
去る8月27日早朝・・・出張中の東京のホテルで携帯が鳴りました。
「パパ・・・ごめん・・・りんちゃん動いてない・・・」
「!?」
前回、拾った仔猫を飼い始め徐々に回復して・・・とブログにアップした翌日の夕方、仔猫の容態が急変しました。
何度か医者に診てもらい、時間が許す限り付き添い回復に努めたのですが・・・
一度も光を知らないまま、逝ってしまいました・・・
皮肉にもその日は娘の吹奏楽部東北大会の出発日、そして娘の誕生日の前日でした。。。
仔猫を連れて帰った時は自力でミルクを飲めないような状況でした。
病院で診てもらった翌日からの食事は『薬入りのミルク』を注射器で与えてました。
嫌がりながらも飲み終え、抱っこしながら頭を撫でていると仔猫はトロトロと寝てしまいます。
それを見ていた娘に
「なぁ、〇〇〇(娘の名前)。昨日までこいつは、こんな安心して眠れなかったんじゃないかなぁ・・・」
「そうだよね、きっと・・・でも、どうしてこの猫は一人で居たの?」
「どうかな~・・・人間に捨てられたか、目が見えなくて親や他の仔猫に着いていけなくて逸れたか・・・もしかしたら、目が見えないことで親に捨てられた可能性もあるな」
「え!?猫って子供捨てるの?」
驚いた様子で聞いてきました。
「自然界で目が見えないのは致命傷だからね、動物は生きていけないと思った子は捨てることもあるよ」
娘を見ると目を潤ませています。
「想像してみろ~。目も見えず、自分より背の高い草むらで、腹を空かせて彷徨ってる事を・・・不安で泣きたくなるだろ?こいつは実際そうやって今まで生きてきたんだ」
「(T T)」
「でもさ、こいつは昨日までは一人ぼっちだったかもしれないけど、今は少なくとも3人の味方が居るんだよ(^^)」
「うん!そうだね!!(^^)」
「今まで寂しかった分、かわいがってやろうな~」
そんな生死を彷徨っていた子猫も、3日程するとダンボールから脱走するくらいに回復していました。
そうなると気が気じゃないのがかみさん。
初めて連れて行った動物病院で仔猫に付いた『ノミ』を見せられたのが強烈に残っていたんでしょう。
「風呂入れっか?」
ご飯の時間以外はダンボールの中に居る子猫を早くリビングで遊ばせたくて取った行動でした。
子猫を洗うと桶の中のお湯はすぐ赤茶色に変わりました。
「わぁ~、すごいなぁ~^^;」
風呂から上げて、ドライヤーで乾かしながら更にノミ探し。
「パパ、親ザルみたい(¬¬;)」とはかみさんのお言葉(^^;)
「娘増えたみたいでいいじゃない(^^)つか、早く名前決めてあげないと」
そこでまたかみさんと娘があ~だこ~だと話し合い、結局決まらず・・・(・ ・;)
その頃から真夏の暑さも一段落しはじめ、夜は涼しいくらいでした。
ある日、かみさんが、
「パパ、これ」
「何それ?」
「猫のハーネス。この子、細いから首輪しても抜けちゃいそうだし、目見えないからリード付けないと安心して散歩させらんないでしょ~」
「あぁ~、なるほど!」
我が家はDIY家族で、作れる物は作っちゃいます。
おいらは車にハマる前には素人大工。
ベビーベッドに始まり、家にある家具も殆ど自分で作りました。
かみさんは縫い物。
幼稚園や小学校で使うバックや子供服なんかもよく作ってました。
「かわいいべ!?」
「・・・・ウン^^;」
やることは似てますが、好みは合いません(笑)
でもこれで散歩の準備もできました(^0^)
様態が急変する20日の前夜、夜鳴きで何度か起こされました。
「どした?腹減ったのか?寂しいのか?」
だっこして撫でてやると寝るのですが、箱に戻そうとすると起きて・・・
「甘えてんのかな」と安易に考えてました。
翌日いつものように仕事場へ連れて行き、昼休みにミルクを飲ませようとしてもなかなか飲んでくれません。
