会』の主催者さんだったわけです。
なので、この日にお会いしていなければ私が今回『80mk2会』にお邪魔することも無かったかもしれません。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
というわけでサインさせていただきました🙏
サインした本の持ち主さんと一緒に記念撮影♪
恐縮です🙏
お礼に?ちゅんちゅん(ことりちゃん)のクリアファイル頂きました♪
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
ご挨拶できなかった方も多いのですが、相互なフォロワーさんも何人かいらっしゃったと思います。
またの機会にお話させてください🙏
懐かしいゲームカセットがいっぱい。
中村さんのサインみっけ。
30年以上前にラスベガスのカジノで一緒にブラックジャックやったの覚えてます?w
I/Oエンジンルーム時代に会えそうで会えなかった早川さんのサインみっけ。
PC-8801mk2SR版の『走れ!SKYLINE』を勝手にRSじゃなくR31に変えちゃってすみません……あといろいろ謝りたい気分ですわ💦
ツクモさんのカセットも懐かしいですね。
HAL研のゲームはすべて購入しましたよ!
もっとゆっくり展示されたゲームを遊んでみたかったのですが、結構あっと言う間に時間が過ぎ去ってゆく……
『ドルアーガの塔』もよくできてました。
ハンドルとお顔が一致していない方も多く、もしかしたらフォローしていただいてる方もいらっしゃったのかもしれませんが、またの機会にゆっくりと。
私は初代PC-8001のことしか分かりませんので、mk2/SRについても追々……
縦画面のスペースマウス。
これ、どういうことですか?💦
ぜんぜんお話聞けなかったー
PC-8001mk2のグラフィック+セミグラフィックと聞きました……が、具体的にどうなってるのかも聞きそびれました!
表示されている絵は好みですw
8801mk2SRのゲームを8001mk2SRで。
で UME-3 さん!
四半世紀前のWebサイト時代からやり取りはあったのですが、今回やっとお会いして色々お話できましたね!(^^)
そして内藤さんも!
某プロジェクトでは大変お世話になりました。
今回、しろくまとあの件とダスティーワールドが1本に繋がったそうで良かったですw
談笑
食べ放題 飲み放題
あのTシャツ欲しー
『フリートコマンダー』の製品版を目にするとは思いませんでした。
高校時代、かなりの時間を使って遊びました。
私はASCII誌に掲載されたリストを入力し、地図とコマを切り取り厚紙に貼り付けて遊んだ記憶……
『I/Oカセット・ライブラリ』はシンプルですな。
自分のゲームもこの形で販売されました。
『
PasocomMini PC-8001』
このページでも何度か登場した三津原さんが開発に携わっております。
ちっちゃ~い!
高校時代にいぢりたおしたPCが、今の技術だとこんなに小さくなっちゃうんだもんね。
感慨深いですわ~
『ジュピターランダー』もたくさん遊びましたねー
そしてコレは「自作の」PCGで動いているそうな。
私もカラーPCGを自作したことがあるので、このチラチラ走るノイズにも懐かしさを感じるのです☺️
私の「ベストゲーム10」はこんな感じになりました。
この日は隅田川の花火大会なので、帰りは混雑を避けて都営新宿線で本八幡駅へ。
久しぶりに公共交通機関でお出かけしましたが、道中なんも考えなくていいので楽ちんですな。
家の鍵を持って出るのを忘れて入れないので夕焼けを眺めながらかみさんの帰りを待ちました。
スカイツリーと隅田川花火。
私はちょっと早めに上がってしまったので、山下さん入りの集合写真には丸枠で参加w
こっちにはワタシ写ってます。
というわけで、どうもブログを書き始めると長文脱線が多くなってしまう悪いクセが出てしまいますが、このあたりでシメておきます。
たいへん楽しい一日を過ごさせていただきました。
主催者さん、参加されたみなさん、ありがとうございました🙏
またの機会にも呼んでくださいませ!