
震災後、何をやっても楽しいと感じれない軽い鬱状態の越前蟹です。
そんな中とても嬉しいニュースがありました。
好きな作家さんがアメリカのSF賞、フィリップ・K・ディック賞の特別賞に選ばれました。
伊藤計劃(けいかく)さんという方なのですが、実は2年前の3月にガンでお亡くなりになっています。
デビュー作である「虐殺器官」を私が知ったのも1年位前のことで、その後今回の受賞作である
「ハーモニー」と有名なゲームのノベライズである「メタルギアソリッド・ガンズオブパトリオット」と立て続けに読ませていただきました。
彼は作品内で私たちに問いただします。
「科学によって人間の感情がコントロールできるようになると人はどうなると思う?」
「科学の進歩によって人間にはユートピアを築けるようになるのかい?」と。
彼は過去のインタビューにこう答えていました。
「癌になっていなかったならば、自分の作品を世に問うことは無かったと思います」と。
死を見つめ続けたであろう彼の死生観が「メタルギアソリッド・ガンズオブパトリオット」のラストのあらわされていると思います。
たった2年にも満たない作家活動の中で3作もの傑作を生み出してくださった事への感謝と共に、追悼と賛辞を送りたいと思います。
毎日新聞より
<SF>米P・K・ディック賞 特別賞に故・伊藤計劃「ハーモニー」
米国で発刊されたSFペーパーバックを対象とした「フィリップ・K・ディック賞」が22日(日本時間23日)発表され、故・伊藤計劃(けいかく)さんの長編「ハーモニー」が特別賞を受賞した。
「ハーモニー」は08年12月に早川書房から刊行された伊藤さんの長編第2作。あらゆる病気が最新技術で駆逐され、健康が当たり前になった未来社会を描いた。同作は第30回日本SF大賞を故人として初めて受賞している。
伊藤さんは1974年、東京生まれ。07年に長編「虐殺器官」(早川書房)でデビューし将来が期待されたが、09年3月に肺がんのため34歳で死去した。長編2作はいずれも文庫化されている。
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2011/04/23 18:49:24