最近ちょっと元気がないな~とは思いつつ、天気も良かったので日向ぼっこへ。
カラスの襲来に気を配りながら日向で遊ばせていたのですがあまり動かない・・・
午後の仕事があったので仔猫を箱に戻し、飛び出さないように格子状の蓋をしながらふと、『そういえば最近、ダンボールから飛び出すことなくなったなぁ・・・』
この日は仕事を早く切り上げ、いつもの動物病院に診察に行く予定でいました。
夕方近くになって仔猫の様子を見に行くと・・・
なんがグッタリしてる・・・
呼吸が浅く早い・・・
すぐ病院に向かいました。
こういうときの20数分の距離って凄く長く遠い気がするものですね・・・
運良く先の患者さんもなく直ぐに診てもらえましたが、
「こりゃまずいな。どうしてもっと早く連れて来なかったの?」
「すいません、午前中はこんなんじゃなかったもので・・・」
謝る事しかできませんでした・・・
前回同様、抗生物質と栄養剤の注射をしながら医者が、
「薬は毎日2回飲んでる?」
「はい、ちゃんと飲ませてます」
「ごはんは?」
「薬を溶いた牛乳です」
「牛乳?それじゃあ栄養が足りない。ちゃんと猫用のミルクを飲ませないと」
「・・・そ、そうだったんですか・・・」
「最近夜は涼しくなってきて人はいいが、この猫ちゃんにとっては寒さだったのかもしれないな」
注射を終えた医者が顔を上げながら言いました。
頭を殴られたようなショックでした。
食事も風呂も全部、自己満足していただけだ、と言われたような気持ちで。
自分の無知のせいで、仔猫の現状がある・・・
「とにかく栄養を取らせてあげて」との事。
一人、帰りの車の中、
「ごめんね、ごめんね。。。」
仔猫が入った箱に向かって何度も謝りました。
自身の無知さ加減に苛立たしさを感じて自己批判してもみましたが、そんな事してもこの子は元気にはなりません。
この子がまた箱から脱走するくらいになるために出来ることをやらないと。
子猫用のミルクを飲ませ、離乳食もあげたらどう?というかみさんの提案で食べさせてみましたが上手に飲み込めなかったので離乳食を濾してミルクに混ぜて与えました。
一度に多くは食べられないかと思い一日5回に分け、寒くないよう一日に3回湯たんぽのお湯を交換しました。
「がんばれ~、元気になるんだよ~」
家族みんなで仔猫を看病しました。
「ところで・・・」
「ん?何?」
「いつになったら名前決まるんだ?」
「あっ!・ ・;」
「やっぱ、名前呼びながら看病した方がいいべ?」
娘とかみさん、色々話し合った結果・・・
命名 『りん(鈴)』
理由はあえて聞きませんでしたが、いつか鈴を鳴らして歩けるようになればと思い賛成しました。
それから3日くらいすると、少しの時間ですが、なんとか自力で起き上がれるようになりましたが、鳴こうとしてもちゃんと声にならず、力なく「ニャァ~」の形に口を開けるだけ・・・
「なかなか快復しないね~・・・」と、かみさん。
「仕方ないべ、医者にもひと月くらいこのままかもって言われたし」
「でも・・・」
最初に注射をした後の回復振りを見ているだけに納得いかないようです。
「セカンドオピニオンてあるでしょ?他の病院で診てもらうってどう思う?」
「セカンドオピニオンかぁ~・・・」
現在通院しているのが移動に20分程度かかる距離。
また何かあったらまたイライラしながら連れて行くのも危ないし、他の医者の話を聞くことがマイナスにはならないと思い、翌日娘と二人で近所の動物病院へ。
「こんにちは~。初診ですか?」
「あ、はい」
「ではこちらに記入お願いします」
渡された紙には、飼い主の住所、連絡先などを書く欄と、ペットの種類と名前を書く欄が・・・
そこに『りん』と記入、誕生日の欄には8月13日、家に連れて帰った日を記入して、「この子、拾ったんです」と説明しました。
