今回の作業ではアトランティックカーズさんに作業の様子を写真に残していただきました。私の手元にこの車があるうちに再びここまでバラすことは無かろうと思い、ぜひ作業の様子を知っておきたかったからです。
忙しい作業の中、五十数枚もの写真を残して下さった皆さんに感謝します。写真の押さえどころも的確で、撮られた方の気持ちが伝わってきます。
さて、作業開始です。まずはアンダーカバー、エキゾースト取り外しから。
続いてトランスミッションの取り外しへ。
ジャッキをかけ、マウント、ドライブシャフトを取り外してトランスミッションを下ろしています。スポーツシフトだと上にごちゃごちゃしたものが載るようですがMTはシンプルですね。
反対側から。本当はLSDのプレートも換えたかったのですが
グラッチアーノのトランスミッションは単体部品の供給無しとのことで断念。まあ、LSDなんで定常円の時にしか使いませんから我慢します。ちなみに採用車種を載せた
メーカーのPDFにアストンも紹介されていました。
トルクチューブ側。
取り外したトランスミッションです。
さて、ここまでの作業だと普通のFR車のトランスミッション交換と作業はそれほど違わないように思います。Vantageがレースを意識して設計された車なのかどうか分かりませんが、レースでクラッチを焼く車は出ないけれどトランスミッションを壊す車は出るわけで、その意味でメンテナンス性が悪いなりに、一応はレースを意識して作られているのかも知れません。(?)
トルクチューブからのプロペラシャフト引き抜き。
エンジンと同じ回転数になるプロペラシャフトは危険速度の問題もあってか軽量なカーボン製です。左方にクラッチディスクに入るスプラインが見えます。
トルクチューブを抜くには左側のエキゾーストマニフォールドを取り外すそうです。マニフォールドの集合部はかなりの太さ。破裂するようなあの音を出すにはこれが必要なのでしょうか。
取り外されたトルクチューブ。何となく工夫が感じられない外観です。(笑)
クラッチカバーの状態。かなりのカスが付いています。
ベルハウジング内。スレーブシリンダーとレリーズベアリングが見えます。
以前に別の車でスレーブシリンダーからのフルード漏れで走行不能(要積載車)になったことがありましたが、シリンダーがトランスミッションの脇にあるフォーク式だったので交換は簡単でした。同軸式のこの車でシリンダーが壊れるとここまでバラすことになるのでかなり厄介です。
そのため、ディーラーさんのクラッチ交換ではこのスレーブシリンダーもAssy.で交換となるそうです。やや過剰かと思いましたが一種の保険ですね。とは言え、本来ならカップとブーツだけ交換すれば良いはず。部品代も数十分の一で済むでしょう。
シールの構造について少し調べてみましたがハッキリわかりません。他の車を見るとベローシールではなく普通のカップ型のシールのようです。
配管が2本あるのは片方がエア抜きなのでしょうか。
クラッチカバーを取り外してフライホイールが見えます。
フライホイール、クラッチカバー、クラッチディスク。ディスクは外周で溝が見えなくなるほど減っていました。まさにギリギリまで使った感じです。フライホイールの摩擦面には焼けた跡が。「焼けた車も少なくありません」とのことでしたが、私の車では
ローンチコントロールの痕跡かもしれません。(笑)
エンジン後端のベルハウジング接合部。クランクシールが平気だったのかどうか・・・少々心配です。
そして、この写真ではエンジンブロックの接合位置が分かります。クランクの真ん中で切れているようです。

(”Astonmartintechinfo”より)
資料を見ると上のとおり。
ドライサンプのエンジンは初めてですが、この構造はどういう方向性の設計なのでしょうか。28番の「Bedplate」というのが普通のエンジンのベアリングキャップだとすれば「巨大な一体型ベアリングキャップ」ですよね。スカートの中にある一体型ベアリングキャップよりも更に剛性が高そうです。これが「ハーフスカート+ラダービームロアケース」というものでしょうか。
ただ、31番の「Insert」なるものが良く分かりません。肉抜きもありますし、こちらがベアリングキャップということは無いと思うのですが・・・。
話は戻り、作業は折り返し地点。新品フライホールの取り付けです。
センター治具を使ってクラッチディスクをセット。
クラッチカバーの取付。
ベルハウジング側には新品スレーブシリンダー。
ようやく・・・
ジャッキダウン。
この辺で1日目の作業が終了・・・でしょうか。
エキゾースト組み付け。
(作業再開?)
シフトリンケージを接続してトランスミッション周りの作業が終了。
それにしてもクラッチ交換でこの作業量とは。とても自分でやる気にはなりません。
続いて足回りの作業です。作業前のリア足回り。
同じくフロント足回り。
インナーフェンダー取り外し。
タワーバーも・・・
ショックアブソーバーユニットと一緒に外れます。
フロントフェンダー内。接着剤とリベットの様子が分かります。学生が汎用のアルミフレームを使って作ってしまったかのような構造。(笑)
同じくリアフェンダー内。各部の接着剤はいつまで強度を保つのでしょうか・・・。
取り外した純正ショックアブソーバーAssy.。11年を経過する車ですがダストブーツが切れて落ちたりはしていない模様。車検の時に指摘されたダンパーからの油漏れは良く分かりません。スキルアップでトランスミッションのブリーザーから飛び散ったオイルではなかったのかなあ。
スプリングコンプレッサーでの分解。この道具、欲しいなあ。
新品部品一式です。ビルシュタインと言うと黄色のイメージでしたがエナペタルさんで作ったこれはシルバーでした。前の記事にも書いたとおり、減衰力は純正程度で、ということになっています。
アッパーマウント、バンプラバー、ダストブーツは自分で用意しておきました。新車から11年も経つとゴム類はだいぶ劣化しますから。私のいつものやり方です。
新品部品での組み立て。ショックアブソーバー側のスプリングシートはアルミ削り出しのようです。汎用品なのでしょうか。下側の取り付け部はゴムブッシュ入りです。以前、ビルシュタインでこのゴムブッシュが抜けたことがあります。あれから20年も経っていますから、いい加減改良されています・・・よね?
新品部品での組み上がり。スプリングもそうですが、各部、かなり掃除をしながら組み立てていただいたようです。
機能とは無関係にも関わらず丁寧な作業に感謝します。
引き取りのときに取り外したショックアブソーバー(ダイナミック)を見ると、下側はスフェリカルジョイントのようでした。(軸穴が明後日の方を向いていましたから)
ショックアブソーバー単体でシャフトを押すとかなりの固さ・・・。
純正のゴリゴリした乗り心地はこのあたりが原因なのかも知れません。
異音が出ていたリアアッパーアーム交換のためアーム取り外し。こちらも自分で購入。
アームの取り付け。ところでアライメントはどうなるのでしょう。取り付け部、リーマボルトではありませんよね。後でチェックしておきましょう。
リアショックアブソーバーの取り付け。
最後にフロントショックアブソーバーの取り付け。
インナーフェンダーを取り付けて、ようやく作業終了です。
今回はこの他に、気になる室内の異音についても処置を依頼したところ、キッチリ解消と相成りました。私はメーターナセルからの異音だと思っていたのですがハンドルエアバッグ周りからの異音だったそうです。以前にも異音の場所の特定に手間取った(結局出来なかった)ことがあります。私の耳はダメ・・・のようです。
さて、ようやく整備作業が終了。お疲れさまでした。
果たしてその効果は・・・?
(つづく)