
2016/08/24up
皆さまこんばんは。ayapapa0607でございます。
夏も終わりに近づいた今日この頃、如何お過ごしでしょうか?
何やら台風が連続で上陸し、水浸しの北海道となってしまいましたね。。
私と言えば、お盆期間に休めたのは週末の土日のみで、その他はフツーに出勤という実にトホホなバカンスでありました!
Σ( ̄ロ ̄l
ってことで、お墓参りもまだ行ってません。。(-_-;
ご先祖様、何卒お許しを!
m(_ _)m
さて、その貴重なお休みとなった13日の土曜日。前日から並んだ晴れマークに背中を押され、ついに行きました!
蝦夷富士。目標だったこの山。
筋力の衰えを防ぐ目的も兼ねて冬山歩きを始め、何とか今年こそは意気込んでいました。万年初心者が登れるのは、十分な安全マージンを見込めば雪が完全に消えてから次の雪が来る前の8月~9月しかありません。この中で、晴れと休みが重なるタイミングとなれば、更に条件は限られます。
そのタイミグが、正にこの日!もう行くしかないでしょう!
羊蹄山には全部で四つのコースがありますが、選んだのは比較的登りやすいとされる比羅夫コース(倶知安コース)としました。
ただ、とにかく安全第一を肝に銘じ、これまでは十分な余力を残しながら登れる山にしか行っていません。そんな山行を繰り返しながらレベルアップを目指してきたワケですが、必然的に、これでは自分の限界も見えては来ないのです。
そこで、蝦夷富士アタックに当たり、二つの条件を設定することにしました。登頂は第二の目標。第一の目標は、あくまで人様にご迷惑をお掛けすることなく、自力で下山することです。
①脚の負担を軽減し、帰りの余力を残すため、二合目から九合目まで、疲れの度合いに拘わらず一合目ごと必ず5分間の休憩をとる。これだけで40分のタイムロスとなりますが、その分早く出発することにします。
②登らなければならない標高差は1,548m!これまでの最高は、無意根山の860m、次いで札幌岳の858m、積丹岳837m。一日に二つ登った迷沢山と小天狗岳を合わせても1,041mです。完全に未知の世界。。標準コースタイムは4時間30分ですが、余裕を見て5時間(=300分)と考えれば一合当たり30分の計算。そこで、登り始めてから4時間を経過した段階で8合目に到達していなければ、無条件に撤退することとしました。
これに従えば、少なくとも遭難することはないかと思われるのですが。。
さて、どうなることやら?
写真かなり多めですが。。見てやってただけると嬉しです。

早朝の出発を想定し、前日夜にスタート地点となる半月湖畔自然公園の駐車場に到着。久々のマイレガ泊です。ここへ来る前に倶知安町内のスーパーで食料や飲料、氷等を調達しておきました。しばし一人プチ宴会を楽しみましょう。^^

翌朝4時起床。長い一日の始まりです。寝ている間に駐車場は満杯となっていました。
軽く腹ごしらえしてから。。

登山口へ。

合目ごとの標高が記された案内板。この後の参考になりそうなので、撮っておきました。

登山届けに記入して。

出発!
時刻は4:42です。
ちなみに、この日持参した飲料水は、スポーツドリンク2.0L、カルピスウオーター1.5L(山行時はコレが最高!)、缶入り炭酸飲料0.5L、氷2kg(=水2L)、合計6L!
あっ、持ち過ぎ?^^;
いやいや、猛烈に喉が渇く中、水切れを心配してちょびちょび飲むのは実に辛いものです。飲みたい時に飲めるだけ飲める量を持つのが肝要です。まあ、その分荷物が重くなり、それが喉の渇きにつながり。。っとい悪循環に陥るワケではありますが、無いより多い方が増しってもんです。飲めば飲むほど重さは確実に減るのですから。
特に炭酸飲料。氷と共に保冷バッグへ入れておけば、山頂到着の頃合いでキンキンに冷えているハズ!これは初の試みなのであります。

5:06(スタートから24分/合目間タイム24分・以下同)
一合目までは、なだらかな林道歩き。ウオーミングアップには丁度イイ感じですが、先の長い道のりです。帰りのことも考え、焦らず意識してペースを落とすよう心がけます。

が。。ここを過ぎるといきなり様相が変わり、斜度がきつくなってきます。

基本的には眺望の無い森の中を歩く感じですが、所々で見えるこんな風景が唯一の楽しみ。これは朝日を浴びる倶知安町の市街地です。

このコースでは有名らしい風穴。ヒカリゴケもあるようですが、ひとまずスルー。帰りに元気が残っていたら寄ってみることにしましょう。

5:28(46分/22分)
二合目。予定通りの5分休憩。

ニセコ連峰が姿を現し始めました!

