写真はカメラを通して対象を画像として記録します。それに対して人間は目を使って対象を見ています。ここからは人間の目(Human Eye:以下H.E.と略)とカメラの目(Camera Eye:以下C.E.と略)の違いについて考えてみましょう。
1:物の見方
H.E.:意識の働きがあって、始めてハッキリと見ることが可能…主観的。
C.E.:基本的にレンズに入る物は全て記録する=必要、不必要の選択はしない…客観的。
H.E.では、物(対象)を見るときに必ず「意識」が働いて、注視した物だけがハッキリと見えます。それは、例えば興味が惹かれた物だったり、見たいと欲した物、あるいは見ることを強制された物だったりを取捨選択しているのです。現にこのブログを読んでいる時も、目にハッキリと見えているのは追っている文字とその周辺程度になっていることでしょう。
それに対してC.E.自体に意識はありませんから、レンズの前にある物は全て忠実に記録しようとします。往々にして、できあがった写真に「不要な物」が写り込んでいた経験をお持ちの方もおられると思いますが、カメラは忠実に自分の役割を果たしただけです。
つまり写真を撮る場合に、H.E.のままファインダーなり背面モニターを見ていたのでは対象物のみを注視した主観的な状態になっていますね。ですから後に写真になって客観視できるようになってから「不要な物や、不要な空間」を発見するということになってしまうのです。それを避けるためには、ファインダーなり背面モニターで見たときに画面の中に「不要な物や、不要な空間」を排除する、H.E.からC.E.へと意識を変えておく必要性があるということですね。
今回のまとめとしては、
カメラはレンズの前にある物を忠実に記録しようとする。だから撮影者自身が意識して画面全体を見渡し「不要な物や、不要な空間」を排除して、主題が引き立つように画面処理をしなければならない。
ということになります。
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Posted at
2010/12/14 20:01:07