前編に続き、帰宅後編です。
退院して帰宅後、日常生活が始まったのですが、当初はかなりつらい生活になりました。
病院では医師・療法士・そして介護をしてくれる職員の方々がいて、さらに建物は一切の段差がないバリアフリーですが、自宅は専門家がいるわけもなく、「バリアフリー? 何ソレ?」という状態です。
まずは、病院生活と自宅での生活の落差を吸収することが、一番最初の課題になりました。
リハビリは、週に一度病院に通うことになりました。
病院には電車で通いましたが、最初の頃はホームと車両の段差を超えるのもたいへんで、乗り降りは必ず最後尾車両の一番後ろのドア、車掌の前で乗り降りするようにしていました。
これとは別に、入院中にもやったように私の自主ルールを作りました。それは毎日一度、必ずコンビニまで買い物に行くことです。
健常者の足なら片道3分ほどですが、杖をついていて道路の傾斜だけで怖い状態ではこれだけでも結構な冒険でした、日刊ゲンダイと缶チューハイを買いに行くのが目的ですが、こういう、どーしようもないような理由が長続きする秘訣で、今も続いています(笑)
寝るときも結構たいへんでした。
病院では介護用ベッドなので、頭や足を上げることができたのですが、家では普通のベッドなのでそんなことはできません。
体の前側(腹筋側)の筋肉が縮んでいて体を真っ直ぐ伸ばして寝られないので、普通のベッドで寝るのに慣れるまで結構時間がかかりました。
寝るときだけでなく、座るのも結構たいへんで、
抗重力筋がほとんど機能してなかったせいか、肘掛けや背もたれのない椅子だと、上半身がグラグラしてしまい、安定して真っ直ぐ座ることができませんでした。
体重が分散せずに1カ所にかかってしまったせいか、トイレの便座を割ってしまったことがありました。
そして、3月に自宅に帰ってから薄々とは自覚していたのですが、5月に入ってからそれが本当のことだと気づきました、汗が出ないんですよ。
元から自律神経はかなり失調ですが、脊椎損傷者は自律神経にも影響があるらしくて、グダグダになってしまったようです。
夏の間は、リハビリ通院から帰ってきた後は、2時間くらいエアコンの前で体を冷やしていました。
エアコンの風を直接体に当てるのは良くないということはわかっていますが、体がオーバーヒートしている状態ってのはかなり辛くて、こんなことをしてしのいでいました。
同時に、体のほんの一部分(20cm四方ぐらい)だけは汗が止まらない部分があったりもしました。
この夏は、少し動くと体温が上がってしまいとても辛かったので、リハビリ通院以外の外出はコンビニの買い物以外ほとんどできず、エアコンの中で引きこもりとなりました。
また、ある日突然「ガス欠」という感じになって、全く動けずリハビリの外出以外はほとんど寝たきりという日々もありました。
自宅リハビリは、自分のペースで自由にできますがやらないのもまた自由、すべて自分の意思でやらなければいけないところがたいへんです。(これは通信教育みたいな自宅学習にも共通しますね)
こんな状態で、帰宅後の生活はたいへん期間もありましたが、リハビリは夏の終わりには、担当の療法士もびっくり、というくらいの成果が出てきました、ロフストランド杖を卒業して、一本杖に移行することができました。
一本杖で歩けるというのは、ほぼ二本足で歩けるけど、文字通りの「転ばぬ先の杖」として軽く地面を突いて歩く、というレベルになったということです。
こんな回復曲線を辿り、リハビリ通院は年内で終了となりました。
私としては、もう少しやりたかったのですが、病院側の事情(手術から××ヶ月を過ぎると保険が・・・)ということでした。
療法士さんからは、これからのリハビリのやり方のアドバイスをいただきました。
年が変わって 2014年になり、まったく独りでリハビリに取り組むようになり不安はありましたが、手応えもそこそこあってなんとか過ごしていました。
2月下旬に、座っていて左足のかかとを地面につけた瞬間に、その反射でふくらはぎが縮んで足首が伸びる感覚がありました。
前から、療法士さんには「足首は一番最後に動くようになる」と教わっていましたので、これは良いサインが出たぞと感じました。
そして、しばらく様子を見た後(この間にも自己免疫疾患で角膜潰瘍になったりいろいろとありましたがそれは割愛)「これは行けそうだ」という感触を確かめて、5月に入って免許再取得へと舵を切りました。
免許再取得のプロセスに興味がございましたら
教習所日記をご覧ください。
その後も自主リハビリを続けて 2015年中旬には、杖なしで外出できるようになりました。
これは機能が戻ってきたこともありますが、体の状態に慣れてきて体の使い方がわかってきたのも大きいと思います。
リハビリは今も続けていますが、機能回復はもう限界で、(加齢もあるので)今のレベルを落とさないようにやっている感じのこの頃です。
免許証を再取得できて、わりと普通の生活を送れるようになりましたが、よくここまで来たな、というのが正直な感想です。
女王様も、2年間全く乗れなかったので、ご機嫌を損ねてしまったこともありましたが、今は絶好調です。
復活までには、たくさんの方にご支援をいただき大変感謝しています。
皆様のお心遣いを無駄にしないよう、できる限り峠をカッ飛び続ける所存でございます \^◇^/
入院からの経緯を綴った一連のブログはこれで完結です。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
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Posted at
2018/03/11 02:21:01