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イイね!
2014年05月23日

初転倒顛末記

ジムニーに乗り始めてこの時点で3年半。足回りはノーマルだし、クロカンもしない。通勤+レジャーな乗り方。ただし、田舎暮らしなもので未舗装林道は近くにあったりするので、廃道に近いような林道も走ったりする。単独走行ばかりなので、セルフリカバリもこの三年半で少しづつマスターしている最中である。
自動車の運転自体がリスクを伴うが、更に単独林道走行は、少なからぬリスクも付きまとっている。そもそも好き好んで山間部の不整地へと乗り入れるについては、最低限行ったところからは自力で帰って来るのが基本だと考えています。

前置きはこれくらいにしておいて、私のこの体験を通じて単独林道走行をされる方の一考になればと思い、タイムリーな記事では無いですが、ブログにアップすることにしました。


仕事が早めに退けたので、帰り道に林道探索。以前からの辺ならと目星を付けておいたエリアにジムニーを乗り入れると、思惑通り未舗装の林道を発見。しかも、通勤路からも程遠くないので度々来れるなと思いを巡らせる。この林道は里山の麓を半周するように付いており、あまり荒れておらず。勾配も無い快適ルート。しかし、これだけではあるまいと進んでいると、予想通り山上に登る枝線を発見。

普段は、未走破林道(特に未舗装)は何があるか分からないので日中しか走らないのですが、この時は「無理をしなければ大丈夫。いざとなれば引き返すから」と勢いで薄暮れがかった林道の入り口にハンドルを切った。後でこの軽はずみな判断を後悔することになるのですが…
この時点で18:00は超えており、夕暮れが徐々に迫っていた。

林道は杉の植林地ということもあり廃道という雰囲気ではなさそうですが、真新しいと思われる轍は無かった。スマホのナビには既に道路の表示は無くおそらくピストン林道で林業作業用のものと推測を付ける。

どんどん、登って行くと山の峰に近い所まで高度を稼いだ様子。これはピストン林道では無く山の向う側を走る県道まで抜けるルートかも…こりゃいいぞと一人興奮気味に走らせていると更に枝線が…というより林業用風の上り口を見つけたので、冒険気分も手伝って登り口から20m程登ってみると、やはり車が通れる状況ではなく、キャタビラの跡だけが付いた行き止まり。

いつもというかこれまでは「とりあえずジムニーの鼻先が入りさえすれば、突っ込んでみてダメならバックする」で何とかなっていたので、自車と路面や自然状況をよく確認するという林道走行の基本を怠り慢心していたのが、今までが単なるラッキーの連続だった事に気づかされるはめに…

「これくらいの状況なら…」とギヤをバックに入れて運転席からいったん降りて状況確認をせずに下り斜面を後退開始。しかし、日が落ち始めて暗くなってきた山中の轍のない杉の腐葉土で敷き詰められた道路面と法面と斜面の見分けが付きにくい。後退前の自車の状況は、登り勾配で左側が法面で右側は下に落ち込む緩い斜面になっていたので、ついつい斜面側に気を取車体が路面の左に寄せ過ぎてしまい、左側の法面に前後輪共に乗り上げ車体が右に傾斜していくので、まずいな、ヤバいかな?と後退をやり直そうと1速に入れても自重でズリズリと斜面を滑って行ってしまう。余りの右傾斜にいよいよ降りて状況確認しようかどうしようか迷っているうちにグラッとジムニーは右に転倒してしまった。

路面は腐葉土だったのと45度程度は傾いた状態からの転倒だったので、衝撃は思ったよりも酷くも無く割合に冷静ではいられた。ドシンと言う音と車内の荷物が全て右側へなだれ落ちてきて、真横になった景色を見ながら、ひと呼吸付いてエンジンを切り鍵を抜き、ライトを消してサイドブレーキを引き、頭上にある助手席の窓を開け、車外に脱出。車外に出て真横になった愛車を見ながら『やっちまったよ』と心の中で10回唱えてみる。次にジムニーの周りをウロウロ。上を見上げると木々の隙間から見える空は青色から限りなく黒色に近づいている。たった一人こんな山の中で車を転倒させてしまったと誰でも分かる状況判断を何度も繰り返す。お笑いですが、エイヤと体重をかければ起き上がりはしないかとやってみたりしたのでした。そして、息を切らしながらやっとこれからすべき事と闇の帳が降りきる前に片を付けないとマズいとの判断に至った。

右に転倒しているので上から下にバックドアを開きグチャグチャになっている常備している車内の荷物から長靴、LEDランタン、革手袋、ハンドウインチ、牽引ロープ二本、ベルトスリングを取り出す。ランタンで辺りを照らすと杉の木は周囲にあるのでアンカーには困らなさそう。LEDランタンでは十分な光量では無く作業は両手を使うので、作業中はLEDランタンは口に咥えながらの作業で非常にやりにくく、夜間のリカバリーにはヘッドライトが必須であることを思い知った

ワイルドグースで売っている台湾製のハンドウインチでフロント左と左前方のアンカーとでウインチングしてみるが、起き上がってこず…。この頃には辺りはほぼ漆黒の闇。頭上の木々の間の空は微かに空と木々の区別が出来る程度。