診察をしてもらうと、
「基本的には栄養不足なんだけど、元々野良ちゃんて色んなウイルスを持ってる可能性があって、このくらいだと丁度母乳の免疫がなくなる頃なんですよ。
ハッキリとどのウイルスかは判断できませんが、抗生物質の注射しておきます。
ただ、先天性白血病は遺伝なので、それだと助かる可能性は極端に低くなります。
あと、目なんですが、これはウイルスではなく先天性のものみたいですね~。
膜があってそれがまぶたとくっついているような状態だと思います。
元気になって手術すれば見えるようになるかもしれません^^」
今はこんな状態だけど、元気になれば目が見えるようになるかもしれない・・・
ちょっとだけ光が見えた気がしました。
会計を済ませ、診察券を受け取るとそこには『りんちゃん』の文字が。
最初の病院の診察券の名前の欄は空白のまま。
初めての名前の入った診察券に、妙な満足感があったのを覚えています。
りんが家に来る前から決まっていた8月26日から一泊の東京出張が近付いていました。
「やっぱり行くの?」
殆どの世話はおいらがやっていたので、かみさんは不安顔です。
りんちゃんの様子を見ても特に良くも悪くもなっていなく『現状維持』という感じだったので、「ちゃんとご飯食べさせれば大丈夫」と判断しました。
出張当日、午後の新幹線に乗るための準備をし終え、りんに昼ご飯を食べさせました。
「ちゃんとパパが帰ってくるまで待ってるんだぞ~^^」
頭を撫でながらそう言うと、りんは口を開いて声にならない声で鳴いて返事をしてくれました。
それがりんとの最後の会話・・・・
出張から戻り、帰宅したのは19時過ぎでした。
娘は一泊で東北大会へ参加しているため居ません。
おいらの顔を見るなりかみさんは
「ごめん・・・」 と。
「誰のせいでもないよ、みんな頑張ったじゃない」
りんのダンボールを見つけて、冷たくなったりんを抱きしめました。
「りんちゃん、よくがんばったなぁ。。。えらかったなぁ。。。もうがんばらなくていいからね。ゆっくり休んでいいからね。。。」
りんは口を少し開けたまま息絶えていました。
最後に何か言いたかったように・・・
「ごめんね~・・・助けてあげられなくて・・・りんちゃん、ごめんね・・・・・・」
りんの姿がかすんで見えなくなっていきます。
かみさんは気を使ったのか、その部屋にはおいらとりんの二人だけでした。。。
あれからもうひと月経つんですね~・・・
あんなに暑かったのに、外は冷たい雨。
りんは火葬せず、毎日通る場所に埋葬して(私有地にです)「おはよう」「おやすみ」を言っています。
娘はお参りに来た時「来年、またお盆になったら来てね」とりんに言ったそうです。
ホント中学生か?(笑)
ふと、考えることがあります。
『仔猫は、何のためにおいらの前に現れたんだろ?』・・・ と。
ただの偶然と言ってしまえばそれまでなんですが・・・
VELLに乗ってから、皆さんの整備手帳を参考に色々な弄りにチャレンジしてきました。
今まで手を付けなかった足回りまで。
次はブレーキなんとかしたいな~、なんて考えてた矢先にりんはいなくなってしまって・・・『チャレンジもいいけど、無知なままやってたら大切なもの失くしちゃうよ』って警告してるのかなぁ。。。なんて思ったこともありました。
実際まだ車弄りという気分ではないのでそっちはも少しお休みすると思いますが、このブログを機に、みんカラには復帰したいと思っています。
これまでのみん友さんはじめ、りんがきっかけでお友達になっていただいた方もよろしくお願いしますm(_)m
最後に、コメントしにくい話題だと思うので、無理にコメしないでくださいね(^^;
超ぉ~長文、失礼しました。
また、最後まで読んでいただき、ありがとうございましたn(_)n