
今回、モーターショーへ初めて行ったのですが、人が少なかったらしく、各社の説明員の方々ともゆっくりお話でき、いろいろと教えてもらいました。クルマ見るよりこっちが楽しかった(^^)。同時開催のITSワールド2009でも沢山の方とお話しし、教えてもらいましたが、ITSの話はかなりマニアック(?)になるので割愛。ちょっとだけ書くと、ITSの方は、各社、大学、お金の出所(取り方?)に悩んでおられました(^^;;。
で、本題のクルマでお勉強したことです。
今回、部品の模型を展示し、技術力をアピールしてたのが日産。来年、秋に発売予定のフーガのハイブリッドのパワートレーンの模型を展示してました。
特徴は、モーターとエンジンをクラッチで制御し、出力と充電をコントロールしていること。
ハイブリッド方式は、いわゆる「パラレルハイブリッド」と呼ばれるもので、エンジンとモーターで走行することが可能。ちなみに、今売られている日本のハイブリッドは全部これ。
※これに対し、シリーズハイブリッド方式は、エンジンは発電のみに使用し、走行はモーターだけの方式。
パワートレーンとして、エンジン-モーター-トランスミッションを直列に配置しています。
ここまではホンダのハイブリッドに似てますが、エンジンとモーター間にクラッチを入れているのがポイント。
さて、制御の方法ですが、まずはモーターのみで走行する場合。
エンジンとモーターをクラッチで切り離し、モーターのみで走行します。
次に充電状態。エンジンとモーターをつないで走行します。
ここまでは展示されているディスプレイでわかります。
ここからは、日産の説明員の方に教えてもらった内容です。
しみず(以下、し): 「すみませ~ん、このハイブリッド方式教えてもらえますか?」
日産(以下、日): 「はいはい、まず、このハイブリッドはパラレルハイブリッドと言って~うんたらかんたら~」
し: 「なるほど。で、このモーター、オートマチックトランスミッションにくっついてますよね?」
日: 「はい、もうひとつの特徴は、トルコンを廃止して、このクラッチで制御してます。これで、加速時にアクセルを踏み込んだときに発生する『ちょっと間が空いて加速していく』トルコン独特の欠点をなくしました。」
し:「え?ということは、発進停止、変速、エンジン走行とモーター走行を切り替える度にクラッチ磨り減る?MTのような定期的なクラッチ交換が必要?」
日: 「いえいえ、エンジンとモーターの回転数の差は、モーター側で合わせてますし、ほとんど磨り減ることはないです。」
し:「トルコンって『ちょっと間が空いて加速していく』という欠点の代わりに、クリープの効果で坂道発進しやすい点もありますよね。」
日: 「そこは、坂道検知して、モーターのトルクで制御してます。」
日: 「それから、エンジンブレーキを使用する場面でもエンジンと切り離してます。エンジンブレーキのエンジンを回すエネルギーを発電に使う為です。」
し:「いろいろとやってますねー。でも、感覚論なのですが、エンジンブレーキを使う場面っていろいろあって、単にクラッチ切ってモーターに発電させれば良いってものでもなく、減速時のトルク感もエンジンと違いますよね(※クランク、ピストンを回すトルクの回転数による違いと、モーターを発電に使うトルクの違いのこと)。違和感ありません?」
日: 「それも、モーターで制御してます。」
し: 「ありがとうございましたー。」
ここで、閉演時間(18:00)となりました(^^;;。
最後の話題、発電時のトルクをモーターで制御してるってことでしたが、ごくごく基本的な原理だけを考えると、「発電するときのモーターのトルクの大きさ」=「発電量の大きさ」なので、発電量を制御するためには、コイルの巻き数か磁束の数を変えなければならない。コイルの巻き数をリアルタイムに変えるのは難しいので、磁束の数を変える?磁束の数を変えるには磁石の力を変える。磁石そのものを変えるのは難しいので、モーターの中身の磁石とコイルの距離を制御してるんでしょうか。
クルマは奥が深いですねー。
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2009/11/23 10:32:26