身体は作業のため法面を登ったり降りたり、アンカーまでの斜面の移動、ウインチングで汗びっしょりの状況ではあるが、頭の中は少し冷静になり始めていて、ジムニーにいつも積んである水が0.75L、非常食が二食分、ジェットボイルもある。車内でのビバークも出来なくはないし、いざとなったら夜明けに作業を持ち越してもいいし、歩いて麓の里まで一時間はかからない距離であろう事、現在位置で携帯電話の電波は届いている事を頭の中で確認していた。単独山行きは自分の好きでやっているのでなるべく人に迷惑をかけないようにセルフリカバリが原則だし、翌日は仕事が入っていなかったので、明日中までに脱出ならオフ手持ちの道具で何とかなると考え、焦る気持ちは少し収まった。

まずは車体だけ引き起こす事だけ考え、上になっている左側のフレームにベルトスリングを引っ掛けウインチングすると転倒状態は解消したので、転倒のダメージを見分。ガソリンが給油口付近のホースの所で漏れていたのと、ミッションオイルの臭いが漂っていたが、他はとりあえずダメージは無さそう。エンジンも始動した。外観は下になった右側はドアミラーが根元から折れていたが、ガラスも割れていないし、ドアの開閉も問題無い。もちろんぼこぼこになっていたが。

この時点ではまだ車体が法面に乗り上げている状態で、かろうじて転倒せずに自立している状態なので法面から路面に戻さないといけない。ハンドウインチは一つしかないので左が法面で右に傾いでいる車体を右後方から引っ張れば路面にずり下がるのではないかと考え、右後方にアンカーを取り、少しウインチングしたところで二度目の転倒をさせてしまった。…あぅぅ(泣)
ただ、もしハンドルロックもサイドブレーキも引いたままだったので転倒せず引けたとしても、アンカーを車体より勾配の下がった谷側から引いていたので、下手をすると谷に落としてしまっていたかもしれない。

この頃もう21:00は過ぎていたのではないでしょうか。明かりが届く意外は真っ暗闇で二度目の転倒から再度車体を引き起こすべくアンカーの木の位置等確認するため車体を離れると、LEDランタンでは元居た車体の位置すら把握出来なくなる程の暗闇で、道具を見失わないよう常に一塊に纏めたりして気を付けていたが、この時点でシャックルを一つ見失ってしまい後々の作業がちょっと面倒になってしまった。最後の撤収の時に見つけたので持って帰る事は出来た。あと熊や猪(この辺りは実際に居る。)と出くわしたらどうしようかとか考えていたが、獣の姿は見ることはなかった。逆に暗闇から見られていた可能性はあるが。

一度目に車体を起こしたのと同じように車体を起こした後、再転倒させないようにさせるのも嫌なのでコケないように体勢をどうもっていっていくのやら分からなくなってきてしまい、アンカーを変えたり、シングルラインやダブルライン、車体側の引っ張り位置も変えたりと色々と試してみたが、フロントの社外シャックルがひん曲がっただけに終わってしまった。

画像がないので分かりにくいが、車体が乗り上げている法面は道路の分岐でコーナーになっているため、車体の後輪と法面のコーナーまで1メートル程なので、悩んだ挙げ句、ウインチングで安全な体勢にもっていく案は撤回し、アンカーと車体をウインチ+ロープで繋いでおいて自重で後退させれば、法面のコーナーから路面に降りることが出来て、更に勢い余ってもアンカーとロープで繋がっているので、路面下の谷にダイブする事も防げると思い至り実行してみる事に。ハンドウインチを緩めながら時には車に乗り込み後退しわざとタイヤの位置をスライドさせたりしてようやく法面から脱出出来ました。

この時点で時間を確認すると23:00を過ぎていた。4時間以上はリカバリと格闘していた事になります。ふらつく足で荷物を車に積み込み、この先がどうしても気になっていたこともあって進んでみると100m程で行き止まりになっていた。ただのピストン林道だったのでした。


自宅に帰ると体中の節々は痛いし、あちこちに枝で作った切り傷はあるしで大変でしたが、単独山中で横倒しになった状態からのリカバリが出来た満足感と大事に至らなかった幸運とほろ苦い後悔をを噛みしめたのでありました。


転んでいた画像は真っ暗だった。残念。リアフェンダー、Cピラーのダメージが酷かった。リアゲート自体は無傷だが、開閉には支障が生じた。


Aピラーはダメージ無し。ドアミラーもステーがすっぱり折れてくれたおかげでドアへのダメージも最小限に済んでいる。


Bピラーは、全塗装の際にリアフェンダーを交換しているので、継ぎの部分でダメージが。ドアのは隙間は空いているが、開閉は問題無し。

二度転倒した割には、この程度なのねという感じ。丈夫な車だと改めて思った。ちなみに現在は、板金塗装+縞鋼板している。


ブログ一覧 | ジムニー | 日記
Posted at 2014/10/05 22:58:26

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{ひろ}さん

こんばんは。
138タワー観光さん

この記事へのコメント

2015年6月12日 11:39
こんにちは

楽しく読ませて頂きました。失礼m●m
私もsj30乗り出した頃、同じ事をした経験があります。
電動ウインチが欲しいですね。
最近は激安品がありますんで是非。
コメントへの返答
2021年2月7日 16:56
今までコメントに気付かず、大変失礼いたしました。

単独でのトラブルは焦りますです。ウインチは未だ付いてない代わりに刺激的で冒険心をくすぐられるアブナイ所には近付かないようにしています。

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「@mitakun
こうなる事を危惧はしていたのですが、なってしまいました。モンキーは、万が一の時は、自車で搬送出来なくはないですが、それでも自走できるかそうじゃないかは、違いますよね。」
何シテル?   05/06 20:33
2010年、6台目の愛車 Jimny 購入から早10年目に突入。 2018年、通勤、社用車としてポルテ購入。我が家の超快適車。 2019年、甦れ青春...
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