5:48(1時間6分/20分)
三合目。少し日が高くなり、周囲の明るさが増してきました。気温が上がり過ぎなければイイんだけど。。

この辺りまで来ると、高度が感じられるようになりました。倶知安の街並みと周囲の畑作地帯がイイ感じのコントラストです。^^

6:06(1時間24分/18分)
四合目。悪くないペースでここまできました!これなら行けるかも?
が。。

ここから更に斜度が増し、一気にきつくなってきます!
とうとう来たか。。

でも、その分歩くほどに高度が増し、時々見える眺望が洗練されてきます。

6:41(1時間59分/35分)
五合目。半分まで来ました。斜度が増した分、合目間タイムが大幅に延びています。脚力、体力共にまだ余裕はありますが。。大丈夫か?^^;

この後、更に道は険しさを増してきます。

7:11(2時間29分/30分)
六合目。半分を過ぎると、心に余裕が出てきます。

ただ、この辺りが一番キツイ!

7:43(3時間1分/32分)
七合目。そろそろ脚がちょっとアレな感じになってきました。^^;
少し長めの休憩を取ることにします。

っと、意外にも、この辺りから斜度が緩くなってきました。助かった~。。

8:23(3時間41分/40分)
運命の八合目。7合目で長い休憩を取った影響で合目間タイムを大きく落としてしまいましたが、何とか条件をクリアしました!

スーパーの隣にあったドラッグストアで調達しておきました。この手のアイテム使うのは初めてでしたが、シュッと一吹きでクールダウン!かなりイイです。もっと早く買えばよかったな~。

ほどなく森林限界を超えて高い木がなくなり、周囲が一気に開けました!

8:47(4時間5分/24分)
九合目。あと一息!
ここから見えた眺望。。

ニセコ連峰を見下ろす絶景!倶知安市街の向こうには、積丹半島先端近くの山並みまで見えています。

中央はニセコ連峰の最高峰、ニセコアンヌプリ。斜面に刻まれたゲレンデはグランヒラフとニセコビレッジでしょうか。その奥は、チセヌプリ、イワオヌプリ、シャクナゲ岳、目国内岳~雷電山までの山並みです。

ここまで来れば、外輪山が間近に迫ってきます。とうとう来たな~。

更に登って高度を増すと、青空がどんどん近くなってきます!

ドピーカンの天気ながら、ここまで来ると風は爽やか。日差しによる暑さは殆ど感じません。

そして、道の先が見えなくなると。。

9:16(4時間34分/9合目から29分)
外輪山到着!山頂は丁度ここの反対側となるのですが、左右どちらからでも行くことができます。

では、時計回りということで、ここから左へ緩い登りを進みます。

外輪山からの絶景!
山頂と言えば、今まではピンポイントなイメージでした。そして、山頂こそがその山のベストビューポイントであり、途中の景色はオマケです。
でも、ここは全く概念が違います。外輪山の周囲は約2km。どの地点も標高は山頂とほぼ変わらず、歩を進めるほどに見える景色が変化します。つまりこの場合、山頂はビューポイントの一つにすぎず、外輪山全てがベストビューポイントとなるのです。
こうなれば、急いで山頂を目指す意味は全くありません。見える景色をできる限り両目とCMOSに焼き付けます。

左に倶知安町の市街地と、周囲に広がる畑作地帯。標高1,900m近い独立峰からの眺望は、まるで航空写真を見るようです。

山に隣接して見えるのは京極町の市街地。その奥に見える水面は双葉ダムです。
背後は手稲山、定山渓天狗岳、無意根山など、札幌周辺の山並みです。

こちらは噴火口。手前が二番目に大きい母釜、その左上の窪みが一番小さな小釜。一番奥が、最大の父釜です。

先へ進むほど、釜の見え方が変わってきて、なんだかワクワクしてしまいます。^^

山頂の標識が視認できるようになってきました。

こんな絶景が見え続けるって。。凄いです。

最大の噴火口、父釜。直径750m、深さ200m。富士山のお鉢ににも匹敵するサイズだそうです。
間近で見ると弩迫力です!

