端塊

　全国紙・産経新聞が運営するニュースサイト「産経ニュース」の配信記事から『【政界ゲス不倫問題】渦中の宮崎謙介衆院議員が辞職を表明「軽率な行動を深く反省」「いつか大きくなって帰ってくることができれば…」』に意見す。


　スキャンダルを反省し、職を辞した潔さだけは讃えるに吝かでない。
　「恥をかいて来い！」と一喝した奥方の強さ・寛大さに免じて、弊ブログでは敢えて不祥事そのものを論うことをしない。

　しかし、看過できない一言が聞こえてきた。
　「国会議員の端くれ」とは何事か。

　選挙区民にとっては、唯一人選出された国政代表であり「端くれ」も「主流」もない。
　スキャンダルに塗れたとはいえ、不用意な言葉を用いて自らを卑下することは、即ち投票した有権者を愚弄することにもなりかねない。


　政治活動とは何ら関係の無い私生活の問題が、議員辞職の理由として適当かどうか議論があろう。
　むしろ「端くれ」としか自己評価できないレヴェルの政治活動に終始している実態の方が、国会議員としては罪深く、十分辞職理由に値する。

　併せて、辞めたら辞めたで莫大な補欠選挙の費用負担が発生することを、有権者は忘れてはならない。
　民主主義を実現するためには当然に必要なコストであるが、一方で「（図らずも）育児休業入りした人間の代替を探すコスト」と受け止められたら、今後は男親も積極的に取得すべき育児休業制度へのネガティヴな印象が増殖し、普及の阻害要因となりうる。



　辞職後は、望み通り育児に勤しむ時間と並行して、改めて勉強する機会も十分に確保できよう。
　論評に値しない軽率な行動への反省は言うに及ばず、政治家としての基礎を、他者を導く人間としての徳目を、それ以前に生れてきた子の親としての責任感を、それぞれ涵養する期間であってほしいと願う。