魚介類は、むずかしい。
って、ラム肉のときにも呟いていた気がする、が、魚介類、しかもエビ一本勝負ってのは、ハードルが相当に、高い。
まず、鮮度が良くて、臭みが無いブツを扱えてるのかは、判別つかないし、情報がアテになるかも、分からない。
そして、メニュー。エビだけでそう長くは保たない。
更に、出来れば、エビがダイスキな彼女でも、行ったことが無い、店。
そんなコトをアタマの中で考えながら、探してみると、サスガ東京、エビ専門店が沢山ヒットする。
さて、では、見てみよかい、と、アタマからチェックしてみると、2店目で良さそうな店にあたる。
その店は、エビの輸入業をしているとのことで、エビの種類も豊富であり、更にワイン類も魅力的。
場所も申し分なく、訪れ易い。って、ん⁈どうも土地勘あると思ったら、本国の東京支社のすぐ裏手ではないか!
一瞬、怯む、が、まあ、誰にはばかることではないため、その店に決め、早速、予約してみると、テーブル席は既に満席で、ギリギリカウンター席が取れる。
収容人数は結構多いが、それだけ人気なのか、、、と、少し期待が膨らむ。
そして、いざ、行ってみると、予約が取りにくい理由が判明。
店はかなりこじんまりしており、屋外のオープンテラス席が大半を占めている。
しかし、この時期の屋外は、ちょっと怯む。なるほど、それで予約し難い、か。
そんなことを考えつつ、店に入ると、なんとなくそんな気はしていたが、正面のガラスのウインドウ越しのカウンター席を示される。
目の前には、地下鉄に向かう、東京支社のみなさんの通勤路、そして、その後ろには、お役所の数々。
席に座ると、彼女がカラカラと笑いながら、『今日、何かトラブルがあったら、5分でお役所に直に報告に行けますね(笑)!』と、私をからかう。
「やめてください、ホントにそうなったら、どうするの!(滝汗)」と、腹の中では思いつつも、『いやいや、もう、全然大丈夫だから!』と微笑みを返す。
そんなちょっとスパイシーな会話を肴に、シャンパンを飲んでいると、最初の品が登場。
最初にコースメニューを見た時に、「揚げエビと茹で海老って、また、微妙なところからいくねぇ。」と思っていたが、思った以上にシッカリと身が詰まった立派なエビたちが、出欠を取られるのを待つ幼稚園児のごとく、整然と並んでいた。しかも、かなりのボリューム。
早速、揚げエビを一つつまんでみると、エビの新鮮さと、味の良さに驚く。カラリと揚がった外殻の中には、下手をしたら、フツーのエビフライに使われるのではないかというくらいのしっかりした身が詰まっており、食べると中のエビの味がシッカリと堪能できるほど。
「ス、スミマセン。そこいらの居酒屋の川エビ唐揚げを想像していました。申し訳ない!」と、心の中で思いつつ、隣をみると、ご満悦な様子。
良かった!気に入ってくれたようだ。
一緒にやって来た茹でエビも、非常に新鮮で味が良く、エビの身の甘さと食感を愉しむのであれば、茹での方が自分としては、好み。
これは、塩茹でそのままもイイけど、ワサビ醤油なんかが絶対間違い、ない。
そうやって、最初の二品を堪能していると、次に、ホントは
コレが最初なんじゃないの?という、オマールのカルパッチョが登場。
コレもまた、、、何たる鮮度の良さよ!、そして、身の甘さと、大きい種類のエビ特有の食感の良さが、口中に広がる。
マンゴーベースのソースも、程よい酸味で、とても上品な味に仕上げてくれている。
食べて納得したのであるが、コイツが最初に出てきたら、味わう前に全部食べてしまうんじゃないかと、いう、美味さであった。
お次に登場したのが、イモ。
あれ?イモ?!と思ったが、かかっているコナがあからさまにエビであることを主張している。
食べてみると、やはり、エビをコナにしてフリカケ状にしたもの、らしい。
ただの揚げジャガが、エビの香り高い、えらくオシャレな味がした。
そして、さらにエビから外れて出てきたのは、ムール貝。
これが、フツーのムール貝よりかなり小さく、しかも、結構不揃い。
しかし、食べてみると、これもまた超新鮮で、それこそ今、水揚げしたかのような味わい。
下に見えるクリーム色の煮汁も、貝の出汁が猛烈に出ていて、バゲットを浸すと、それだけで一品料理になるほど。
ここまででも、もうだいぶとイイ感じにお腹にきていたが、ここで、このコースのもう一つのウリである、天使のエビのアヒージョが登場。
実は、よくは聞くが、どういうエビなのか、よくわかっておらず、後でグーグル先生に聞いたら、ニューカレドニアの青白いエビなの、鮮度が良い養殖なのなどが分かったのであるが、食べた時には分かっておらず、味的には油で揚げてしまうと車海老みたいな感じなのね、と、ちょっと薄いコメントをしあっていたが、さらに後日、フツーのエビのアヒージョを食べた時に、いやいややはり相当美味いエビであったと、後から気がつく始末。
そしてもう一つ後から気がついたのは、暫くはエビを食べるとここのものと比べてしまい、あまりイイことにはならないということ。いやー贅沢な悩みである。
その後は、最後のエビラーメンなのであるが、かなりお腹がいっぱいで、少し出すのを後にしてもらい、暫くは、お酒を愉しむ。
ここのお店は、ワインも自社で樽ごと卸しており、樽で輸入してそのまま出すから生ワインと言っているとのこと。
グラスワインを端から順に頼んでいったが、どれを飲んでもすごく美味しくて、ついつい、1時間以上も飲んだくれていたら、さすがにそろそろ最後のお品をということで、エビのラーメンをお願いする。
先般、やはり、パクチーをそこまでして入れなくてもイイ問題に解決を見ているため、自分は、パクチーなしでお願いし、彼女の方は、ナゼかニヤリとされてから、『パクチー大盛りで!』とオーダー。
「うぅ、絶対遊ばれてる」と思いつつ、待っていると、ラーメン登場。
パクチーは間違っても大盛りではなかったが、十分アジアンチックな様相のラーメンが登場。
しかし、味は極端にアジアンチックには振られておらず、とにかくスープのエビ含有率が超絶に濃厚。
でも、クドくはなく、確かに、スープだけではもったいなくて、何か麺を入れたくなるのが、よく分かる感じ。
これなら、スープスパゲティでも良いかもしれない。
隣を見てみると、さっきまでパクチー少ないの歌を奏でていた彼女が、夢中になってスープを啜っているのを見て、チョット苦笑。
美味しいものが大好きで、美味しい美味しいと喜んで食べてくれると、一生懸命探し出したこちらとしても、とても嬉しく思える。
しかし、その細い体のどこに収まるのかは、全くもって、謎だ。
一方、ヘタをすると、私の方が食べない時も、ある。一緒に食べているとき、あまり空腹感が湧かないのは、おそらく、ベータエンドルフィンの仕業であろう。
人間、幸福は空腹に勝る、らしい。恐るべし、脳内麻薬。
そんなこんなで、エビのスープを最後までいただき、今日のエビチャレンジは無事に終了。
彼女は相当気に入ってくれたらしく、随分とご機嫌な様子。
夜はまだ長く、場所を変えてもうちょっとアルコールを入れるために、官庁街を後にした。