狙撃

　製薬企業・グラクソスミスクラインが販売する総合感冒薬「コンタック」のTVCMギャラリーから『2017年：サンバ編』に注目。

　今日からオンエアされる新CM。今をときめく女優・広瀬すずの「狙い撃ち」アクションがキュートであるが、私個人は熱烈なファンでも、特に風邪をひきやすい訳でもなく、CMとしてはニュートラルに眺めるのみである。CMとしては。


　私が注目するのは、その「狙い撃ち」アクションそのものだ。
　東京六大学の雄・明治大が誇るチャンスパターンが、まさに「狙い撃ち」。両の手で指さす仕草も、「（相手校）倒せよメ・イ・ジ」のコールで相手校スタンドに向け、応援席全体で行う。加えて、サンバのリズムが愉しい応援コールもある。



　今週・第4週は、勝ち点2で並ぶ2位・明治大ｖｓ首位・立教大の「紫合戦」。
　週末昼間の明治大応援スタンドでは、数え切れないほど「立教倒せよメ・イ・ジ」のコールと「狙い撃ち」アクションが繰り返された。


　ここまで負け無しの4連勝(対東京大／対慶應大)と好調な春季の覇者・立教大に対し、第1週「明早戦」で1敗を喫したものの、5試合全てで2桁安打と絶好調の打撃陣が牽引して勝ち点を漏らさず拾ってきた明治大。下馬評では、この決戦で勝利した方が優勝するのでは…と囁かれる。

　土曜日の1回戦は、立教大のエース田中(2年・大阪桐蔭高)と、明治大のエース齊藤(4年・桐蔭学園高)の投げ合い。双方立ち上がりの不安定さに付け込んで1点ずつを得たが、その後は膠着状態に。
　しかし6回、田中が投じた甘い球を明治大の2番打者河野(4年・鳴門高)が見逃さず、レフトスタンドへ放り込むソロホームラン。これが決勝点となり、明治大が接戦を制した。

　齊藤は度々ランナーを背負いピンチを迎えながらも、要所を締めて完投、勝利投手となった。
　一方の立教大・田中は、調子としては齊藤よりも上だったように見受けられ、明治大の連続2桁安打を断ち切って(8安打)完投したが、調子が上がらないなりに試合を作った齊藤の老練さの前に、惜しくも負け投手となってしまった。

　
　今日の2回戦は、明治大の強力打線が初回から大爆発し、いきなり5点リード。立教大の先発手塚(2年・福島高)を、1回途中（1アウト）で引きずり降ろした。
　その後も明治大打線は手を緩めず、1年生ながら春季リーグから大活躍だった立教大のアンダースロー投手・中川(桐光学園高)などから更に6点を挙げ、11－3で快勝し大きな勝ち点を得た。

　立教大は、エースで接戦を落し、2番手投手が崩壊しては勝利が遠くなるのも致し方ない。
　ここは相手が悪かったと見切りを付けて立て直しを図り、次週以降の対慶應大戦(第6週)／対法政大戦(第7週)で逆転を期したいところ。

　明治大は、私の予想通り「明早戦」「血の明法戦」を潜り抜け、「紫合戦」を制したことで俄然有利になってきた。
　春季は不安定だった投手陣も、エース齊藤／2番手水野(4年・静岡高)が完投し、昨年のエース柳(現ドラゴンズ)／2番手星(現スワローズ)並みの貫禄が出てきた。

　明治大の残り2カードは、次週・第5週の対慶應大戦、そして空き週を挟み第7週の対東京大戦。予断は許されないが、立教大の残りカードよりも与しやすい相手と見ることもできよう。


　風邪よりも先に、明治大の相手校が悉く「狙い撃ち」されてしまうのか。
　次週・第5週以降の秋季リーグ後半戦に、学生注目！