山頂が近づいてくると、景色の中心は倶知安町市街地周辺から京極町市街地のそれへと移ってきます。

あと少し!

9:57(5時間15分/外輪山到達点から41分)
到着!!
標準コースタイムは大きく超えてしまいましたが、もうそんなことはどうでもイイ感じです。^^

どうやら、この大岩の先端が羊蹄山のピークとなるようです。
なんかちょっと意外??
でも、これで二週連続の最高到達点記録更新です。^^
この前週に記録となった無意根山は、僅か一週間でその座を明け渡すこととなりました。^^;

まあ、そんなことより、この付近からの眺望探索です。
畑の向こうに見えるのは洞爺湖。

これほど湖面がハッキリ見えるとは、驚きです。

中央の小高い丘は尻別岳。っと言っても、標高は1,107m!
結構息を切らしながら登った山が、こんなに低く見えます。

では、この辺で少し休むとしましょう。山頂付近は混み合っているので。。

少し下がった場所でランチです。^^
缶入り炭酸飲料、触れないくらい(大げさ)キンっキンに冷えてました!

この景色を眺めながら、至福のひと時を過ごします。
にしても。。なんという爽快感!

では、そろそろ前へ進むとしましょう。この先しばらく続く岩場を渡りながら、何度も山頂方向を振り返りました。

足元に細心の注意を払いながら。。
一歩間違えば大ケガです。

この頃には雲も出てきましたが、かえってこれが高度感を増長させてくれます。

中央上の出っ張りは、6月に行った昆布岳。ここも1,000mを超える山なんですが、完全に上から目線です。

岩場をクリアしました。山頂が随分と遠くなっています。

ここまで来ると、再びニセコ連峰が見え始めます。
右下に見える建物は避難小屋。後で寄る予定となっています。

更に進むと、真狩コースとの分岐点。私は直進、旧避難小屋跡経由して比羅夫コースに戻ります。

向こうに見えるのが旧避難小屋跡。

しっかりとした基礎部分が残されていました。事前に調べてみたのですが、元々は気象観測所として昭和20年に建設され、その後、避難小屋に転用されたのだそうです。当時の技術と機材では、資材を運び上げるだけでも相当な苦労があったと想像されます。
羊蹄山の山頂付近で、歴史に思いを馳せるとは。。意外でした。
さて、もっと感傷に浸っていたいところですが、既に出発から8時間が経過しています。これから長い下りが待っていますので、歩を進めるとしましょう。

続いて、これが最後のミッション。新し避難小屋で、あるモノをGETしなければなりません。

奥に見えるのが、最近建てられたという避難小屋。手前は二代目に当たる古い避難小屋で、解体工事が始まっていました。そういえば、登山届けのボックスにその説明が書いてましたね。
ここで管理人さんに聞いたら、ありました!

羊蹄山の登山記念バッジ!ここでしか売っていないそうです。@700円。
こういうの、結構好きです。
次に登る機会があれば、また買おうと思います。

では、最後にこの景色を目に焼き付けて。。

後は、ただひたすら下るのみ!
あっ、ヒカリゴケ。。取り敢えず今日はスルーします。。

16:15(11時間33分/山頂から6時間18分)
山頂到着から6時間以上、出発から約11時間半ぶりにようやくマイレガと再会。
今日も無事戻って来られたことに感謝です。
体力と脚力は、何とか最後まで持ち堪えてくれましたが。。疲れました!
でも、その分イイもの見させていただき、有難うございます!
持参した6Lの水分、一滴残らず飲み干しました。。^^;
人生初の羊蹄山。天候にも恵まれ、最高の山旅となりました。再び山頂を踏む機会があるのか?今は分かりませんが、この日のことは一生忘れられない思い出となりそうです。
まあ、羊蹄なんか何度も登っとるワイ。っと仰るベテラン登山家の方も多いと思いますが。。しょぼい眺望マニアにとっては大きな一歩なのであります。

帰りがけに見えた羊蹄山。さっきまであの頂に居たのがウソみたい。。

山頂付近にズーム。この写真の右側から登って、左上の角が恐らく山頂だと思います。今までは全く分かりませんでしたが、一度行くと見る目が変わるから不思議です。未知の世界を探索すると、未知が未知でなくなります。
となれば。。沸いてくるのは次なる未知への興味。
さて、今度はどこへ行ってみようかな?
最後までご覧いただいて、有難うございました!